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【身体障がい・車椅子編】マンガでわかる!車椅子ユーザーとの採用面接で気をつけるべきポイントは?

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2023.10.24

こんにちは、パラちゃんねるライターチームです。

皆さんの職場には、車椅子を使用している従業員がいますか?

一般企業でも障がい者雇用が少しずつ浸透してきている今日ですが、
「身体障がいを持っている従業員はまだ採用したことがない」
という企業も、まだまだ多いかもしれませんね。

今回は企業の採用担当者向けに、車椅子ユーザーの求職者と採用面接を行うときに気をつけたいポイントをご紹介します。

これから採用面接を受ける予定がある車椅子ユーザーの方は、求職者側からポイントを解説した以下の記事も参考にしてみてください!

車いすユーザーの就職活動①障害者雇用枠の面接で意識したこと

執筆:パラちゃんねる運営事務局


ー 目次

1.車椅子を使う身体障がいとは?
2.マンガでポイントを予習
3.車椅子ユーザーとの面接で採用担当が気をつけたいこと:面接前編
4.車椅子ユーザーとの面接で採用担当が気をつけたいこと:面接中編
5.番外編:職場実習制度について
6.まとめ

車椅子を使う身体障がいとは?

一言で車椅子ユーザーといっても、どのような理由で車椅子を使用しているかは人によって異なります。

代表的なものでは
● 切断
○ 事故や糖尿病による血管壊死などが原因で脚を切断する場合
● 脳血管障害
○ 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの後遺症として麻痺がある場合
● 脊髄損傷
○ 脊椎の脱臼や骨折によって脊髄が圧迫されること
● 脳性麻痺
○ 出生前後に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害
● 進行性筋萎縮症
○ 脊髄の運動神経細胞の病変によって神経の異常が起こり、筋肉が萎縮すること
● リウマチ性疾患
○ 関節や筋肉、骨など運動器系の疼痛を伴う病気の総称
などが挙げられます(※)。

(※)参考
国土交通省「交通事業者向けバリアフリー人材育成プログラム調査 報告書
厚生労働省 「生活習慣病予防のための健康情報サイト
日本整形外科学会「脊髄損傷
国立神経・精神医療研究センター「脳性麻痺
はっとり整形外科リウマチ科クリニック「リウマチ性疾患とは



事故や病気が原因で麻痺が起こる場合でも、麻痺の現れ方は人によって様々ですし、車椅子自体も、使用する人の体格や障がいの種類によって異なるので、「車椅子ユーザーには◯◯の配慮をすれば大丈夫!」という基準はありません。

では、車椅子ユーザーとの採用面接の際には、一体どんなことに気をつければいいのでしょうか?

まずはマンガでポイントをご紹介していきます。

マンガでポイントを予習

ここからは企業の採用担当の方が、車椅子ユーザーである求職者との採用面接を行う際に気をつけたいポイントをご紹介していきますが、まずはマンガでポイントをピックアップしてご紹介します。

それぞれのポイントについては、このあとの章でさらに詳しく解説していきますが、まずはイメージを掴んでもらえるとうれしいです。

また、面接前にはもう一度このマンガを読んで復習してみてください

以上でご紹介した、車椅子ユーザーとの採用面接時に気をつけたいポイントをさらに詳しく解説していきます。

車椅子ユーザーとの面接で採用担当が気をつけたいこと:面接前編


ー 面接日時は車椅子ユーザーの移動を考慮する

車椅子ユーザーにとって満員電車は「乗車すること自体が難しい」という大きな問題です。


本来であれば、どんな時間帯でも障がいの有無に関わらず移動の自由は保障されるべき課題ですが、現状ではどうしても電車やバスなどの交通機関が混雑する時間帯は、車椅子ユーザーにとってオフィスまで来ることが困難になってしまうのです。

面接時間を設定するときには、通勤/帰宅ラッシュ時は避け、車椅子ユーザーの求職者が移動しやすい時間帯に行うようにしましょう。


ー オフィスに移動が難しい場所がないか確認する

健常者にとっては問題になりにくいところでも、身体障がいを持つ車椅子ユーザーにとっては大きな障壁(バリア)となってしまう環境が多くあります。

たとえば、小さな段差。
普段、健常者ならば気に留めないくらいの段差であっても、車椅子で通ることが難しいことがあります。

面接の日までにスロープなどで段差を解消できない場合には、そのことを求職者に伝えた上で、補助が必要かどうかを確認できるといいですね。

また、意外と忘れてしまいがちなのが、廊下やオフィスのドアなどが車椅子で通れる広さかどうか、というところ。

廊下自体は十分に広さがあっても、物が置いてある場合には車椅子が通るスペースを確保できていないこともあります。

車椅子の種類によって、必要なスペースは異なりますので、心配な場合には事前に本人に確認するようにしましょう!

