新生活こそ、自分から一歩を

日差しを浴びて育つ若い芽。ブログ「新生活こそ、自分から一歩を」に関連する画像。

春といえば、新生活をイメージする人も多いはず。
新入社員だけでなく、会社内で異動があり、顔や名前は知っているけど一緒に働くのは初めて、という人もいますよね。

新しい環境は、障害者にとって1つのハードル。
そこで私が10年間働いた、会社員のころの工夫や意識したことをお話します。

新生活が始まって約2ヶ月、悩んだり、ちょっと疲れたりしている方にも、ぜひ読んでいただきたいです。

新しい環境はワクワクする気持ちがありつつ、不安な気持ちも少しある。
これは誰しも同じかもしれませんね。

でも障害者は、さらに不安な気持ちが多いかな、と個人的に思っています。
新しい場所なら当然、自分のやりやすい形にはなっていません。

普通の人には些細なことが、障害者には大きなハードルになることも、悲しいですが「よくあること」です。

移動はリスクを把握

私自身は、全身の筋肉が人よりも弱い病気です。
ただ比較的に症状が軽いため今は歩けますし、パソコン作業は何不自由なくできます。

しかし、できないことも、多くあります。

例えば、会社の出張や研修で外へ出かけるとき。
歩くことはできますが、1段でも段差があると途端に難しくなります。

手すりがあれば、なんとかできるかもしれない、という状況なため、説明も難しい。
さらに電車で移動するなら椅子には座れないため、立ったままの移動です。

ただ立ち続けることも長時間は難しいため、移動できる範囲にも限度がありました。
それでも会社員時代10年の中で、年に何回かは出張の機会が。

どれも仕事上の会議や研修など、時間までに到着することが大前提です。
そのため私は移動に伴うリスクを考えて準備をしていました。

時間に余裕をもつことは当然ながら、行き方は複数パターンを考えて、もし1案がダメでも、別の方法でたどり着けるようにしていました。
例えば電車で行くなら、複数のルートを考えることやタクシーなども考えておくこと。

乗り換えようと思っていた駅で、実はエレベーターが点検中で…てこともありえますよね。
普通の人なら階段でとなりますが、私にはできない場合もあります。

その際には別の駅で乗り換えても、目的地にたどり着けるのか。
それとも途中からタクシーの方が確実なのか。

このシミュレーションがあるだけで当日慌てずに済みますし、確実に移動ができますよね。
当然、毎日の通勤でも同じことを考えていました。

私の場合は身体を動かすこと自体が難しいため移動ルートだけでなく、出かけ先のバリアフリー状況など、事前に調べて確実にたどり着けるようにしていました。

何もそこまで…と思うかもしれませんが、私としては仕事をしたからこそお給料をいただけるものと思っています。
当然、移動することが仕事ではなく、移動先で会議や研修に出ることが仕事ですよね。

仕事を確実に行うことは当たり前で、障害の事情はあまり関係ない、と考えるから。
もちろん仕事をする上で、障害が全く関係ない、とは言いません。

でも任された仕事で自分ができると判断したなら、後から障害を理由にすることはよくない、と思うからこそ、事前準備も余念がありませんでした。
そして当然、事前準備には人との関係性も欠かせない。

大きな駅の前の市街地の風景。

相手の立場に立ったコミュニケーションを

新しい環境には、多くの場合で新しい人間関係もセットですよね。
以前のコラムでも書きましたが、私自身は「障害のためにできないことは先に伝える」をモットーにしています。

後から実はこれもできなくて…と言われるのは、自分でも嫌な気持ちになりますよね。
それに、さぁ仕事をしよう、というときに暴露されるのは周りも困ります。

ただ、その伝え方が大事で、障害のことを伝えるときは、できること・できないことの線引きをわかりやすく伝えること。
また明るく前向きな言葉で伝えることも大切だと思っています。

障害者って数の話で言えば、少数ですよね。
初めて障害者と話す、一緒に仕事をする、という人が圧倒的に多いと思います。

障害者自身が、暗い雰囲気で鬱々と話されたら、その後も障害のことは触れたらいけないタブーの話題なのかな、と思うことも。
それでは円滑なコミュニケーションができないですよね。

どんなに「この作業は障害のためにできません」と伝えていても、1度で全ての人が完璧に理解することは難しい。
私の過去の経験から言っても、ほぼないと思っています。

先に伝えても、そのあと仕事をする中で、さらに一度、二度と伝えることになります。
その度に暗い雰囲気で話されるのは、さすがに誰しも嫌ですよね。

さらに、できること・できないことの線引きが難しい場合。
相手も「これはできるって言っていたけど、あれは難しいかな」と確認したいこともでてきます。

仕事上の確認事項まで会話をしづらいのでは、一緒に働く仲間としての人間関係も難しくなりますし、仕事も滞りがちになりかねません。

最初が肝心と言いますが、障害者と初めて会うって人もいるからこそ、伝え方ひとつで変わると思っています。

机の上に置かれたノートとペン、背景に3つの小さな植木鉢。

仕事での自分の強みは?

