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「ADHD」と「ASD」の違いとは?具体的な悩み事も併せて解説

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2023.10.25

発達障害と聞いて、「ADHD」「ASD」などの言葉を思い浮かべる方は比較的多いでしょう。しかし、なかには「実際にADHDってどんな特性があるの?」「ADHDとASDって何が違うの?」など、ADHD・ASDの具体的な違いがわからず悩んでしまう方も少なくありません。本記事を参考にし、ADHDとASDの理解を深めていきましょう。

執筆:ハル

発達障害の種類

発達障害は、主に以下の3つに分けることができます。

・ADHD(注意欠如・多動症または注意欠陥多動性障害)
・ASD(自閉症スペクトラム症)
・LD(学習障害)

僕は「ADHD」の診断を受けている一方、ASDの特性も併せ持っていると自覚しています。LDに関してはあまり該当していないと感じており、シンプルな読み書きや計算であればそれほど苦労することなくこなせます。


ー ADHDの特徴

ADHDは「注意欠如・多動症(注意欠陥多動性障害)」と呼ばれており、不注意や多動の症状がよく見られるのが特徴です。

「忘れ物が多い」「コミュニケーションが苦手」といった面が目立ちがちなため、日々の生活に息苦しさを感じることが多くあります。

一方、「気軽に人に話しかけることができる」「好奇心旺盛でフットワークが軽い」など、コミュニケーションの面において良い方向に働く特性もあります。


ー ASDの特徴

ASDは「自閉症スペクトラム症」と呼ばれており、主に対人関係を苦手とするケースがよく見られます。これは、「こだわりが強い」「思ったことをそのまま口にする」などの特性からくるものです。

ただし、ADHDのように「誤字脱字が多い」「抜け漏れがなくならない」といったトラブルを起こすことは稀で、資料作成のような細かい仕事も比較的楽にこなせるといわれています。

ADHD・ASDが抱えている具体的な「困り事」の違い【職場編】

続いて、僕が職場で感じることが多い「ADHDとASDの違い」について解説していきます。

【ADHD・ASDが抱えている具体的な「困り事」の違い(職場編)】

・ADHDは、「周りからの信頼が徐々に失われていくことに悩む」
・ASDは、「作業面での問題はないものの、会話面で苦労する」


ー ADHDは、「周りからの信頼が徐々に失われていくことに悩む」

先述したように、ADHDの主な特徴は「不注意」「多動」の2つです。

多動による「貧乏ゆすり」はすぐにわかりますが、不注意による「ケアレスミス」「忘れ物」などは、実際に職場で働いてもらうことで初めてわかるケースが少なくありません。

入社するために実施される面接での印象と、入社後に配属される部署での印象に大きなギャップが生じ、「期待外れ」「ポンコツ」などと言われてしまうケースが多くあるのです。


ー ASDは、「作業面での問題はないものの、会話面で苦労する」

ASDの場合、「空気を読まずに発言をする」「思ったことをそのまま伝える」といったことが多く、これらは入社前に行われる面接でわかることが少なくありません。

そのため、選考過程の早い段階で落とされることが多いほか、仮に受かっても職場の人とコミュニケーションの面で困るケースが大半です。

ADHD・ASDが抱えている具体的な「困り事」の違い【日常生活編】

日常生活におけるADHDとASDの困り事の違いについては、僕は主に以下の2つだと認識しています。

【ADHD・ASDが抱えている具体的な「困り事」の違い(日常生活編)】
・ADHDは、「出費がかさむため貯金しづらい」
・ASDは、「家族やパートナーに理解されづらい」


ー ADHDは、「出費がかさむため貯金しづらい」

注意欠如による「忘れ物」「所持品の紛失」が日常的に発生すると、必然的に余計な出費が増えることになります。

たとえば、傘やお弁当といった外出先に持っていくものを忘れた場合、コンビニやスーパーなどで購入することになるでしょう。一つひとつは少額でも、5〜10回と忘れ物や紛失の数が増えていけば、1ヶ月あたり数千円〜数万円の出費につながることも珍しくありません。


ー ASDは、「家族やパートナーに理解されづらい」

ASDの特性のひとつとして、「決められたルーティンが崩されると大きなストレスを感じる」というものが挙げられます。

独身であれば「日々の料理のメニュー」「起床時間・就寝時間」などは自分で決められるため、ルーティン通りに生活することはそれほど難しくありません。

一方、家族やパートナーと一緒に暮らす場合、いつも決まったルーティンで動くことは非常に困難です。

特に小さなお子さんを持つ方であれば、「夜泣き」「ミルクの準備」「おむつ替え」などによって日々の生活リズムを崩してしまうことは容易に想像できます。

その中で「毎日20時にランニングをするのが日課だから出かけてくる」「6〜7時の1時間は読書に充てたいから子どもの面倒は見れない」などとパートナーの方に伝えるのは、非常に大きな喧嘩を発生させる要因となるため注意が必要です。

まとめ

今回は、ADHDとASDの違いについて解説しました。双方の違いを大まかにまとめると、以下のようになります。

・ADHDは「注意欠如」による忘れ物が目立つ
・ASDは「空気の読めなさ」から対人関係に支障をきたしやすい

もちろん、人によってよく現れる特性、抱えている悩み事はそれぞれ異なります。自分の特性をきちんと把握しつつ、具体的な対処法を考え実践することが重要なので、お悩みの方は「自分自身の棚卸し」から始めてみてはいかがでしょうか?

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3回の転職経験を持つADHD(診断済み)
メンタル弱めのゆとり世代。電話対応が壊滅的で、新卒で入社した会社を3ヶ月でクビになる。その後、営業職、コンビニ経営を経て、今は編集の仕事と産業心理カウンセラーの仕事をしています。
※長時間残業とパワハラにより、2年前に適応障害の診断を受けた経験有り

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