発達障害が判明(わか)ったあなたにしてほしい3つのこと
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2021.9.15
私は25歳、つまりは大人になって自ら足を運んだメンタルクリニックで受けた診断テストで、はじめて発達障害の疑いがあると診断されました。
実はその後、そのクリニックに通うことを辞め、自分の特性を受け入れないまま、数年を過ごすことになります。
今思えば、それはかなりの遠回りで苦しいことの連続だったので、もしご自身や周りの人が診断を受けた際に「してほしいこと」をお伝えしたいと思います。
※当時わたしが受けたものは、16歳以上が基本対象となる知能検査であるWAIS-IIIというものでした。発達障害の診断テストといっても何種類か存在するので、担当医とご相談されたりして、ご自身にあったものを受けてみてくださいね。
執筆:みきちむ(山下 美希)
仕事が続かないーもがき続けた人生のジタバタ期
中学、高校と不登校がちだったもののなんとか卒業。
その後は、働き始めるもすべての仕事が長続きせず、コミュニケーションの問題から体の不調が続き、長くて半年、短いものであれば勤務初日で辞めてしまったバイトもありました。
どうやら普通の人とは違うようだと薄々は感じていた、へんてこな自分の体。
当然、「週に5日で1日8時間」といった日本の基本的な労働体制=正社員として働くことは、わたしにとっては夢のまた夢のようでした。
ある日、目にした「大人の発達障害」という言葉。もしかして?
ごまかしながら、25歳まで自身の特性のことを知らずに過ごしているうちに、ある日、「大人の発達障害」というキーワードを目にしました。
そこに書いていることは、すべて今までのわたしの困りごとを羅列したもののようで、「わたしもADHDなんじゃないか?」と疑いました。
ちょうどその頃、体調も安定(自分比なので比較的安定というくらい)していたので、なんと、夢のようだと思っていた「正社員」として事務で働き始めていました。おかげさまで、上長にも仕事内容にも恵まれており、仕事自体にはとくに支障は感じていませんでした。
でも、ずっと気がかりだったのは、疲れがたまりやすいからなのか、過呼吸を起こしがちだったり、急に倒れてしまったりする不思議な体のことでした。
思いがけない結果に驚いた、発達障害診断テスト
「なんだかおかしい」という不安を抱えて、発達障害の診断テストが受けられるというクリニックを見つけ、藁にもすがる思いでテストを受けることになりました。
その結果、伝えられたのはASDの傾向があるということ、「ASD=自閉症スペクトラム障害」というキーワードでした。
そのときは自分のことを「ADHD」ではないか?という気持ちがあって診断を受けに行っていたので、いきなり全く想定と違った「自閉症」だと言われた自分のことを受け入れることができませんでした。
なぜなら、わたしの中での「自閉症」のイメージと自分自身はかけ離れていたからです。
※語弊を招く表現であれば、ごめんなさい。
当事者の私だから伝えたい!
ー 発達障害が判明(わか)ったあなたにしてほしい3つのこと
はじめにも書きましたが、実はその後、クリニックに通うことを辞め、自分の特性を受け入れないまま、数年を過ごしました。
それは、かなり遠回りで苦しいことの連続でした。そんな当事者の私だからこそ、伝えたいこと。
もしも、ご自身や周りの人が「発達障害である」と診断を受けたら、ぜひしてほしいことが3つあります。
■自分の障害(特性)を受け入れること
わたしの場合は障害受容まで数年間かかってしまいましたが、まずは「受け入れる」ということ。
ある種、開き直りかもしれませんが今まで悩んできた数々の事項に対して「原因がハッキリしてスッキリした」と思えば少し楽になるのではないでしょうか。
開き直りも時には必要なことだと思っています。
もし、「普通」にできないことがあるのであれば、「出来ること」を探して行くしかないからです。まずはそれから。
■金銭的不安を無くすために「公的支援」を受ける
金銭的な不安はメンタルを蝕んでしまいます!!なので、条件はありますが受けられる公的な支援は受けるべき!と思います。
私の場合は、精神障害者手帳の申請、自立支援の申請をして、今は「少ない負担で治療が受けられたり、税金の控除が受けられたりする」ようになっています。
最初はプライドが邪魔をしてしまい「手帳は持たない!」と思っていた時期もありました(ちょっと抵抗があったので)。
それでも、金銭的に楽になるならいいじゃないですか!受けられる制度は利用して精神的な負担はなるべく減らしてしまいましょう。
※ここでも大切な開き直り戦法です、一種のライフハックです。
■信頼のおける人にカミングアウトする
障害や特性のことが判明したら、周りの人に「伝える?伝えない?」問題があると思います。
私は、今まで仕事先にカミングアウトしたことはありませんが、旦那さん、親しい友人、家族など普段かかわることが多く信頼のおける人たちには伝えてあります。
ただし、わたしなりの基準があって。それは「障害や特性のあるなしに関わらず、関係性を変えないでいてくれる人」にお話をすることにしています。必要だ、と思う場面があれば、職場にもお話することが必要かもしれませんが、診断されたからといって、「みんなに伝える必要はない」ということも覚えていてほしいです。
障害や特性と生きる(働く)ことは、修羅の道なんですよね、そもそも(笑)!
なので、どれだけ自分を楽な環境に置いてあげることが大切だと思っています。
わたしもまだまだ模索中ですがなんとかなっていくので、ほどほどに。ゆるくやっていきましょう♪
Text by
みきちむ(山下 美希)
25歳時に発達の検査を受け、ASD(ADHDも)診断済み。それを機にクローズドで働いていた会社を辞め、現在は、“特性と付き合いながら在宅での仕事や主婦業をしながらゆるりと過ごす日々"を送っている。定型発達の夫とねことの2人と1匹暮らし。夢は自分のお店を持つこと、日々いろいろなことに挑戦中!