半身麻痺の中途障害を負った私が障害者雇用の在宅ワーカーになるまで。

マウスを操作する手とキーボード

私のような脳血管疾患を経験して、麻痺が残った人が最初にぶち当たる問題が社会復帰だと思います。麻痺が残った体ではなかなか以前のような仕事のパフォーマンスを発揮するのは難しくなりますし、かといって、働かないわけにはいきません。今回は、私が障害者雇用の在宅ワーカーになるまでです。

心筋梗塞と脳梗塞の発症

私は40歳を過ぎたときに、学生時代も含めた長年の不摂生や不健康な生活も影響して、急性心筋梗塞を発症しました。

そのカテーテル手術の最中に血管がボロボロだったこともあり合併症で脳梗塞となり、死の淵をさまよいながらも、速やかに脳外科手術を受けたことで一命を取り留めましたが、その脳梗塞の影響で左半身に運動麻痺が出てしまいました。

それまでやっていた仕事を廃業してしまったので、麻痺があってもできる新しい仕事を見つけなければならなくなりました。

ケアマネを交えた退院後のリハビリ目標も「早期の社会復帰」だったので手始めとして、まずはB型の就労継続支援事業所(※以下、B型と略します)に通うことにしました。

病院のベッドがある病室

障害者雇用の現実

私のような脳血管疾患を経験して、麻痺が残った人が最初にぶち当たる問題がこの社会復帰だと思います。麻痺が残った体ではなかなか以前のような仕事のパフォーマンスを発揮するのは難しくなりますし、かといって、働かないわけにはいきません。

私は障害年金も受給できるようにはなっていましたが、それだけでは今後のことを考えると生活をしていくのは難しいです。障害年金以外の収入源も確保しておかないと生きていけません。

B型の作業費はとてもではありませんが、大人一人が生活していける金額ではないところがほとんどです。B型に在籍しながら市や県が主催の障害者雇用や障害者向けの就職説明会などが実施されるときには、参加させてもらっていましたが、いずれも、私の身体状況を理由に通勤が難しいのではないかと、お断りの連絡をもらうことばかりでした。

他にも、私はネットのクラウドソーシングのサイトなどで個人でも受注できる仕事を探したりもしていました。

通勤が理由で断られるのであれば、通勤が必要ない在宅の仕事を見つけた方が早いなと思い、在宅ワークの仕事を探すことに切り替えました。

在宅ワークへの転換

「在宅 障害者雇用」などの検索ワードでネット検索して探していたところ、障害者手帳を持っている人を対象にした、在宅ワーク紹介のエージェントを運良く見つけることができました。そこからの紹介で、現在障害者雇用として雇ってもらっている企業を紹介してもらうことができました。

私の希望としてはできれば以前の仕事のような編集者やライターの仕事で、通所リハビリやデイサービスの利用も配慮してもらえることだったのですが、少し仕事内容はちがいます。

私が応募したときは、会社が障害者雇用を進めようと動き始めた時期でした。会社の皆さんは既存の仕事の中から、片手でしかタイピングできない私にもパソコンを使ってできる仕事を切り分けて出していってくれました。

今はどちらかというと営業サポート的な事務の仕事をやらせてもらっています。前職でイラストレーターやフォトショップなどのデザインソフトを使っていたこともあって、それらを使って資料などを作る仕事の手伝いなどをさせてもらいながら、通所リハビリやデイサービスに通っています。

マウスを操作する手とキーボード

前職を退職し、病院を退院して地元に戻り、B型に通いながら転職活動をしてきました。今の仕事に就けたときには、心筋梗塞で倒れてから実に2年ほどの月日が経っていましたが「ようやく仕事を見つけられた」という安堵感を得たことを覚えています。

今でも仕事が続けられているのは、途中であきらめずに「自分がここまではできる」ということをエージェントや会社にしっかり伝えられたことが大きいのではないかと思っています。

それによって、自分のスキル以上のことを求められるミスマッチがあまり生まれず済んだのかもしれません。

自分のスキルを伝える重要性

クラウドソーシングで仕事を探しているときに、「イラストレーターやフォトショップを使って仕事をしていた」と伝えて自分のスキル以上の要求をされる経験が何度かありました。

そのときに「自分ができること、できないことというのは、きちんと相手に伝えるべきだな」ということを感じていたので、それが功を奏してミスマッチが防げたのだと思っています。

また、障害者雇用枠で仕事を探すとなると、企業側も「求職者がどこまで、何を出来るのかわからないし、何をさせたらいいのかわからない」と悩むことも多いと思います。

だからこそ、「自分はこういう配慮があれば出勤できます」とか、自分の状況やスキルによって「できること・できないこと」をはっきりと伝えておくのが大事なことだと思います。

アピールしたい職歴・スキルだけで応募できる!
ABOUT ME
市川 潤一
1975年生まれ。長崎県佐世保市出身・在住。愛媛県でライター・編集者・カメラマンなどとして活動していたときに脳梗塞になり、左半身麻痺の身体障害者となる。取材活動ができなくなり、ライターを廃業。障害者雇用の在宅ワーカーとなり現在に至る。障害者の仕事の仕方や見つけ方など自分の経験を紹介していきたいと思います。