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トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の申請手続きをわかりやすく解説!
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2024.1.29
「障害者雇用をしたいけれど、わが社の仕事ができるか不安」「トライアル雇用助成金を利用したいけれど手続きがよくわからない」
とお悩みの方に向けて、本記事ではトライアル雇用(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の支給要件・支給額・申請方法について、わかりやすく解説します。
執筆:パラちゃんねる運営事務局
はじめに
今回の解説範囲を図で確認しましょう。
「障害者雇用で活用」の右側のチャートの範囲を解説していきます。
記事の終盤では、障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースの申請方法の違いや注意点、いざというときのお問い合わせ先についても触れますので、ぜひ最後までお読みください。
厚生労働省の助成金「トライアル雇用助成金」とは?
「トライアル雇用」とは、職業経験が不足しているなどの理由により、就職が難しい求職者を試行的に雇い入れるための制度です。
トライアル雇用制度を活用した際に支給される助成金は、以下の3種類に分けられます。
● トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
● トライアル雇用助成金(障害者トライアル雇用コース)
● トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)
それぞれについて、解説します。
ー 1.トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者を、無期雇用契約へ移行することを前提に、一定の期間、試行的に雇い入れる事業者を助成する制度です。
以下の目的があります。
● 求職者が早期に就職できるようにする
● 雇用機会の創出
障害をお持ちの求職者の方は、次に紹介する「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)」または「トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)」の利用を検討しましょう。
・参照:『厚生労働省 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)』
ー 2.トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)
「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)」は、障害者を原則3ヶ月間(精神障害者は最大12ヶ月間)試用雇用することで、適性や能力を見極め、継続雇用のミスマッチを防ぎ、早期の就職と雇用機会の創出を図ることを目的としています。
障害者トライアルコースを利用すると、労働者の適性を確認したうえで1年を超える継続雇用へ移行でき、障害者雇用への不安を解消することができます。
対象となる求職者は、「障害者の雇用の促進等に関する法律 第2条第1号」に定められている障害者に該当する方です。
障害の原因や種類は問いません。
障害者トライアル雇用の期間中、1週間の所定労働時間は20時間以上とする必要があります。
この助成金を受給するためには、以下の条件を満たさなければなりません。
支給要件と支給額について、詳しく解説します。
【支給要件】
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)では、以下の1に該当する求職者を2の条件により雇い入れた場合に受給することができます。
1. 対象となる求職者
次の両方に該当する方であること
● 継続雇用する労働者としての雇い入れを希望している方であって、障害者トライアル雇用制度を理解したうえで、障害者トライアル雇用による雇い入れについても希望している方
● 障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のいずれかに該当する方
・紹介日において就労の経験がなく職業に就くことを希望する方
・紹介日の前、2年以内に離職が2回以上または転職が2回以上ある方
・紹介日前に離職している期間が6ヶ月を超えている方
・重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の対象となる重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者とは以下に該当する方です。
● 重度身体障害者:身体障害者手帳1級・2級の方
● 重度知的障害者:療育手帳(東京都の場合は愛の手帳)を取得した方のうち、障害者職業センターで重度の判定を受けた方
● 精神障害者:精神障害者保健福祉手帳を取得している方
トライアル雇用助成金(短時間障害者トライアルコース)の場合も同様です。
2. 雇い入れの条件
次の両方に該当する方であること
● ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介による雇い入れ
● 障害者トライアル雇用の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行った
・参照:『厚生労働省 II・III 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:対象となる措置 1.対象労働者』
【支給額】
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の支給額は、以下の2点により決定されます。
● 障害の種別
● 実際に就労した日数
身体障害者、知的障害者、その他障害者(発達障害者者など)の場合と、精神障害者の場合で支給額が異なります。
それぞれの場合に分けて解説します。
1. 身体障害者・知的障害者・その他障害者(発達障害者など)の場合
まずは、身体障害者・知的障害者・その他障害者(発達障害者など)の場合について、解説します。
身体障害者・知的障害者・その他障害者(発達障害者など)の場合、障害者トライアル雇用の期間は最長3ヶ月ですので、最大12万円支給されることになります。
支給対象者が1ヶ月間に実際に就労した日数により、1ヶ月あたりの支給額が変動する仕組みです。
以下の計算式で算出されたパーセンテージにより、支給額が決定されます。
