パニック障害当事者の私の症状との付き合い方

胸に手を当てて落ち着こうとしている女性の姿。パニック障害の症状と向き合う方法を表しています。

私は以前、パニック障害に悩まされていました。10年前には、パニック発作が原因で会社を辞めたこともあります。今回は、パニック障害当事者の私がどのような症状があったのかや、それを改善させるためにとった対策についてです。

パニック障害で悩んだ過去の体験

私はパニック障害に悩まされていました。10年ほど前には、会社に行くと立ち眩みがして気持ち悪くなってしまい、その場にしゃがみこんで動けなくなってしまったことで、会社を辞めたこともあります。

以前は、少しでもストレスのかかる状況になるとすぐに発作が出ていましたが、ここ6年くらいは一度も発作が出ていません。少しずつ、自分の調子が悪くなりそうなときの対応が分かってきたからではないかと思っています。

今回は、パニック障害当事者の私がどのような症状があったのか、それを改善させるためにとった対策についてまとめました。

パニック障害の治療のために用意された薬と水の入ったコップ。背景には処方箋と薬のパッケージが見えます。

パニック障害とは?

パニック障害とは、急にめまいや動悸、呼吸困難や震えなどに加えて、激しい不安に襲われる発作を繰り返す病気です。中には、自分が死ぬのではないかという恐怖に襲われたり、激しい動悸や息切れを起こすことから心臓に異常があるのではないかと疑ったりする方もいます。

私の症状は、いきなりめまいがして立っていられなくなり、気持ち悪くなることがほとんどでした。ひどいときは、手足がしびれたようになって声を出すのもつらく、その場にしゃがみこんで5分から15分程度動けず。発作が収まった後も、身体に力が入らずその日一日は普段通り動けなくなっていました。

どれだけ気持ちが悪くなっても実際に吐くことはなく、内科で血液検査などいろいろな検査をしても異常はなし。精神科に通院し続けて、頓服の薬を処方してもらったこともありますが、私はあまり合わないと感じました。

他にもパニック障害の治療には、認知行動療法や暴露療法といった治療法もありますが、私は通院とカウンセリングを続けながら自分でいろいろ試してみました。

病院の待合室と受付の様子。患者と医療スタッフが見られ、清潔で現代的なデザインの内装が特徴です。

パニック障害を改善するためにしたこと①症状が出る日を記録、分析する

パニック障害という診断を受けて「治したい」と思った私は、自分がどんなときにパニック障害が出るのか分析するところから始めました。松本俊彦さんの『自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント』に出てくる記録の書き方を参考にして、症状が出た日は、手帳に×マークをつけるようにしたのです。

この本は、自傷行為をしてしまう原因を明らかにするために記録することを推奨していますが、パニック障害の理解にも応用できます。

発作が出た場所や時間、その直前にしていたことなどを記録していき、また、身体の中で痛いところはないか、呼吸は浅いか、どこか重たいと感じる箇所はあるか、前日は眠れていたのかなど、自分で自分をチェックしていきました。

自分を医者に見立てて、診察しているような気分です。それを、月に1回の通院の際に主治医に報告していました。他にも、もともとは抗うつ剤として処方されることもあるADHDの薬を私は服用しているので、それもプラスに働いていたかもしれません。

一日単位、一カ月単位、一年単位で、どのくらいパニック障害の症状が出ているのか、その頻度は変わっているのかなど、自分に関するデータを蓄積させていった結果、私は朝の通勤電車が苦手だと分かりました。人通りの多い駅付近や朝礼など「今、発作が起きてもなかなか抜け出せなさそうな状況」で発作が起きていることにも気がつきました。

パニック障害を改善するためにしたこと②状態が悪いときは苦手なことを避ける

発作が起きると電車を見るだけで嫌な気持ちになったり、以前発作が起きた場所には行きたくなくなったり。発作が起きた場所に罪はないのですが、どうしても嫌な記憶と結びついてしまうのです。

そのため、まずは少しでも体調が悪いときには発作につながりそうな状況は避けるようにしました。通勤はなるべく自宅から近い職場を選び、より空いている路線に変えるなど自分にとってストレスの少ないルートで通うようにしました。

調子がいいときや楽しみな用事があるときには少しずつ電車に乗る時間を長くしていき、今では乗客の少ない電車なら長時間乗っていても平気です。また、通勤のように「一本逃したら遅刻する」みたいな状況でなければ、少し疲れたら途中下車して喫茶店で休めばいいのです。

ただ、新しい挑戦をするときは、なるべく調子のいいときを選びました。嫌な記憶を、楽しい記憶で上書きしていくのです。

空の電車の車両内と大きな窓からの景色。通勤時のパニック障害の症状と向き合うシーンを表しています。

パニック障害を改善するためにしたこと③自分の緊張を緩める

私は緊張状態が続きすぎると調子が悪くなります。眠りが浅くなって夜中に起きたり、手に汗をかくようになったり、呼吸が浅くてのどに違和感を覚えたりすることが多いので、このサインを見逃さないように自分でチェックしています。

こういうときは、意識的に休んでリラックスするようにしています。一番のリラックス方法は仲のいい人と会うことです。一人でいるとどうしても考えごとをしてしまいますが、楽しくおしゃべりをしたり、おいしいご飯を食べたりすると、いつの間にか楽に息ができるようになります。

他の人と予定が合わないときは、公園や海にほとんど荷物を持たずに行きます。ベンチや砂浜に座って、ボーっと景色を眺めるのです。それでも落ち着かないときは、ひたすら歩きます。歩き続けていると無心になれて、ヘトヘトになって夜眠れるので一石二鳥です。

自分の身体と心の状態がよくなることならなんでもいいのです。自分用のおくすりを確保しておくようなイメージです。

胸に手を当てて落ち着こうとしている女性の姿。パニック障害の症状と向き合う方法を表しています。

まとめ

今回は、私がパニック障害を少しずつ改善させていった方法を書いてきました。自分の状態が悪いときにストレスがかかると症状が出るようです。これは、パニック障害でなくても共感される方が多いのではないでしょうか。

私は対策として、自分の傾向を把握することと、状態が悪いときは苦手なことを避けること、自分の状態を改善させることの3つが有効でした。

ストレスの源になる要因は減らせるときと、そうでないときがあります。「今の私、ストレスが溜まっているなぁ…」とわかっていても、避けられないときもあります。

私は6年ほど症状が出ていませんが、また状況や自分の状態によってはパニック障害の症状が出る可能性もあります。「病気と上手く付き合えるようになった」というほうが近いかもしれません。

病気が完璧に治るのではないとしても、自分が自分の主治医のような存在になれたらとても頼もしいはず。自分はどんなことをすれば状態がよくなるのか、何があると調子が悪くなりやすいのかを知っておくと、楽になります。この記事が何かしらの参考になれば嬉しいです。

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ABOUT ME
森本 しおり
1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。 就職後1年でパニック障害を発症し、退職。27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。プラスハンディキャップなど各種メディアへ寄稿中。