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A型作業所に通って4ヶ月経ちました

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2024.2.7

夏から通い始めたA型作業所。今回は、苦手な作業をしながら想ったちいさなお話をさせてください。

執筆:山田 彩緒

昨年末。
外のお仕事のことはあまり分かりませんが、わたしが居る施設内のお仕事は、専ら新聞紙を用いて作るエコバック作りになっていました。

作業工程を分担し、枚数を数えたり折ったり切ったり貼り付けたりと、常に指を動かす作業です。

わたしはこれらがとても苦手で、真っ直ぐ、丁寧に、綺麗に、と心掛けるものの、出来損ないの折り紙が出現するばかりでした。

作業中は頭の中に音楽が鳴り響き、そちらに気を取られると「はて、何cmはかるのだっけ?」となってしまうのです。また眠気も酷く、ぼうっとしている間に自分が何をしているのか分からなくなる事が多々ありました。

同じことを繰り返すことが、わたしには難しいのです。座っていることすら苦痛になり、実際バキバキと腰を伸ばして誤魔化しては午前中を終え、午後はまた…と自分を縛り付けるように、抑え込むように、作業をしているうち、作業所自体をお休みする日が増えました。

ふと考えてしまうのは“お仕事の向いている・向いていない”ということについてです。

向いているということを細分化するとすれば、得意と思えたり、自信があったり、やりがいを感じたりといったことが挙げられるかと思います。総じて“失敗しても次にまたチャレンジ出来る”という継続性が大きいです。

対して向いていないと感じるときは、自信がない、飽きてしまう、目標がないといったネガティブな思考に陥りがちです。そこから“失敗を恐れてしまう”ことに繋がることも少なくないのではないでしょうか。次、の段階が絶たれてしまうのです。

向いている・向いていないの判断は難しいです。判断は細かくしなければなりませんし、その時々で認識の修正も必要です。自分の認識と周りの認識のズレがあった場合、指針となるのは経験かもしれません。

馴れると出来ることもあります。淡々と行えることも大切ではないかとわたしは思います。いつもフルパワーでお仕事をするのは素敵なことですが、続かない可能性があります。わたしはB型作業所に居た頃、この燃え尽きる状態になってしまいました。

自分の障がいと向き合いつつ、周りに、社会に、貢献していくことは、尊いことですが、茨の道だとわたしは感じています。なぜなら、自分でも知らなかった自分と向き合うこと、そしてそれを受け止めること。相手に伝えられるようになること。これらにはタイムラグがあるからです。

わたしが「向いてないな」と感じることも、そういう障がい特性だと知っている人と知らない人とでは、大きく見方が違ってきます。自分の言葉にして伝えられるようにならなくては、誤解を招きかねないのです。そして一番に、自分が納得いかないことでしょう。

作業所の職員さんが、取引先のかたにお仕事をください、と言うと「ではどこまで出来ますか?」と尋ねられるそうです。「なんでも出来ますよ、と言って私は帰ってくるんですよ」とにこやかに話していました。

今年、新しいお仕事が増えると聞きました。まだ出向できる人数は少ないのですが、素晴らしいことだと思います。

様々なことを経験して、その場所その場所で花開くひとが増えたら。

誰にでも等しく春が訪れることを願っています。わたしも、わたしの春を待っています。

1985年生まれ。販売員経験6年。その後うつ病、統合失調感情障害躁うつ型へ。現在は猫と犬とともに、ゆるやかな日々を過ごす。

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