支給対象者が1ヶ月間に実際に就労した日数÷対象労働者が当該1ヶ月間に就労を予定していた日数×100(%)
身体障害者・知的障害者・その他障害者(発達障害者など)の場合に支給される金額を以下の表に示しました。
・参照:『厚生労働省 II・III 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:支給額』
トライアル雇用の期間は、身体障害者と知的障害者の場合、1〜2ヶ月に短縮できます。
ただし、重度の身体障害者、重度の知的障害者については、期間の短縮はできません。
2. 精神障害者の場合
精神障害者の場合について、解説します。
精神障害者の場合は、トライアル雇用の期間は原則6ヶ月ですが、必要に応じて12ヶ月まで延長可能です。
ただし、助成金の支給対象期間は6ヶ月までですので、注意しましょう。
精神障害者の場合に支給される金額を以下の表に示しました。
・参照:『厚生労働省 II・III 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:支給額』
支給対象者が勤務予定の日のうち75%以上勤務すれば、最初の3ヶ月は1人あたり月額8万円、その後の3ヶ月は月額4万円が支給されます。
精神障害者の場合には、最大で36万円の助成金が支給されることになります。
ー 3.トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)
「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)」と同じように、「トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)」も障害者を一定の期間を定めて試行的に労働者を雇用した場合に支給される助成金です。
「トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)」では、雇い入れ時の週あたりの所定労働時間を「10時間以上20時間未満」とし、障害者の職場適応状況や体調等に応じてトライアル雇用の期間中に、週あたりの所定労働時間を20時間以上とすることを目指します。
雇用保険の対象となるために、週あたりの所定労働時間が20時間以上を目指すのです。
ただし、必ずしも全員がうまくいくわけではありません。
結果的に期間内に20時間以上の労働ができなかった場合でも、所定の手続きを行えば助成金は支給されます。
【支給要件】
トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の対象となる求職者の条件は、トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の場合と同じです。
雇い入れの条件に定められている「雇用保険被保険者資格取得の届出」が不要である点が異なります。
このコースは1週間の所定労働時間が20時間を下回るためです。
・参照:『厚生労働省 II・III 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:対象となる措置 1.対象労働者』
【支給額】
トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の支給額は、以下の表に示した通りです。
障害者短時間トライアルコースの支給額は、障害の種類による違いはありません。
・参照:『厚生労働省 II・III 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:支給額』
トライアル雇用助成金の申請方法をわかりやすく解説!
トライアル雇用助成金の申請方法をわかりやすく解説します。
文書を読むだけではわかりにくい点についても、詳しく説明しますので、一つずつ確認しながら手続きを進めましょう。
申請は、郵送か電子申請で行います。
電子申請は、郵送の手間がかからず簡単に申請ができますのでとても便利です。
電子申請には以下のようなメリットがあります。
● 24時間申請可能
● どこからでも申請できる
● マイページで申請状況を確認できる
● パソコンだけで手続きを完了可能
電子申請は、厚生労働省の「雇用関係助成金ポータル」を利用して行います。
gBizIDの取得などの準備が必要ですが、一度整えてしまえばその後の申請手続きが楽になるでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
・参照:『厚生労働省 雇用関係助成金ポータル 電子申請マニュアル 令和5年4月 厚生労働省職業安定局』
・参照:『厚生労働省 雇用関係助成金ポータル トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の電子申請』
・参照:『厚生労働省 雇用関係助成金ポータルトライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の電子申請』
ー トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の申請方法
トライアル雇用(障害者トライアル雇用コース)の申請の流れは以下の通りです。
ここでは、申請方法について詳しく説明します。
1.事前にハローワークやパラちゃんねるへ「障害者トライアル雇用」の求人を出す
事前にハローワークやパラちゃんねるへ「トライアル雇用(障害者トライアルコース)」としての求人を出さなければなりません。
パラちゃんねるで求人を出す場合は、ハローワークに求人を出した際に入力した情報を使うことができます。
2. ハローワークやパラちゃんねるからの紹介により対象労働者の雇い入れ
雇い入れを行う際に、ハローワークやパラちゃんねるから紹介を受けて対象労働者を雇用しないとトライアル雇用助成金の支給対象となりません。
必ずハローワークやパラちゃんねるから「トライアル雇用(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)」として紹介を受けた求職者を雇い入れしましょう。
以下のケースは支給対象外ですので、注意が必要です。
● 自社ホームページから直接応募してきた障害者を雇い入れした場合
● 知人や親族などの紹介で応募してきた障害者を雇い入れした場合
● ハローワークやパラちゃんねるなどから一般求人や通常の障害者求人で紹介された障害者を雇い入れした場合
雇い入れをする際には、「トライアル雇用(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)」の求人としての紹介であるかを必ず確認しましょう。
3.「実施計画書」を提出|雇用開始日から2週間以内
ハローワークやパラちゃんねるから紹介を受けたあと、障害者トライアル雇用を開始する場合、2週間以内に「実施計画書」を以下の機関へ提出しなければなりません。