事前にオフィスの様子を伝える

廊下などの必要なスペースとも重なりますが、事前にオフィスの様子を本人に伝えておくことで、不安やトラブルを解消しやすくなります。

たとえば、建物によってはエレベーターの場所がわかりづらいケースもあります。

あらかじめメールなどで案内しておくことで当日スムーズに面接を始めることができるでしょう。

また必要なサポートが必要な場合なども、事前に相談しておくことで準備がしやすくなります。

車椅子ユーザーとの面接で採用担当が気をつけたいこと:面接中編

採用面接は、求人の条件と求職者のニーズが互いにマッチするかを確認するものです。

とくに、車椅子ユーザーなど障がいを持つ求職者と面接を行う際には、必要な配慮について確認することが大切です。

このプロセスが疎かになってしまうと、実際に働きだしてから、障がいのある従業員にとって働きづらい環境につながってしまうことがあります。

前のトピックでも触れた通勤に関する配慮は、実際に働き出した際の出勤時間の調整にもそのまま当てはまります。

その他にも、トイレの利用に関する課題は多くの車椅子ユーザーが直面するものですので、実際に設備を見てもらえると安心かもしれません。

オフィスの設備として、事前に準備が必要になるものもありえるので、現状の職場環境を実際に見た上で、必要になりそうな配慮について、本人と相談できるといいですね。

車椅子ユーザーにとっての働きやすい職場環境づくりのポイントは、以下の記事でさらに詳しく解説していきます。

車椅子ユーザーが働きやすい職場づくりのポイント(オフィス編)
車椅子ユーザーが働きやすい職場づくりのポイント(働き方編)

番外編:職場実習制度を活用する

ここまで、車椅子ユーザーとの面接時までに気をつけたいポイントをご紹介してきましたが、とはいえ実際に働くとなると、どのような配慮が必要になるかわからずに不安を抱くケースもあるでしょう。

それは、車椅子ユーザーの求職者にとっても同じです。

「本当にこの会社で働くことができるのか」
「実際に働いてみて、困ることがでてきたらどうしよう…」

実際に、このような不安を抱えている求職者も多いのです。

また職場環境の受け入れ体制だけでなく、実際の業務内容に関しても「やってみないとわからない」というケースは多いはず。

どんなに十分に相談した上で準備を行ったとしても、いざ実際に働きだしてみると思わぬトラブルや困りごとが見つかることもあります。

そこで実際に採用する前の段階で、職場実習制度(インターンシップ)を通して一緒に働いてみることもおすすめです!

とくに「その企業での採用を前提とした職場実習」の場合は、

● 実際の採用後の受け入れや対応がスムーズになる
● 事前に採用側・被採用側の双方の認識を揃えることができる

などのメリットがあります。

インターンの実施期間は、できれば1〜2日の短期インターンではなく、2週間以上などある程度の期間を設けることをオススメします。

ちなみにインターンを導入することで、国から「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース助成金」等の支給を受けることができます。

「いきなり導入するのはコスト面でもハードルが高いな」と感じている企業の方も、厚生労働省のHPをぜひ確認してみてください。

なぜなら業務自体に慣れてきた段階で、新しい困りごとが見つかるケースがあるからです。

実際に就業することになった場合に担当する可能性のある業務を体験することで、就業開始後にスムーズに対応することが可能になります。


ー まとめ

以上、車椅子ユーザーの求職者と採用面接を行う際に、採用担当者が注意したいポイントについて

1.車椅子を使う身体障がいとは?
2.マンガでポイントを予習
3.車椅子ユーザーとの面接で採用担当が気をつけたいこと:面接前編
4.車椅子ユーザーとの面接で採用担当が気をつけたいこと:面接中編
5.番外編:職場実習制度について
6.まとめ

にわけてご説明してきました。


この記事で紹介したポイント以外にも、企業や車椅子ユーザーによっては必要な配慮のポイントがあるかもしれません。

「実際にどのような配慮を行うか」については、車椅子ユーザーの求職者本人と相談することが大切です。

スムーズに採用面接を行えるよう、今回の記事を参考にしてもらえるとうれしいです。

多様性を推進するプロジェクト「パラちゃんねる」は、2020年より「知る」を広げるラジオ・コラムのメディア活動に加え、「自由な出会い」を創出する障がい者雇用特化型の求人サイトを運営しています。

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