障害を理由にできないことがある。
これは仕方がないことだと思っています。

私自身も障害が理由で重いモノが持てない、移動が大変など影響が少ないとは言えません。
事務作業するのに、重いファイル1つ動かせずに、人にお願いすることも日常茶飯事。

さらに発表会や研修などの開催もしていたため、会場を整えるためには机や椅子を多く動かすことが月に数回ありました。
このときは数十人以上にお願いをして、手伝ってもらうことに。

皆さんは自分の忙しい仕事の手を止めて、私の仕事のために時間を割いてくれていたのです。
でも皆さん「まみちゃんの頼みだもん」とよく言ってくれていました。

この理由、わかりますか?

先に言いますと、私は別に決して可愛い美少女でもキレイなお姉さんでもありません。
会社柄、ほぼ男性の職場ではありましたが、容姿でちやほやされるような環境ではなかったことは断言します。

また障害を理由にできないため手伝ってもらうことは、皆さん理解していましたが、同情や哀れみでもなかったと思います。
純粋に仕事上の仲間として、力を貸してくれていたと信じています。

この「仕事上の仲間」という分類にしっかり入れたことが重要。
ここまで触れたように、私にはできないことが多くありますが、その反面できることも多くあります。

例えば私はパソコンが得意だったため、資料作りが得意だったこと。
数字にも強いため事務作業でも、経理関係などお金関係も得意だったこと。

さらに事務仕事の中でも人事関係や賞罰など、幅広い分野を網羅したことで、ある程度の質問には即答できていました。

これこそ私の強みであり、1人の仲間として認めてもらえた一因。
極端に言えば、重いファイルを動かすことはできないですが、その中身は把握できていたのです。

調べるよりも聞く方が早いこと、ありますよね。
よく言われたのが「とりあえず、まみちゃんに聞けばわかるかと思って」と。

私の場合は、身体を動かすことは難しくとも、知識の面では障害はありません。
この知識面を強みに変えていたのです。

よく質問も受けていましたし、相談もされていました。
この環境を作り上げたのは、私自身の強みを見つけたからこそ。

また人から頼られれば、自信にも繋がります。
人とのつながりを障害に関係なく、いい関係を築けるかは、自分次第でもあると思っています。

ピンク色の背景に置かれた白いヘッドホン、キーボード、マウス、ノートとペン。

自分から勇気の一歩を

新しい環境や人とのつながりは、何度経験してもワクワクしつつ、慣れないことも多いですよね。
自分がドキドキしていることは、相手も同じだと思っています。

それは障害のことも同じ。
障害のことを暗く話されれば、そのあと質問もしづらくなります。

でも明るく前向きに話せば、相手も話題にしやすいですし、コミュニケーションのきっかけにすらなりえますよね。
仕事もできないことがあるなら、できることへ目を向けて強みに変えることもできます。

もちろん障害を理由に大変なこと、嫌な思いをしないとは言い切れません。
私もここまで触れたような優しい人とばかり、仕事をしたわけでもありません。

でも1つだけわかっていることは、自分からの一歩で変わることがあること。
障害者だからではなく、あなただから助けよう、その代わりに…という環境を作れるか。

仕事の仲間に頼りになると信頼をされて、やりがいを持てるかは、一歩踏み出せるかにかかっているかもしれませんね。

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ABOUT ME
山口 真未
1990年生まれ。障害者ファイナンシャルプランナー(FP)。生まれつき”筋ジスの仲間”と言われつつも、正式な「ベスレムミオパチー」の診断は大人になってから。高卒・障害者雇用で大手鉄道会社の事務で10年以上勤務したが、病気の悪化により退職。そこで改めて、お金の大切さに気付く。現在は、障害者だからあるお金の悩みと寄り添いたく、障害者FPとして活動中。