仕事でのミスはどうやって対策するの?②
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2021.3.8
前回の記事では、特性にあったミス対策の探し方を解説しました。今回はさらに具体的な例と、当事者と一緒に働く人に向けて2つのポイントをお話していきます。
執筆:ぴーちゃん
優先順位と手順のマイルールを決める
まずは、当事者の中でも多い「優先順位が苦手」という特性についてです。
優先順位をうまく決められないことで、「ついつい目先のものに取り掛かってしまい締め切りが守れない」などミスにつながりやすい特性の1つでもあります。
そこでポイントになるのが「可視化」です。
特性を持っている人の多くは、頭の中でイメージして考えることを苦手としている場合があります。優先順位やタスクも、頭の中でイメージしたり整理整頓して考えるものなので、それらが苦手な当事者にとっては難しいこと。
そこで、付箋やアプリなどを使って可視化し、タスクを整理することで、優先順位付けのハードルを下げることができます。
またこれは私も実際に実践していることですが、タスクに取り掛かる前に、具体的な締め切りと優先順位を必ず聞く癖をつけることもオススメです。
そして、このシリーズでは何度もお伝えしていますが、リマインドの癖も忘れずにつけましょう!
ギリギリ締め切り当日のリマインドでは間に合わないこともあるので、締め切りの1週間前~3日前までには終わらせられるよう、余裕を持ってリマインドできると理想的かもしれません。
not当事者が知っておきたい「伝え方」のポイント
次に、当事者と一緒に働く人が気をつけたいポイントとして、1番大切なことは「伝え方」です。
優先順位づけの難しい当事者にとってよくあるのが、「作業中に話しかけられたり、別のタスクをお願いされたりすると、今まで自分がなにをしようとしていたのか忘れてしまう。そして作業中のタスクを忘れたまま、お願いされたタスクに取り掛かってしまう」という問題です。
基本的に、特性を持っている人はマルチタスクが苦手な人が多いので、作業中に話しかけることは控えましょう。
場合によっては過集中になっている人もいるので、話しかけられることでパニックになってしまうケースもあります。
また、曖昧で抽象的な表現を理解することが苦手な人も多いので、「あとで」や「適当にやっといて」などのように伝えるのではなく、具体的な締め切り(「何日の何時まで」など)や、優先順位(「今日の仕事の最初にやって」など)をしっかり伝えることが大切です。
口頭のみだけでなく、可視化できるような社内連絡ツールや、メモなどを渡すこともオススメですよ!
当事者によって特性の困り具合は様々なので、どのような伝え方がいいか話し合ってみるといいと思います。
Text by
ぴーちゃん
1997年生まれ。Webメディア・パレットーク所属のイラストレーター。主にTwitterでADHDや発達障害について4枚の漫画やイラストでわかりやすく紹介しています。ADHDとうつでサバイブしてきた自叙伝 『ぴーちゃんは人間じゃない?』 書籍発売中
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