紹介された機関によって提出先が異なりますので、注意しましょう。
実施計画書の様式は、以下のリンクからダウンロードできます。
紹介日によって様式が異なります。
・参照:『厚生労働省 トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の申請様式ダウンロード』
「実施計画書」を提出しなかったり、期限を過ぎたりしたら、支給対象外になってしまいます。
必ず期限内に「実施計画書」を提出しましょう。
なお、障害者トライアルコースでは、トライアル雇用の期間は雇用保険被保険者資格取得の届出を行う必要があります。
提出した書類は支給決定日から5年間保存する必要がありますので、大切に保管しましょう。
4.トライアル雇用(試行雇用)開始
ここまで進んだら、実際にトライアル雇用(試行雇用)を開始します。
トライアル雇用の期間は以下の通りです。
障害の種類やテレワーク利用の有無によって、試行雇用できる期間が異なります。
5.「支給申請書」など必要書類の提出|トライアル雇用終了翌日から2ヶ月以内
障害者トライアル雇用を終了した翌日から起算して2ヶ月以内に「障害者トライアル雇用等結果報告書」に必要書類を添えて、事業所を管轄するハローワークへ提出しなければなりません。
パラちゃんねる経由の場合も同様に、事業所を管轄するハローワークへ事業者が必要書類を提出する必要があります。
精神障害者で6ヶ月より長くトライアル雇用を行うケースでも6ヶ月後の翌日から申請可能ですが、事業者が希望する場合はトライアル雇用が終了してから申請しても構いません。
支給申請に必要な書類は以下の通りです。
1. 障害者トライアル雇用実施計画書(ハローワークや労働局の受理印のあるもの)の写し
2. 障害者トライアル雇用期間中の出勤簿など出勤状況が確認できる書類またはその写し
3. 障害者トライアル雇用の労働者に対して期間中に支払うべき賃金について支払ったことが確認できる賃金台帳またはその写し
4. 雇用契約書もしくは雇い入れ通知書など労働契約について確認できる書類またはその写し
5. 継続雇用する労働者として雇用したあとの期間に関する雇用契約書もしくは雇い入れ通知書またはその写し
6. 支給要件を確認するにあたり、その他管轄労働局長が必要と認める書類
様式は、以下のリンクからダウンロードできます。
・参照:『厚生労働省 トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の申請様式ダウンロード』
「結果報告書兼支給申請書様式」のうち、紹介日に応じた様式をダウンロードして、必要事項を記入して提出します。
紹介日によって、必要な様式が異なりますので注意しましょう。
6.支給・不支給決定
管轄の労働局から支給決定通知書、または不支給決定通知書が事業者に郵送されます。
支給・不支給の決定まで3〜4ヶ月ほどかかるのが一般的です。
7.助成金の支給
支給通知書が事業者に届いてから通常は7〜10日程度で指定口座に助成金が振り込まれます。
振り込みがない場合は、念のため管轄の労働局まで問い合わせをしてみるとよいでしょう。
ー トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の申請方法
トライアル雇用(障害者短時間トライアルコース)の支給要件と申請方法は、トライアル雇用(障害者トライアルコース)とおおよそ同じです。
ただし、以下の点が異なります。
● 期間
● 対象となる障害者
● 申請様式の一部
● 助成金支給のタイミング
それぞれについて解説します。
1. 期間
障害者短時間トライアルコースのトライアル雇用期間は、3ヶ月以上12ヶ月以内です。
障害の種類による違いはありません。
2. 対象となる障害者
障害者短時間トライアルコースの対象となるのは、精神障害者と発達障害者のみです。
3. 申請様式
「結果報告書兼支給申請書様式」のうち、「勤務予定表」の様式が異なります。
障害者短時間トライアルコースの場合は、「共通様式第4号-②:障害者短時間トライアル雇用期間勤務予定表(天災等特例)」を提出します。
4. 支給申請の時期と助成金支給のタイミング
障害者短時間トライアルコースから始めて、途中から継続雇用する労働者としての雇用に移行するケースもあります。
・参照:『厚生労働省 II・Ⅲ 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:支給額 1.支給対象期間 (3)』
・参照:『厚生労働省 II・Ⅲ 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:受給手続 1.支給申請 (2)障害者短時間トライアルコースの場合』
「パラちゃんねる」で採用した場合とハローワークで採用した場合の申請手続きの違いとは?
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の求職者をパラちゃんねるの紹介により採用した場合の申請手続きは、基本的にハローワークで採用した場合の申請手続きと同じ手順です。
異なる点は、実施計画書の提出先くらいです。
申請手続きは、ほぼ同じと思ってよいでしょう。
申請手続きの難易度は?
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の申請手続きは、ポイントを押さえればそれほど難しくありません。
社会保険労務士などに申請手続きを依頼すると費用が発生してしまいますので、事業者内の担当者が手続きをしているケースが多いです。
経費削減につながるため、チャレンジしてもよいのではないでしょうか。
行政の窓口に問い合わせるのに抵抗がある方は、以下の「パラちゃんねる窓口(recruit@parachannel.jp)」までご相談ください。
トライアル雇用助成金を活用して障害者雇用を始めましょう
本記事では、「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)」の申請方法について解説しました。
厚生労働省の資料を読むと、とても複雑で難しいと感じる申請手続きも、本記事を参考に手順を追って行えば問題なく助成金の支給を受けられます。
ポイントを押さえることができれば、申請手続きはそれほど難しくありません。
障害者雇用率を上げなければいけないとお悩みの事業者の方は、ぜひトライアル雇用助成金を活用して障害者雇用を始めましょう。
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Text by
パラちゃんねる運営事務局
多様性を推進するプロジェクト「パラちゃんねる」は、2020年より「知る」を広げるラジオ・コラムのメディア活動に加え、「自由な出会い」を創出する障がい者雇用特化型の求人サイトを運営しています。