どうも。ご無沙汰しております琳堂ヤコです。なんか名前に見覚えあるなという人がいることを願いつつ、記念すべき第5回目のコラム記事になります。5で割れるってなんか気持ちいいよね。
さて、今回は双極性障がいや発達障がいなどに限らず、「不安になりやすい」方に向けた記事になります。また同時に、周囲に心身の状態が心配な人がいる方にもぜひ知っておいていただきたい大切な前提について書きますので、よろしくぴょん~~~!
慣れると寝起きでわかる!?「今日の体調」
(¦3[___] スヤァ
(‘、3[___] ウーン…… (:3[__] パチッ
睡眠と起床。万人・・・睡眠障害を持つ方でも、とりあえず日々経験している生活サイクルの一部ですね。起床時は、気圧に影響されやすい病気や障がいを持っている方だと目が覚めてすぐにその日の体調が分かったりします。「あ、今日ダメな日っぽいな」みたいなね。あるあるですね。
こういった起床時の体調不良は、罹患(りかん)期間が長いほど慣れるものなので、罹患期間に比例して驚きは小さくなる傾向にあるかと思います。また、症状への対処法も人それぞれに引き出しができていきますし、起床時の体調不良というのはその日の体調に合わせて過ごす基準となる「本日のステータス」になりますので、病歴が長くなるほど、寝起きの体調不良はそんなに大きな出来事ではなくなっていくわけです。病気や障害と共に生きることが日常化する、ということですね。
私の「症状初体験」エピソード
そんななかで恐ろしいのは、「今までにない痛み」に代表される「今までにない症状」ですね。これは後天的な障害・疾病を持つ方々には覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私なんかは、本格的な鬱症状が始まった頃、出勤準備でスーツに着替えているときにストッキングが足首までしかはけなかったですね。そこから先に動かせないんですよ、どうしても。とてつもない拒否感に体が動かなくて、ただただ涙が止まらない。
あとはきっかけのない不安症状も最初は戸惑いましたね。なんのきっかけもなく、突然始まるギュウウウウと収縮していく真っ暗で小さな世界に強制的に入り込まされるようなあの感覚。もしくは、心の小さな黒い点が宇宙のように広がって自分の外の世界までモノクロに染めていくあの感覚。
精神病罹患10年になるわたしの直近の初体験症状は・・・そうですね、インパクトの大きいもので言えば、去年の春に首から下が動かなかったことです。これは特定の処方薬の離脱症状の一つだったと思われるのですが、体調の不具合になんとか耐えつつその日の仕事を終えるも、緊急で親族に頼んだ迎えの車に乗るともう体が徐々に動かなくなっていって、マヒ状態のようになり、うまく動けない。足から段々動かせなくなっていったのです。
結局、救急搬送されることになり、担架に乗せられ救急車の中へ。マヒ状態で感覚がなくなっていく頬をなんとか動かして、同乗していた母に「スーツに入っている赤ペンを取って」と頼み、赤ペンを握りしめようと力をいれました。
心の中では「私の生徒たちのためにも生きなきゃいけない、私は塾講師、このペンを握るのだ」と精神力で抵抗していましたが、体が動かなくなっていく恐怖は大きかったです。意識がありながら強制的に死へ連れていかれることのなんと恐ろしいことか。
そして同時に、後天的な身体障がいの方はこんな恐怖を味わうのかとも思いました。わたしの場合は結局安定剤の筋肉注射でどうにかなったんですけれども。本当に恐ろしかったです。
想像してみよう!「今までにない症状が出たらどうする?」
見事に話がそれましたので戻りますと、「なぜか背中が痛む」「なぜか心臓付近が痛む」など、今までにない症状でなんとなく不安になるような部位に痛みが出ると、人はその原因を突き止めようとスマホを取り出して調べることが多いかと思います。今回の記事は、こういったときに気を付けていただきたいことをお伝えするために書いています。
ある日突然、医療従事者でもない医学素人のあなた(設定)は、心臓付近に初めて痛みを感じたとしましょう。なぜか分からないけれど急に胸部が鈍く痛み、しばらくすると消えました。あなたは想像します。心臓付近が痛むということは何か病気の前兆か、初期症状かもしれない。
そこで、あなたは自分のスマートフォンで検索することにしました。検索ワードは「胸部 痛み 理由」です。すると結果画面が出てきました。そこには様々なサイトの記事のURLがあり、狭心症や心筋梗塞、帯状疱疹、肋間神経痛、心臓神経症、胸膜炎など、恐ろしい病名が載っています。
さて、ここからが分岐点です。あなたは自分の症状が上記の病気のどれと関連するのかを特定するために更に検索をしますか?しませんか?
結論が出た人はここで一曲、こちらをお聴きください。今回私が言いたいことの全てが詰まっているといっても良いでしょう。英語で歌われたものですから、英語分からないよ~という方は日本語字幕を付けるのを忘れずに!
いかがでしたでしょうか。数年前に一部で話題になった曲なので聴いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回のまとめ
ズバリ、この記事で私がお伝えしたいことは一つです。
「症状から病気を特定するのは医者のすることだ。心配ならばまず病院へ行け」。
というのも、「この病気かも」「でもこれにも当てはまるし」と不安を増幅させている人達をSNSで見かけるからなのです。心配・不安なことがあるならば、まずはかかりつけの病院へ行きましょう。
「症状で一切調べるな」とは言いませんが、病気を特定しようとするのではなく、自分の経験した症状に関して「どの診療科を受診するか」の目安を決めるくらいに留めておきましょう。聴覚や鼻に違和感があるならば、耳鼻咽喉科です。胸部の痛みならばとりあえず内科です。視界に何か異物が見えるような気がするならば、眼科です。素人がどれだけ検索サイトで検索しようと、「症状」の原因の特定はできないのです。医療従事者ですら、聞いた話だけではなんとも言えないから診察に来てくれ、検査に来てくれという世界なのです。
特に、不安障害を持っている方は気をつけておきましょう。自分がやる範囲は、受診することまでであり、症状の原因特定や病気の特定はプロがやることです。恐ろしい病名たちを目にすることでどんどん不安が増してしまって、不安障害の症状の方が出てしまっては元も子もありませんからね。ここは賢く、プロを頼っていきましょう!
末筆になりますが、今回の記事執筆に際して動画の掲載を快く許可してくださったHenrik Widegren医師に感謝致します。Widegren医師はスウェーデンのルンド大学病院で耳鼻咽喉科の医師として従事されていらっしゃるだけではなく、スウェーデン国営テレビに出演されるなどご活躍されていらっしゃいます。医師本人の日本語版サイト もありますのでこちらも要チェックです!ミュージシャンとしてもご活躍されているWidegren医師。ぜひ他の楽曲も聴いてみてくださいね。(メールでのやり取りでも素敵な挨拶文を添えてくださるなど、センスの光るお方でした!ファンになっちゃいますねえ!)
それでは今回はここらへんで。
素人ではなくプロに任せる範囲をしっかりと見極めて、心の負担を軽くしていきましょう。あ!受診の先延ばしはダメだぞ!ヤコさんとの約束だ!
じゃ、次回の記事でまたお会いしましょう。まーたねー!