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嫌な日こそワクワクを!憂鬱を和らげるための“プチご褒美作戦”

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2023.7.7

先天性心疾患のある私にとって、何十年続けていても、定期健診はやはり憂鬱なもの。前日から「明日は病院か…」とどんよりしてしまうからこそ、私は通院時、ちょっとした工夫で気分をあげたり、自分にプチご褒美を用意したりして、ブルーな気持ちになりすぎないようにしている。

執筆:古川 諭香 Yuka Furukawa

メイクやオシャレで自分の気持ちを盛り上げて通院

早起きをして、長い検査に耐えなければならない定期健診は何十年繰り返していても嫌なものだ。特に、10本以上もの採血が予定されている日には「行きたくない」という気持ちが強くなる。

そんな気持ちを和らげるため、私が通院前にしているのはオシャレをすることだ。病院なんて、正直ジャージ姿のすっぴんで行ってもいい場所。でも、私はあえてバチバチにメイクをして、好きな服を着ていく。新しい服を購入した時には、「どこかへ着ていく前に一度、通院時に着てみよう」と思い、着心地を確かめることもある。

そうやって自分の身なりを整えると、なんとなくスイッチが入り、「よし、今日も頑張ろう」と思える。自分で自身の気持ちを盛り上げ、憂鬱を緩和する。それも、嫌な通院と上手く付き合っていくためには大切なことなのだ。

思い返せば、このアイデアを思いつくきっかけは母がくれたように思う。幼少期、母に付き添われて病院へ通っていた私は通院前の準備の時、「今日はこの新しい服、着ていこうか」と言われると、心がワクワクした。

通院時は母もメイクを決め、オシャレな服を着てくれたため、ただの通院が「ちょっとしたお出かけ」になったみたいで、子どもだった私は少しワクワクできた。

「通院」という行為はどうせ、一生続けなければいけないのだから、それだったら、ブルーな気持ちで1日をうんざり過ごすよりも、少しでも自分を楽しませて乗り越えたほうがいい。そう思う自分は、案外嫌いではないのだ。

検査を頑張った自分に「おいしいものを食べる」をプレゼント

通院前のオシャレ以外にも、私が憂鬱を緩和するために設けているのが、診察後のプチご褒美。簡単に言ってしまえば、通院後においしいもの食べることなのだが、この作戦が結構効く。

通院時は検査があるので、いつも朝ごはんは抜き。もともと朝は食べない派なのだが、朝から12時近くまで検査となるため、さすがにお腹がすく。だから、「今日は奮発して回転寿司にしちゃおう」とか「大好きな冷やし中華始まってたから行こう」とか、自分が満足できる空腹の満たし方を用意しておくと、食事を楽しみに通院を乗り切れる。

実は、このアイデアも母がしてくれていた行動から思いついたものだ。幼少期、母は検査を頑張った私に「何食べたい?」と聞き、好きなものを食べさせてくれた。私は覚えていないのだが、小学校に上がる前には母と祖父のふたりで通院に付き添ってくれていたようで、そのたびに祖父はレストランで好きなものを食べさせてくれていたらしい。

我が家はあまり外食をするほうではなかったので、通院時だけ好きなお店へ連れていってもらえるのが、子どもの私には新鮮で嬉しかった。クリームソーダを飲みながら「頑張ってよかった」と子どもながらに思った日のことは、今でも覚えている。

大人になると、通院をすることは義務になりがちだ。だが、そこに少しでも自分をワクワクさせられる要素をプラスしたら、義務感だけを感じる苦しい通院にはなりにくくなる。

頑張った自分を大切に労われる自分なりの作戦を、ぜひ考えてみてほしい。

猫の下僕のフリーライター。愛玩動物飼養管理士などの資格を活かしながら大手出版社が運営するウェブメディアにて猫に関する記事を執筆。共著作は『バズにゃん』。書籍レビューや生きづらさに関する記事も執筆しており、自身も生きづらさを感じてきたからこそ、知人と「合同会社Break Room」を設立。生きづらさを抱える人の支援を行っている。

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