僕が海外で下肢長不等の手術を受けるまで

漫画風のクマが「日本国内だと高額だけど…海外ならどうだろうか?」と考え、「はて?」と疑問に思っているシーン。

僕は現在、「感染性両脚偽関節」という合併症を患っています。しかし、そうなったのは海外で行った手術の後で、もともとは違う障害がありました。今回は、僕が海外で脚の手術を受けるまでのお話をしたいと思います。

こんにちは、しろくまです。僕は現在、「感染性両脚偽関節」という合併症を患っています。

しかし、そうなったのは海外で行った手術の後で、もともとは「下肢長不等」という違う障害がありました。今回は、僕が海外で脚の手術を受けるまでのお話をしたいと思います。

「下肢長不等」とは?

僕は生まれた時から、「下肢長不等」という障害がありました。主に、下肢の長さに左右差があるという症状です。「脚長不等」、「脚長差」とも呼ばれます。

元々、人の体というものは完全に左右対称というわけではなく、上肢(腕など)は通常よく使用する方が若干長くなっていることが普通です。それは下肢(脚)も同じで、多少の左右差は問題がないとされています。

僕の「下肢長不等」はその左右差がいわば許容量を超えている、差が目立つといえばわかりやすいでしょうか。原因はさまざまで、短い方の脚に問題があったり、長い方に問題があったり、僕の場合は、成長障害でした。

赤ちゃんの時から下肢長不等がはっきりしている場合もあれば、成長の過程で目立ってくる場合もあるのですが、僕は身長が伸びていくとともに脚の長さの差が明らかになり、小学校へ入る前に一度だけ病院で診断を受けました。

整形外科の緑色の医師がレントゲン図を指しながら説明し、クマが「しない!」と決断しているシーン。

この時の僕はまだ幼く、「何だか少し違和感があるなあ」程度で、それ以上は特に気にすることもありませんでした。病院に行っても、「手術が怖いから」等ではなく、「早く帰って遊びたい」という欲求の方が強かったので、手術を断ってしまったんです。

もし、過去に戻れるなら、当時の自分を説得したいところです。

下肢長不等で困ったこと、改善の工夫

前述した診断以降、僕は下肢長不等の件で整形外科に行くことはありませんでした。

小学校に入ってからは幼稚園以上に運動を行います。背が伸びていくにつれて、その違和感は大きくなっていきました。

小学4年の頃、クマが脚の長さの微妙な違いに気づき、対策として中敷きを使用するシーン。

短い方の靴に厚めの中敷きを入れたり、靴底が厚いものを履いたり、上履きも大きめのものを購入して、中に詰め物を入れたりしていました。

この頃はまだ、体育の時間等にも配慮や手助けが必要になることもなく、走ることも、蹴ることも、跳ぶことも、困難ではありませんでした。

周囲のサポートと嬉しかった配慮

そんなのんきな僕に対して、周囲は何かと気にかけてくれていました。

外靴から上履きに履き替える時は肩を貸してくれたり、しゃがんで何かを行う時は、こちらがモタモタしてしまっても「ゆっくりでいいよ!」と待ってくれていたり、先生達も定期的に脚の様子を聞きにきてくれたり。周囲に本当に助けられていました。

それは社会人になった後も同様で、学生生活をはじめ、社会で生きていく中で、困難だと感じたことは比較的少なかったと思っています。

僕は重い荷物を運んだりすることもできていたので、誰かにお願いすることはほとんどなかったですが、「脚に負担かかってない?」と声を掛けてくれたり、「そこ、段差あるから脚ちょっと高く上げた方がいいかも!」と伝えてくれたり、周囲によって助けられることが多くあり、とても嬉しかったことを覚えています。

三十代手前で大きくなった違和感

しかし、違和感は突然大きくなりました。

2018年、僕が28歳だった頃、朝起きて、膝や脚全体に違和感を覚えたのです。

当時の僕は社会人サークルで毎週のようにバレーボールをやっていたので、最初は筋肉痛か、あるいは体の使い過ぎかと、そこまで気にも留めていなかったのですが、

「そういえば最近、腰も痛いし、前よりも歩きにくくなった気がする」

家の中で、裸足で歩く時のガタガタしている脚の差が、以前よりも大きくなっている気がすると感じたのです。

最初こそ、「年齢的にも体に疲れが溜まりやすくなっているのかな?」などと、気楽に考えていたのですが、次第に「もしかするとこの腰痛や膝や脚全体の痛みはこの差からくるものではないか」と疑い始め、日本の病院を受診することに決めました。

東京の某診療所にて。

医師の猫がレントゲンを見ながらクマに左右の脚の長さが4cm異なると診断しているシーン。クマはスポーツをしていて中敷きを使って調整していることを説明している。
医師の猫が手術の必要性とその費用についてクマに説明しているシーン。クマは費用の高さに驚いている。

こうして、僕は一度家に持ち帰りました。

同じ手術についてパソコンで検索したり、他の病院にも足を運んで話を聞いたりと、情報を片っ端から集めることにしました。

しかし、やはりどこに行っても告げられる金額が非常に高く、自分の生活と合わせて考えると非常に厳しかったのです。

海外での手術を決意

両親に相談した際、「お金を出す」とも言ってくれたのですが、当時の僕は人に頼るということが出来ない性分だったので、「自分の所持金内で出来ることをやろう」と決めました。

「日本内だと高額になるけど、海外ならどうだろうか?」

僕は世界の医療技術も進んでいるだろうと考え、範囲を日本のみから世界へと変えました。

脚延長(身長を高くしたりする美容手術)は、どの道、日本であっても保険がききません。どうせなら、自分のような障害治療の経験がある医師がいいという条件で絞って検索していました。

すると、東欧方面でそれらの実績がある医師のサイトに辿り着きました。読み進めると確かな実績だったので、僕はコンタクトを取ることにしたのです。

先生からのメールはすぐに返ってきました。

手術内容も細かく記載されており、治療中の宿泊場所も説明されていました。しかも、費用は日本の約半分。その他、必要な費用(生活費や交通費等)の確認をさせてもらい、分からないことがあったら、その都度質問をしましたが、それにもしっかり答えてくれました。

しかし、不安もありました。

その医師は日本人の手術も行ったことがあると言うので、実際に日本人の患者さんの連絡先を教えてくれました(彼がその医師の元へ行ったのは身長を伸ばす為だと言っていました)。それは確かだったので、詐欺等の心配もないという事は分かっていたのですが。

東欧は未だ発展途上国であり、一部の内陸では戦争寸前の睨み合いを行っていたので、安全性の面で悩みました。

ただ、現状のままでいると、自分の脚は更に悪化してしまう。その不安の方が、治安等の心配よりも強くなっていったのです。

考え抜いた末、僕は東欧の某国にて脚手術を行うことにしました。

(次回に続きます)

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ABOUT ME
しろくま
性同一性障害(FtM)とHSS型HSPの気質を持ち、先天性下肢長不等が大人になるにつれて悪化。海外治療の末、両脚・感染性偽関節の合併症となり帰国。現在は周囲に助けられながら国内治療をしつつ、社会人&大学生としてゆるりと車椅子生活中。趣味はバレーボール(現在はお休み)、読書、絵描き、旅行。