境界知能と発達障害の違いとはなにか。当事者が解説

薄暗い光に照らされたフェンスのクローズアップ。

私は境界知能、発達障害、適応障害やうつ病を持ちながら、約3年前にWEBライターとして開業後、障害者雇用などのさまざまな働き方を体験をしてきました。今回は、境界知能と発達障害の違いや、特徴、困りごとについてお伝えしていきます。

境界知能と発達障害の違いや、特徴、困りごとについて

「境界知能と発達障害の違いって何?」
「境界知能と発達障害を併発しているとどういう特徴が現れる?」
「境界知能と発達障害を両方持っていることで困ることって何?」

境界知能と発達障害を両方もっている当事者やその周囲の方はこのような疑問を持つことがあるかもしれません。

私は境界知能、発達障害、適応障害やうつ病を持ちながら、約3年前にWEBライターとして開業後、障害者雇用などのさまざまな働き方を体験をしてきました。

現在は、フリーランスとしてYouTubeやSNSでの情報発信、電子書籍の販売をしています。

発達障害と境界知能は似ている部分も多いため、混乱することも多いはずです。そこで今回はその疑問を解決するために、以下の内容についてお伝えしていきます。

  • 発達障害と境界知能の特徴や違い
  • 発達障害と境界知能の両方を持つ人が抱く困難

この記事は、境界知能や発達障害の当事者、お子様を持つ親御さんはもちろん、「境界知能や発達障害の方と何かしらの接点がある方」に特に役立つ内容になっています。

5分程度で読めますので、ぜひ最後までご覧ください。

手に持たれた赤いリンゴ。

境界知能と発達障害の特徴とは

そもそも境界知能と発達障害とは何でしょうか。まずは境界知能と発達障害のそれぞれの特徴についてお伝えします。

境界知能の特徴

境界知能とは、知能指数(IQ)が70〜84の間にある人たちを指します。IQが85〜115の人たちと、知的障害とされるIQ70以下の人たちの間、境目にいることから、境界知能や知的障害グレーゾーンと呼ばれることもあります。

境界知能の最も大きな特徴は「認知機能の低さ」があります。認知機能とは、物事を理解するのに必要な能力のことです。

目の前に「りんご」があると認識できることで、味や食感などがイメージされます。極端な話になりますが、認知機能が低いと「りんご」そのものを認識できません。例えるなら日本人が外国に行った時に、その国の言語や文化などが理解できない感覚と似ています。

つまり、理解をするために必要な認識自体がそもそもできないため、日常生活や社会生活でさまざまな問題が起こるのです。

「認知機能の低さ」の他に、「身体を使うことが苦手」「コミュニケーションが難しい」などの特徴もあります。

薄暗い光に照らされたフェンスのクローズアップ。
境界知能の特徴や困りごとを当事者が解説私は境界知能、発達障害、適応障害やうつ病を持ちながら、フリーランスとしてYouTubeやSNSでの情報発信、電子書籍の販売をしています。今回は境界知能の特徴を3つと、これまで私がどのような困りごとを抱えてきたかについてお伝えしていきます。...

発達障害の特徴

発達障害には、さまざまな分類がありますが、代表的なものにADHD(注意欠陥多動症)やASD(自閉スペクトラム症)があります。能力に凹凸(得意と苦手の差が激しい)があることが特徴です。

例えば、発達障害を持つ人の中には、並外れた経営能力で世界でも有名な大企業の社長として勤めている人もいます。しかし、日常生活では、家事などができないなどの問題を抱えている人も少なくありません。

境界知能よりも認識が広まっていると思いますが、「発達障害」を知っていても実際の現場では、理解が及ばないことも多いでしょう。

発達障害と境界知能の違い

ここまで発達障害と境界知能の特徴を述べました。

基本的な違いとしては、以下の通りです。
境界知能=IQが70〜84と平均より低く、能力の凸凹があるとは限らない
発達障害=IQは低いとは限らず、能力の凹凸が大きい

しかし境界知能と発達障害の両方をもっている場合もあり(その他にもさまざまな要素が関係します)単純な話ではありません。

私は自分の中で起こっていることでも「境界知能の特徴なのか発達障害の特徴なのか」わからなくなるときが多々あります。私のように特徴を捉えられずに困難を抱えている方に向け、次に発達障害と境界値知能を併せ持っていると起こる問題点をお伝えします。

