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インナーチャイルドは映像として「見えるもの」なの?

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2024.6.3

ネットでは、傷ついたあの頃の自分(=インナーチャイルド)は映像として見えるものだと記されていることも多い。だが、私の場合は出方が違った。インナーチャイルドの現れ方には人それぞれ、個人差があるのだ。

執筆:古川 諭香 Yuka Furukawa

自分が見つけた感情が「インナーチャイルド」なのか分からなかった

「真っ暗な部屋の中に泣いている子がいた」、「膝を抱えて悲しそうな表情をしている子がいた」など、ネットでの情報ではインナーチャイルドはカウンセリング中に映像として見えるものとして記されていることが多い。

だが、私の場合は映像としては見えなかった。カウンセリング中、「諭香さんの中にいる子に話を聞いてみよう」と言われて目を閉じると、数分後に「寂しい」や「悲しい」など思いもよらない感情が突然こみあげてきて、涙が溢れた。そして、「あの頃の私」のモードになって話し始めるのだ。

「あの頃の私」になると、話し言葉や話し方が少し変わる。例えば、今の自分は「母」や「姉」という言葉を使うのに、「あの頃の私」は「お母さん」や「お姉ちゃん」という言葉を使う。

この状況に私は初め、とても戸惑った。これが「インナーチャイルドが現れている」ということなのかが分からなかった。

だから、そうした疑問もカウンセラーにぶつけてみた。「私はインナーチャイルドの姿が映像として見えず、ただ湧き上がってきた感情を伝えているんですが、これで合っているんですか?」と。

すると、カウンセラーは、映像でインナーチャイルドが見える人のほうが少ないことや人によって出方には違いがあることを教えてくれた。

それを聞いて、自分が見つけたものがインナーチャイルドであったことに安堵したが、それぞれのインナーチャイルドのモードになると、解離性同一性障害のように人格が変わるように感じたため、不安を感じることはあった。

ある時は母親が大好きと泣くのに、次のカウンセリングでは一変して「親は消えてほしい」と怒る私。気持ちが180度変わり、話し方も異なる。自分のことがよく分からなかった。

気持ちがバラバラだった「5人のインナーチャイルド」

カウンセリング開始当初、見つけたインナーチャイルドは3人だったが、その後、私は他2人のインナーチャイルドを見つけ、合計5人の「あの頃の私」と向き合った。


ー 私の中にいた5人のインナーチャイルド

①諭香…道化になることで、家庭の雰囲気を明るくしようと頑張っている子。この子のモードになると、話すペースが遅くなり、言葉が少し拙くなる。

②憂…怒り、反抗心を持っている子。家族に対しては、特に強い怒りがある。この子が現れると、大学生の頃に部屋の中で音楽を大音量でかけていたことを思い出し、カウンセリング中、音楽に乗って、指をトントンと動かすことがある。

③空…感情を無くして空っぽになりたいと願っている子。この子が現れると、体がものすごく重くなり、椅子の背もたれに身を預けないと座っていられない。

④小さな男の子…フィギュアで遊ぶのが好きな子。周囲と自分との間にガラスの壁があって、孤独を感じている。

⑤愛ちゃん…男性に身を委ねることで孤独を埋めて、なんとか生き延びてきた子。

カウンセリング時、誰が出てくるかは、その時になってみないと分からない。私にできるのは、出てきた子のモードになり、当時の傷ついた気持ちや記憶をひたすら話すことだけだった。

カウンセリングを重ねて、前に進み始めた

これで、何か変わるのだろうか。そんな不安もありながら、カウンセリングを重ねていくと、心の中に変化が起きた。それぞれのインナーチャイルドがバラバラの感情を持つことが減り、「まるで解離性同一性障害みたいだ」と不安に感じる気持ちもなくなっていったのだ。

また、カウンセリング前やカウンセリング初期にあった、今の自分は偽物だと感じる気持ちもなくなっていった。

カウンセリングを始める前、カウンセラーが言ってくれた「すべてのインナーチャイルドと手を繋いで、一緒に生きていく」というゴールに、少しずつではあるが、近づいているような気がする。

インナーチャイルドの形に、正解や間違いはない。映像として見えなくても、傷ついた過去と向き合う中で見つけた感情に自然と涙が溢れたり、怒りが湧き上がってきたりするのなら、それはあなたにとって大切なインナーチャイルドなのだと私は思う。

あなたは消えなくてもいい。一緒に生きていこう。今まで、よく頑張ってくれたね。自分が見つけたインナーチャイルドに、そう声をかけ、今の自分を酷使しなくてもいい生き方を見つける人が増えてほしい。

猫の下僕のフリーライター。愛玩動物飼養管理士などの資格を活かしながら大手出版社が運営するウェブメディアにて猫に関する記事を執筆。共著作は『バズにゃん』。書籍レビューや生きづらさに関する記事も執筆しており、自身も生きづらさを感じてきたからこそ、知人と「合同会社Break Room」を設立。生きづらさを抱える人の支援を行っている。

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