中途で半身麻痺を負った私の仕事と、会社にお願いしている配慮

MacBook Proが木の机の上に置かれており、画面にGoogle検索のページが表示されている。

私は40歳を過ぎたときに発症した急性心筋梗塞の手術の合併症で脳梗塞になり、左半身麻痺を負いました。現在は通所リハビリやデイサービスを利用しながら、在宅ワークをさせてもらっています。今回は、私が現在している仕事の内容や、会社にお願いしている配慮についてです。

私の発症とその影響

私は40歳を過ぎたときに発症した急性心筋梗塞の手術の合併症で脳梗塞になり、左半身麻痺になりました。

私のように運動麻痺がある人たちにとって就業や再就職は大きな問題になります。障害の症状や、それまでどのような仕事をしていたかにもよりますが、場合によっては物理的、現実的にそれまで行っていた仕事が出来なくなったり、それを理由に会社側から退職を迫られたりして、職を失うことがあります。

実際、私もそれで、20年以上続けてきたライターや編集者の仕事を廃業したひとりです。

現在は通所リハビリやデイサービスを利用しながら、在宅ワークをさせてもらっています。今回は、私が現在している仕事の内容や会社にお願いしている配慮について、まとめました。

就職活動の困難と在宅ワークへの転換

机の上に置かれたノートパソコンと、緑色の観葉植物。

麻痺があると、就職活動はそう簡単にはいきません。私は装具を付け、杖を使いながら歩行している歩行困難者なので、就職活動において、通勤のことや社内のバリアフリー未対応を理由に断られたことが何回もあります。

「それならば」と、通勤する必要がある職場を諦め、在宅ワークやテレワークができる会社を探すことに切り替えました。そうして、障害者手帳を持っている人を対象にした、在宅ワークを斡旋してくれるエージェントに登録し、運良く現在の会社を紹介してもらえました。

ライターの仕事というのはほとんどないのですが、今の会社が飲食店を運営している会社ということもあり、ネットを使った様々な業務を任せてもらっています。

今の私の仕事は、自社店舗の口コミを調べたり、同業他社の動きを調べたりするような市場調査や、営業資料作りなどの営業サポート、イラストレーターやフォトショップといったソフトを使ったメニューブック等の制作補助などです。

会社への要望と配慮

転職活動中から自分のできること・できないことをきちんと伝えたことで、業務面では大きなミスマッチが生じず、今も仕事を続けられているのではないかと感じています。

ただ、働き始めるにあたって、私が会社に伝えた要望はいくつかあります。

まずは、週2回の通所リハビリに行かせて欲しいということ。これは、障害者雇用を専門に扱っているエージェントを通しているからか、初めから理解を得やすかったです。

両手でキーボードが使えないこともあり、両手を使うことが必要な細かい作業はできないと伝えてあります。片手だとどうしても作業に時間がかかってしまうので、納期が短く、スピードが求められる作業は振らないで欲しいということもお願いしました。

また、片麻痺からくる関節の拘縮予防のためのマッサージ利用をするための時間を確保させて欲しいと伝えてあります。あまり知られていないかもしれませんが、麻痺のある腕や脚も一定の時間置きに動かす必要があります。動かしづらいからと言ってそのままにしておくと、どんどん可動域が狭くなっていってしまいます。ケアやメンテナンスが必要なのです。

これらの要望を伝えた上で、会社のみなさんが片手でしかタイピングできない私にもパソコンでできる仕事を切り分けていってくれました。

ミニチュアのオフィスデスクとホワイトボードが白い背景に配置されている。

周囲の反応と企業への期待

私が病後に再就職したことを伝えると、周りの人からよく驚かれます。私が就職した経緯を話すと、「障害者だからそれだけの要望を汲んでもらえるのだろうね。自分たち健常者なら、そこまで自分の要望を言えない。」と言われることもありました。

周りの人たちの言いたいことはわかりますが、私たちの現状とは遠い意見だなと感じてしまいます。「自分の要望を伝えずに働けただろうか」と考えてみると、それは難しいと思うからです。

そこまでの要望を言わないと働けないのが私たちなのだということが、障害者雇用を考えている企業や一般の人々などにわかってもらえるようにならなければ、運動麻痺を発症した人間の就職活動はまだまだ困難を極めるのではないかと感じています。

私の仕事は今の会社の人達から片手でもできる仕事を切り分けてもらいました。たしかに今の自分に合わせて仕事を切り出してもらうことは、健常者では考えにくいでしょう。ただ、以前と全く同じ仕事は出来なくなり、職を求めていた私にはとてもありがたかったのです。必要なことだったとも思います。

障害者等に仕事を振っていくことは、会社の利益にもつながる可能性もあります。障害者の仕事を切り出して任せることが、会社にとっては既存の社員の負担も軽減でき、会社の生産性や効率も上がっていくことになり、障害者にとっては転職活動をしやすくなる、そんな関係性を築いていけるのではないかと思っています。そういう社会になっていくことを切に望んでいます。

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ABOUT ME
市川 潤一
1975年生まれ。長崎県佐世保市出身・在住。愛媛県でライター・編集者・カメラマンなどとして活動していたときに脳梗塞になり、左半身麻痺の身体障害者となる。取材活動ができなくなり、ライターを廃業。障害者雇用の在宅ワーカーとなり現在に至る。障害者の仕事の仕方や見つけ方など自分の経験を紹介していきたいと思います。