「障害は言い訳」と誤解されないための伝え方

誤解という言葉と共に、驚いた様子の木製フィギュア。

障害の困りごとを伝えたつもりが、甘えだと誤解されたり、かえってバッシングされたりしたことはありませんか?

「甘えでしょ」
「障害は言い訳」
「発達障害者=めんどくさい」

私はADHDとASDの当事者ですが、自分の障害のことを伝えたときに同じような言葉を投げつけられた経験があります。

障害への理解を求めたつもりでも、伝え方をしくじると反感を買うことがあります。誤解や齟齬をなくし、理解と配慮を求めるには、相手に受け入れられる伝え方が必要です。

具体的な困りごとは当事者でないと想像しづらいですし、そもそも障害に関心がない人も大勢います。そういった人でも、相手にとって受け入れやすい形で伝えれば、障害に理解を示してくれることもあるのではないでしょうか。

今回は、私のしくじり経験をもとに、誤解されにくい障害の伝え方、配慮の依頼について考えてみました。

障害を知らない人に合わせた伝え方を心がける

コミュニケーションをとる2体の木製フィギュア。片方は疑問符を頭上に浮かべている。

よく分からない専門用語が並んだ本を読んでいると、眠たくなりますよね。同じ障害者同士の「あるある」も、そうでない人にとっては、知らないことか興味がないことかもしれません。

例えば、障害の配慮のお願いをするときは、障害について全く知らない人に一から伝えるつもりで話した方が伝わりやすいです。相手が大人だったとしても専門用語や難しい言葉を避ける方が無難です。

それこそ、相手が小学生程度の知識量という前提で接すると「何を言っているのかわからない」という事態が起こりにくいです。「相手の情報レベルに合わせる」ということが、伝え方の鉄則です。

配慮のお願いで伝える話は2つだけ

障害の話がダラダラと長く続くのは、聞く人にとってはうんざりするものです。配慮のお願いをする場合は、内容を次の2つに絞り込むと簡潔になります。

  • 障害による困りごと
  • どのような配慮が必要か

自分の生い立ちや過去の話は、ついつい話したくなるものですが、相手がその話を聞きたがっているとは限りません。自分が何で困っていて、どんな配慮が必要なのかを具体的に伝えると、聞く人は「自分が何をすればいいのか」が分かりやすくなります。

障害の伝え方で抑えるべき3つのポイント

青い背景に「注意点」と書かれた3枚の紙が並んでいる。

私が自分の障害について話をするときは、次の3つのポイントに気を付けるようにしています。

  • 苦手や配慮を一方的に押し付けない
  • お願い形式で伝える
  • 困りごとを先に伝える

自分の都合を一方的に伝えると、相手を不快にさせてしまう可能性があります。

好きで障害者になった訳ではないとは言え、合理的配慮を負担に感じる人もいます。人権的な部分はありますが、配慮は当たり前のものではなく、相手の協力があって成り立っているものと考えて接するほうが、結果的には配慮を前向きに受けられるのではないか?と感じています。

障害の説明は伝える順番も大切

障害によって苦手なことがあったり、周囲にお願いしたい配慮があったりする場合、同じ内容でも伝える順番によって相手に与える印象は変わってきます。私は次の順番で伝えるようにしています。

  • 障害による困りごと
  • お願いしたい配慮
  • 配慮があればできること

先にどんなことで困っているのかについて話をしておけば、「なぜ、そのお願いが必要なのか」の背景が伝わります。背景がわからない状態では、納得しづらいこともあるでしょう。

困っていることやお願いを伝えるだけだと、負担に感じる人もいます。それだけではなく、「配慮があればできること」を伝えると、いいイメージがわくようになります。

また、自分の苦手なことだけではなく、できることも洗い出しておくと「どこは他の人の手を借りなくても、自分一人でできるのか」も一緒に伝えられます。

障害があっても自分のできる範囲については努力をする必要があります。できない部分だけ他の人にお願いするためにも、自分の障害について正しく知ることは欠かせません。

障害への配慮を伝えるときは「歩み寄り」が大切

考え込んでいる男女の写真。背景にはアイデアを表す電球のイラストが描かれている。

私は自分の障害について理解や配慮をして欲しい場合、歩み寄りの気持ちが大切だと思っています。理解や配慮をしてもらうだけでなく、自分も相手の気持ちを理解しようとするのです。

誰でも、自分と違う人のことを想像するのは難しいです。その違いが大きければ大きいほど、警戒心を抱いてしまいがちです。

自分の障害の話をしたときに「言い訳でしょ」と言われてしまうことは悲しいですが、そう言った相手にもその人なりの事情や都合があります。相手が無理解だと責めても、障害のある自分を責めても、苦しくなるだけです。

自分の障害を理解して欲しいのなら、他人を変えようとするより自分から歩み寄った方がいいと思います。1回話をしただけではすんなりと受け入れられない人もいるでしょうが、根気強く接し続けると感じ方や考え方が変わることもあるのではないでしょうか。

歩み寄りが難しいなら障害者向けのサポートを活用

自分で障害について話をしようとしてもうまくいかないこともあるかもしれません。一度、関係がこじれてしまった場合は、話し合いの場に第三者を交えるのも一つの方法です。

二人だけでは解決が難しい場合も、話し合いの場に第三者が入ることで双方の折り合いがつくポイントを見つけられることもあります。

今回は、障害者向けの相談窓口で代用的なものをいくつかあげてみました。参考にしていただければと思います。職場での困りごとの相談窓口は、ジョブコーチやハローワークの障害者雇用窓口、地域障害者職業センターなどがあります。


職場以外の障害者の相談に乗ってくれる窓口のサイトも載せておきます。

相談先が多くて選ぶのが大変だと感じるかもしれませんが、一人で悩むのはおすすめできません。悩んでいるときは視野が狭くなりがちなので、正しい判断ができないもの。私は困ったときにSOSを出すことは、障害を抱えて生きていくのに欠かせないスキルだと思っています。

まとめ

ここまで障害の理解や配慮をお願いするときに、私が気を付けているポイントについてお話してきました。

障害がある人が何で困っていて、どのような配慮が必要かは当事者でないと分からないものです。誰でも、よく分からない人や物事には不安を感じるものです。

障害の理解や配慮を求めるなら、相手が知りたいことに的を絞って分かりやすく伝えた方が双方にとってストレスが少なくなるはずです。

配慮を負担に感じる人もいるので、あくまでお願いする形をとることも忘れずに。「どう伝えれば、相手は共感をしやすいか」を考えた上で、自分から歩み寄るようにしていれば、伝え方を間違えて関係性を悪化させてしまうリスクも減らせるのではないでしょうか。

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ABOUT ME
松本 淳
発達障害(ADHD、ASD)の就職氷河期世代。同じく発達障害の息子がいる。就職難+発達障害のため、新卒採用、中途採用、障害者雇用をフルコースで経験済み。障害ゆえの「やらかし」を抱えつつ、ライターとして日々奮闘中。