半身麻痺のある私が移動するときに困ること

障害者を示すクローバー型の青い標識。

私は脳梗塞の影響から左半身に運動麻痺が出て、中途で身体障害者になったということはこれまでも書いてきました。今回はその中でも書いていた、歩行や通勤を理由に断られたことに関連して、私の現在の移動手段などについて書いていきたいと思います。

はじめに

私は脳梗塞の影響から左半身に運動麻痺が出て、中途で身体障害者になったということはこれまでも書いてきました。

前回、前々回はそんな私が半身麻痺の身体でも行える仕事を探し、障害者雇用の在宅ワーカーになるまでを書きました。

今回はその中でも書いていた、歩行や通勤を理由に断られたことに関連して、私の現在の移動手段などについて書いていきたいと思います。

木製の椅子に掛けられた杖。

装具と杖による歩行

私は左足に短下肢装具を付け、杖を使用して歩行しています。

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車椅子を使用していないので、ぱっと見、中途半端に身体障害者と目に映る人もいるような状態ですが、実際に歩いてみると、あまりに不自然な歩き方なので、誰の目にも半身麻痺があり、歩くのが不安定な人だとわかることでしょう。

とはいえ、「そこまで歩行に支障をきたしていないのでは?」と思われることもあり、実際、障害認定調査の調査員からも、装具を付けて、杖で歩いているのに、「ちゃんと歩けていますね」と言われたこともあります。転職活動において、企業側から「車椅子を使っていないなら、通勤も楽にできるだろう」と考えられてしまうのも仕方がないことかもしれません。

公共交通機関の制約

通勤だけに限らず、私たちのような半身麻痺の身体障害者にとって、移動の問題は密接に関わってきます。私が住んでいる土地では、公共の交通機関と言えば、バスがそのほとんどです。

しかし、昨今の利用者の減少を受け、かなりの便数が減らされている上、バリアフリーに対応した低床バスがほとんどありません。こういった事情が私たちの移動方法を大きく制限している要因のひとつです。

私は通院などの際には、障害者手帳の割引を使って、タクシーを使っています。他の地域では、障害の度合いによってタクシーチケットが配られる自治体もあるようですが、私の住んでいる自治体では、日常的に車椅子を使用している身体障害者にしか配られません。

私がバスをあまり使わないのは、混んでいるバスは危ないし、転倒して迷惑をかけるのも嫌だから乗らないようにしているというのもあります。どうしても杖をつきますし、杖を取り回すスペースのことを考えると、バスの中で移動するのは、出勤時間の混雑した状態では恐怖でしかありません。

障害者マークが表示されたバスの外観。

自家用車の難しさ

自家用車での移動という選択肢も出てきますが、それも簡単にはいきません。半身麻痺になって以来、AT限定の免許になりました。病前までは何年も毎日運転していたとはいえ、障害を負ってからはまだ一度も運転をしていないので、運転を再開させる前に練習をしておきたいという気持ちはあります。

そのため、自動車学校などに「脳卒中後の運転の練習はできますか」と問い合わせをしたこともあったのですが、いずれも、コースは貸せることもあるが、自分の所の車両を使うことはできないという解答が多く、現実的には自動車学校での練習は難しそうでした。

もうひとつ、現在の自動車の構造的な部分でも難点があります。日本ではほとんどが右ハンドルなので、右手でハンドルを動かし、左手でシフトレバーの操作や車種によってはサイドブレーキを引くことになります。これが半身麻痺の私にはなかなかつらいのです。

身体を思い切りひねって無理矢理右手でシフト操作したり、サイドブレーキを引くという方法もありはしますが、とっさの状況やそのときの運転状況などによっては現実的ではありません。反対側の麻痺ならば…などと感じるときもあるくらいです。

最近ではボタンやダイヤルでシフト操作をできる自動車も出てきていますし、自動運転が普及すればこの現実は変わるかもしれませんが、それはもう少し先の未来の話でしょう。

車の運転席の内装。

地域格差の実感

半身麻痺による移動の問題は、非常に大きいのです。こういった問題は住んでいる地域によって変わってきますし、公共の交通機関が発達していれば、これほどまでに悩まずとも、一人でも安心して、そこまで他人の手をわずらわせず移動できることもあるかもしれません。

近年では地方や都市の格差というものがよく言われることがありますが、障害者だけに限らず、一般の人やお年寄りなどにとっても、地方と都市部でこれだけの移動方法における地域格差というのがあるというのを、自分が障害者になってみて、如実に感じています。

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ABOUT ME
市川 潤一
1975年生まれ。長崎県佐世保市出身・在住。愛媛県でライター・編集者・カメラマンなどとして活動していたときに脳梗塞になり、左半身麻痺の身体障害者となる。取材活動ができなくなり、ライターを廃業。障害者雇用の在宅ワーカーとなり現在に至る。障害者の仕事の仕方や見つけ方など自分の経験を紹介していきたいと思います。