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自分の心を守る対策法のひとつ!「抜毛症」はウィッグでカバーするのもあり

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2023.10.27

抜毛症を発症すると、どうしても気になってくるのが抜毛箇所の薄さ。どんな方法で抜毛症を治したらいいのか分からず、外出を控えるようになってしまった人もいることだろう。そんな時、試してほしいのが「ウィッグを楽しむ」という対策法だ。

執筆:古川 諭香 Yuka Furukawa

■気分をあげて心を守る「ウィッグ」での抜毛対策

1日の終わりに「今日も、よく頑張ったね」と自分自身に声をかけながらシャンプーをしたり、ヘアケアやヘアカラーにこだわったりすることで、私は抜毛する頻度が減っていった。手袋をはめて髪を抜けなくするなどの自分を律する対策ではなく、自身を労わるケアが抜毛頻度を減らすには、何よりも大切だと私は自身の体験から痛感している。

だが、そうした「自分を労わるケア」をすることが難しい人は、きっと多い。例えば、自己肯定感が低い人の場合は、そもそも「自分を労わる」とはどんなことなのかが分からず、自分自身に対して優しい言葉をかけることが難しい。真面目な人は、「このくらいで自分自身を甘やかしてはいけない」と、つい自分に厳しく接してしまうこともあるはずだ。

以前は、私もそうした側であった。だからこそ、自分を大切にする対策法が実践できない苦しみは、すごく分かる。そういう心境だった時、私がハっとさせられたのは、ウィッグを楽しむことで気分をあげるという知人の抜毛症対策法だった。

ウィッグは毛質にこだわると高額で手が出しづらいこともあるが、その知人は休日に外出する時だけウィッグを被るため、安価なものを選んでいた。知人が揃えていたのは、ピンクや金髪、茶髪など様々なカラーのウィッグ。手軽に着脱できるからこそ、服を着替えるみたいに、その日の気分や服装に合わせてウィッグを楽しんでいるのだと、明るい表情で語っていた。

そういう知人の思考が、すごく素敵だと思った。地毛ではできないことをウィッグで楽しむという対処法なら、人前に出やすくなり、自分自身の気持ちが暗くなりにくい。もちろん、夏場は蒸れる、やっぱり費用はかかるなどのデメリットはあるが、自分なりに気持ちを上向きにしようとしている姿が、私には違った角度での自分の労わり方に見えた。

ウィッグは人目が気になる時に役立ってくれるだけではなく、被っている時は髪が抜けないため、自然と抜毛対策にもなる。近年ではネットで検索をすれば、抜毛症に適した医療用の部分ウィッグも見つけられるので、興味がある方は、ぜひ自分に合ったウィッグを探してみてほしい。

抜毛症は、どうしても周囲の目が気になる病気だ。長年苦しんでいる人なら、なおさら苦しみは大きくなることだろう。だからこそ、抜毛がやめられない自分を責めすぎないためにも、ウィッグなどの少しでも自分の気持ちが上がるもので抜毛部分をカバーしてほしい。こうした方法で心を守ることも、大切な対策のひとつだと私は思う。

髪を抜きながらも頑張って生きているあなたは、十分尊い。抜毛症は鏡に映る自分の姿に嫌気がさしてしまうことも多いからこそ、以下の言葉を、この病気と闘っているすべての人に贈りたい。

なにも悪くないあなたが、自分を蔑まず、心を守れる対処法を、どうか出会えますように。

猫の下僕のフリーライター。愛玩動物飼養管理士などの資格を活かしながら大手出版社が運営するウェブメディアにて猫に関する記事を執筆。共著作は『バズにゃん』。書籍レビューや生きづらさに関する記事も執筆しており、自身も生きづらさを感じてきたからこそ、知人と「合同会社Break Room」を設立。生きづらさを抱える人の支援を行っている。

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