「はたらく」を考える(1)就活編:いつからなにから
~「はたらく」を考えるプロジェクト~
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2022.5.8
「はたらく」を考えるプロジェクト第一弾は、新卒の就活ルートについて。大学2年生の就活初心者ライターがイマドキの就活事情を探ります。電車に乗って、はたまたパソコンに向かって、リクルートスーツの大学生はどこへ向かうのか。まずは就活スケジュールをリサーチしてみました。
執筆:高原 小夏 Konatsu Takahara
みなさん、はじめまして。
「はたらく」を考えるプロジェクト WorkLiv(ワークリブ)のひよっこライター高原小夏です。
WorkLivは大人の働き方そのものに、キャリアについても障がいについても初心者な私たちが疑問や考えたことをぶつけていく「はたらく」を考えるプロジェクトとして大学生が中心となり発足しました。これから、取材やリサーチを重ね、すてきな働き方・生き方にたくさん出会っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、第一弾は、新卒の就活ルートについて、まずは就活スケジュールをリサーチしてみました。
いきなりですが、実は「採用選考に関する指針」と言われる就活ルールが存在するそうです。
「学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくる」ためにスケジュールに配慮すべきだという考えから、
政府や経団連は、
・広報活動(会社説明会など)は3月以降
・採用選考活動(面接など)は6月以降
となっています。
つまり、四年制の大学で言うと、3年生が終わる頃、説明会に参加し4年生の夏頃に選考が本格化していきます。このように年度毎に決まったスケジュールで一様に就職活動を行い、卒業後すぐに勤務する仕組みは世界に類を見ない日本独特の雇用慣行であり「新卒一括採用」と呼ばれています。
では、実際の就活の動きはどうかというと、このようなルールは既に形骸化してしまっているそうです。
少子高齢化の中で特に経団連(大手企業を中心に構成された団体)に属さない中小企業やベンチャー企業は、優秀な人材を逃さないように選考を早める傾向があり、新卒一括採用に対して「通年採用」へ移行する企業も少しずつ現れてきています。
ちなみに、経団連について説明すると、
経団連(日本経済団体連合会)とは、日本の代表的な企業1,461社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(2021年4月1日現在)。
その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。
日本には大小170万社以上(個人事業主を除く)もの企業があるため、大企業とはいえ数字的に実は0.1%にも満たないのです。。。
こう聞くと、就活ルールってそんなに意味あるの?と思いますが、経団連の動向を軸に他の企業が行動指針を出すのも事実です。
まあ言ってみれば、ルールなんて、ごくごく一部の偉い人が決めるものかもしれませんし、全員が決定権を持ってたら大変なことになってしまいます。
でも、決める段階になんにも関わっていないで、なんのために設定されたルールかも知らないで、就活生としてふんふんついていっていいのかなあ、とちょっと不安というか不思議な気分になってしまいますね。このあたりはまた考えてみたいところです。
就活生の四季
就活において、まず始まるのはインターンシップです。
時期はまちまちですが、遅くても4年生の春頃まで。1年生からインターンシップに挑戦する人も中にはいますが、選考に大きく関わるものは、ほとんどが3・4年生のみを対象となっています。インターンシップへ参加していないとエントリーできなかったり、逆に参加者のみに案内される特別ルートがあったりもします。
ちなみに、インターンシップへの参加にも選考がある場合も多いのだとか。
早い段階から業界や企業への興味や、成長意欲が問われるそうですが、正直、いまの私には将来何がやりたいのか、どんな基準で何を選択すればよいのか簡単ではないなと感じてしまいます。。。
そして、インターンシップへの参加を通して就活生たちは改めて自己分析・企業研究を行い、実際の選考会へ向かうのです。言わばインターンシップは、就活の準備期間だと言えますよね。
そして、エントリー(応募すること)する企業には、まずエントリーシート(ES)を提出し、書類選考となります。企業によってはエントリーシート共に適性検査を受ける場合もあるそうです。エントリーシートには、企業への志望動機や自己PR、ガクチカなどの記述を求められます。
ガクチカというのは「学生時代に力を入れたこと」の略で、インターンシップについてや、サークル・アルバイトでの経験を語ることが多いようです。これは、後の面接にも繋がっていきます。適性検査は、主にSPIというテストが用いられる場合が多く、
能力面と性格面を診断するのですが、働く上で、最低限の能力があるかどうか、どのような業務・組織に向いていそうかがわかるそうです。
エントリーシートと適性検査でふるいにかけられた就活生たちは、そのあと企業ごとに異なる二次審査・三次審査へと移っていきます。内容はさまざまで、個人面接や集団面接、グループディスカッションなどなど。実際にその企業へ入って、組織の一員として働いていけそうか?それをじっくりと判断されるのです。
ここで、企業の雰囲気をより深く知るため、もしくは面接対策としてOB・OG訪問をする就活生もいます。大学の先輩で、志望する企業に実際に勤めている人を探して話を聞くのです。人づてに先輩を探したり、企業の人事担当が大学へ説明に訪れることもあるそうですが、就活生は人脈をフル活用していきます。
最近は、一部オンライン化するなど、就活も新型コロナウイルスの影響を受けています。就活生にとっては、移動の手間が減ったり、企業としても費用を削減できたりして案外メリットもあるようですが、実際の職場の雰囲気が感じられないなど、デメリットを挙げる声も多いです。
正式な内定は、就活解禁後の6月以降とする企業もありますが、それまで優秀な人材を引き止めるため、「内々定」という言葉を使うこともあります。企業からの口約束のようなもので、その時点では労働契約は結ばれていません。企業から「内々定」を貰い、正式な採用通知書を受け取り、就活生が入社承諾書を提出すると、ここで「内定」が成立します。受験で言うと、採用通知書が合格通知、入社承諾書がそのまま入学手続きと言ったところでしょうか。
このように長期間、就活生は自身のキャリアに向き合い、企業も時間と費用を掛けて採用活動を行うのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
就活と聞くとなんとなく「辛そう」「大変そう」などネガティブなイメージがありますが、一方で実体はとてもフワフワしていますよね。私も調べて初めて知ることも多く、勉強しながら書き上げました。インターンを始める時期や、内定をもらう時期など、個人でも業界によっても異なる場合があるので、そのあたりはご容赦ください。
次回の「はたらく」を考えるプロジェクトは、就活のお悩みあるあるについてです。
みんなは何を考えて、何に迷って就活に臨むのか。実際に就活を経験した、もしくは絶賛就活中の方々の体験談を交えながらお届けします。どうぞお楽しみに。
Text by
Konatsu Takahara
高原 小夏
2002年生まれ。大学2年生。パラちゃんねる運営事務局のひよっこライターとして活動を始めました。ひよっこだからこその疑問・意見を綴っていきます。現在「はたらく」を考える学生団体WorkLivを立ち上げ準備中。