さまざまな色と形の小石が集まっている。

発達障害と境界知能の両方をもっていると起こる問題

問題としては主に以下の3つが挙げられます。

  • 長所を伸ばしにくい
  • 苦手なことに対する理解が深まらない
  • 支援が受けられない可能性が高い

1つずつ見ていきましょう。

長所を伸ばしにくい

境界知能をもっていると、全体的にIQが低い傾向にあります。そのため「発達障害のみ」をもっている人と比較して、得意なこと(長所)に注意が向かいにくくなります。「発達障害のみ」の場合、得意と苦手がはっきりしているため、自分が注力したら成果につながる事象が本人にわかりやすいでしょう。

しかし、先に上げたように境界知能を併せ持つ場合、「長所」に目が向かいにくく、「自分にできることなんてない」と悲観的になるなど、長所が磨かれにくくなります。また自己嫌悪に陥り問題行動につながることも考えられます。

苦手なことに対する理解が深まらない

苦手なことを克服するためには、自分の得意なことや苦手なことを明らかにする必要があります。

しかし、境界知能の当事者は認知機能が低いため、自分で自分の特徴をとらえることが苦手なのです。結果として、苦手を克服することも難しくなってしまいます。

もし、「発達障害のみ」であれば、得意なことでカバーして苦手なことを克服できる可能性があります。しかし、境界知能の当事者は苦手を克服するための手段が見つけにくいのです。

例えば、「資料作り」という仕事を任された時に、発達障害の方は「どうすれば自分の得意なことを活かしてこの仕事を終えられるか」という思考を持てるかもしれません。

境界知能を併せ持つと全てが平均以下の能力だと錯覚してしまうことで、「自分には資料作りなんてできない、どこから手をつけたらいいんだ」と思考停止状態に陥り、動けなくなることもあります。

苦手の克服をしようにも、自己理解が深まっていないと具体的に「資料作り」のどの部分が苦手で、どの部分はある程度できるかなど、「どうすれば作成できるか」という思考になりにくいのです。

支援が受けられない可能性が高い

障害者に対する福祉制度などは、認識が広まる以前と比べて整ってきました。しかし、発達障害者の中には、「グレーゾーン」と呼ばれる領域が存在します。「グレーゾーン」とは医師から発達障害と診断されずに、「発達障害の傾向がある」などと言われた場合に該当します。

日本の人口の約6%前後が発達障害者に該当すると言われていますが、グレーゾーンを含めるとより高い数値が出るでしょう。さらに境界知能をもっている人は人口の14%。境界知能単体をもっている人よりも、発達障害と診断されない「グレーゾーン」と呼ばれる領域を併せてもっている人も多いことが予想できます。

私が活動してきた中で出会った境界知能当事者たちも、境界知能単体をもっている人はあまりいませんでした。他に何かしらの障害を抱えている人が多い印象です。特に、境界知能と発達障害グレーゾーンのように支援体制が整っていない障害や特徴をもっている場合、支援が受けられないなどで困難を抱える傾向にあります。

比較するものではありませんが、ある意味では診断されている人たちよりも生きづらさを抱えやすいのかもしれません。

まとめ:優劣が生まれない社会を実現させたい

境界知能と発達障害の違いや、両方をもっていることによる問題点を解説してきました。ここまで読んでくださった方の中には、「境界知能と発達障害を持っていると、いいことないの?」と思うかもしれません。

しかし、当事者の私でも、発達障害と境界知能をもっていて良かったと思えることが増えてきました。境界知能と発達障害をもっていなければ、今と全く違った人生を歩んでいたでしょうが、健常者にも私たちには理解できない困難があるでしょう。

YouTubeやSNS活動を通して、今になって思うことは、「障害をもっているからこそ役に立てることが必ずある」ということです。

私は、障害があることに対して悲観的ではなく、むしろチャンスだと思っています。健常者と障害者の間にある見えない壁をなくして、誰もが楽しめる人生を送れるような活動を続けていきたいと思います。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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ABOUT ME
なんばさん
境界知能YouTuber。フリーター、障害者雇用、正社員など幅広い働き方を経験。2021年12月『境界知能と生きる』と『境界知能の仕事大全』を発刊。境界知能・発達障害・うつ病の当事者。生きづらいと悩んでいる方を生きやすくするために情報発信をしている。 境界知能と生きる: IQ84の私が見つけた疲れない生き方 境界知能の仕事大全: 仕事ができないと悩むあなたに贈る