重度障害者の僕がどのように結婚し、3人の子供を育てるようになったのか

夕日の中で手をつなぐカップル。

重度障害者の僕と、2人のシングルマザーである彼女。僕たちはどうやって出会い、ここまでの結婚生活を送ってきたのか。今回は自分の結婚について、障害者の結婚というものも含めて書かせて頂きました。

僕と奥さんの出会い

僕と奥さんの出会いは、いわゆるマッチングアプリというやつです。お見合いを目的としたマッチングアプリだったため、ある程度のお互いの生活状況などの情報(僕が一般企業の特別障害者雇用枠で働いていることや彼女が数年前に離婚して2人の子供を育てるシングルマザーであることなど)は頭に入った状態で、二人で食事をする約束をして初めて会うことになりました。

身体の障害を持つ者にとって、あらかじめどの程度まで身体の状態をわかってもらっておくかということはとても重要な反面、問題でもあります。

「あまり身体障害者に接した事がない方であれば、どのように接したらよいのかが分かりにくいだろう」とも考えていたので、なるべく包み隠さずに自分の状態を伝え、やっとの思いでデートにこぎつけました。

並んだ2つのスマートフォンの画面に表示された赤いハート。

初めてのデートで大事件

しかし、この初めてのデートで大事件が起こります。記憶障害と高次脳機能障害を併発して持つ僕はデートの当日に、その予定を完全に忘れて普段と変わらぬ生活をしていたのです。

多くの方に理解されにくいのですが、僕の場合の記憶障害というのは、その物事が重要であるかどうかに関係なく、忘れるときは全部忘れてしまうのです。また、何かを思い出すと芋づる式に他のことを思い出すような記憶力ではないことが特徴です。

その日に彼女から「どうなっているのか」というメールが来るまで、一切思い出すことがなかったのです。待ちぼうけをくらった彼女にしてみれば、障害のことも理解できるわけもなく、「なんて失礼な奴なんだ!」となったわけです。僕たちは最悪な出だしから始まりました。

床にひざまずいて謝る男性と立って指を指す女性。

障害があってもできる

生活を共にする上で、お互いの考え方については結婚当初から何度となくぶつかりました。最初は奥さんだけでなく、僕自身も自分は家事や育児でどんなことならできるのかが分かっていませんでしたが、少しでもやれそうな作業は可能な限り訓練してきました。

今では家族みんなが、僕の頭の中を少しだけ理解してくれています。だから僕に対してはいい意味でのあきらめも、切り替えも早いです。

不要なトラブルを避けるため、物理的にできないことを僕に要求することはありません。その上で、僕専用の家庭内でできる家事などの作業や役割が与えられています。たとえば、片手での洗濯やタオルたたみ、皿洗い、子供の絵本の読み聞かせから寝かしつけなどです。

おかげで、僕は結婚する前よりも今のほうが、家事全般においてできることがかなり増えました。物理的に不可能なこと、火を使う作業以外はどんなことにも挑戦しています。

夫婦や家族との間で僕ができないことをどのようにフォローしてもらうか、お互いに不満が出にくいように折り合いをつけることは本当に難しかったですし、今もできているとは思いません。何度もぶつかりながら、何ができないことで何ができることなのか、どんなことなら少しずつでもできるようになるのか、ひとつひとつ探してきました。

奥さんは僕の考え方を「障害があるからできない」から「障害があってもできる」に変えてくれました。夫婦2人で見えてくる世界が変わってきたので、今でも何とかやれてるのかなと思っています。奥さんには本当に感謝しています。

夕日の中で手をつなぐカップル。

続く結婚生活と障害者人生

何が結婚の一番のきっかけになったか、考えてみても分かりません。それは奥さんも同じではないかと思います。

僕の場合の結婚は、自分に障害があることに受け身にならず「ダメもとだ!」というくらいの気持ちで動き出したら、結果的に結婚につながったという感じです。

障害は夫婦生活を送る上で、物理的な壁を作るのは確かですが、動かないものはどうしようもないんです。でも、きっと、健常者同士の結婚であっても乗り越えないといけない部分ってたくさんありますよね。生きてきた環境が違う人同士が生活を共にしたりするわけですもの。

周りから見ればいろんなことを思う人もいるかもしれませんが、僕の結婚は特別なものではありません。今の時代、多様性が認められいろんな形の結婚や夫婦があってもいいのだと思います。

まだまだ結婚生活は続きますし、僕の障害者人生も続きます。この障害を抱えて生きているからこそ、自分にも「誰かのためにできること」があるかもしれないと思っています。そんな思いで今回も記事を執筆させていただきました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

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ABOUT ME
身体障害者で3人の父親。身体にハンディキャップを抱えながらも人生も子育てもどっちも楽しみたいとトライ中、しかしどちらも大きな壁ばかり、乗り越えられない壁はないと信じて頑張る44歳のパパ。