現実にお⾦のことを考える障害・難病者
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2023.4.7
難病や障害をお持ちの⽅で、結婚を希望しない、あるいは諦めている⽅も多いのではないかと思います。
筆者⾃⾝、障害や難病、セクシャルマイノリティの側⾯からも、結婚という選択肢を望まないことを受け⼊れています。
そんな私が、病気を抱えるシングルの⼥性(※1)が⽼後をどのように⽣きていくかを真剣に経済的に検討した結果を報告いたします。
※1、筆者は⼥性のため、⼥性にフォーカスしていますが、男性にも参考になると思います。
執筆:ゆづパン
***編集部より***
当ブログの情報は投資の勧誘を目的としたものではありません。ライター個人の体験談をコラムとしてお届けしています。投資の最終決定は、独自の調査と判断に基づいて、自己責任でお願いいたします。
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障害や難病を抱えての老後は…
そもそも、私のように障害や難病を抱えて⽣きる⽅は、どのくらいいるのでしょう。
難病情報センターの調査によると、平成26年度調査では指定難病者総数が92万5,646⼈。
厚⽣労働省による平成26-28年調査では、知的・⾝体・精神障害者の総数は936万6,000⼈(⼈⼝の約7.4%)もいるそうです。
さて、それだけの多くの⼈はどの様に⽼後を送っているかというと、内閣府の平成22年の資料から…
まず、障害者の⽣活を経済的に最低限に⽀える所得保障としての障害基礎年⾦の⽔準が極めて低いという問題がある。
特別障害者給付はさらに低い⽔準となっている。
現⾏の障害基礎年⾦の⽔準の考え⽅が、⽼齢基礎年⾦と⽣活保護がベースとなっており、2級年⾦を⽼齢基礎年⾦の⽔準とし、 1級年⾦と特別障害者⼿当を合わせたものが⽣活保護の⽔準としている。
つまり、「⽣活困窮者」と「著しく重度の障害者」を同様の⽔準とし、また、2級年⾦は稼得能⼒を補填するものとしている。
⽇常⽣活の困難性や⽀援の必要性を継続的に有する障害者の⽣活実態からしても、それら所得保障の⽔準についての考え⽅を再検討する必要があると考える。
引用元:所得保障に関する意見一覧
と、発⾔されていることからも垣間⾒えるよう、⼤多数が⽣活に困窮しているのが理解できます。
少し前には「老後2000万円問題」なんて騒がれましたが、あれは夫婦2人で平均的な公的年金をもらっている人の話。
しかも健常者の指数に基づいているため、障害や難病などの疾患がある場合にはバラつきがあり、個々の病状によって必要な⾦額が異なります。そのため、具体的に必要な⾦額を⾒積もることができません。
あくまでも個人的な意見ですが、人生100年時代という⻑期的な視野を持ち、70歳以降に必要な4,000万円以上を蓄えておくことが重要だと考えます。
これに備えなければ、⽼後を不安視せざるを得ず、筆者には全くもって楽観的とは⾔えません。
老後に向けて、まずは投資を始めてみた
転ばぬ先の杖と⾔いますが、銀⾏の⾦利が0.025などという超低⾦利時代、物価⾼で抗う節約も虚しく、コロナ後の混迷した世の中を⽣きるために投資を始めました。
ただし、プロ投資家のようなことではなく、つみたてNISAとiDeCoに投資しています。
また、持病である難病・下垂体機能低下症の⼆次障害も将来的に怖いので、⽣命保険にも加⼊しました。
以下では、投資の概要と実際にやってみての感想などをざっと書いていきます。
ー つみたてNISA・iDeCoって?
つみたてNISAとは、少額投資⾮課税制度 (NISA) の⼀種で、積⽴投資に利⽤されます。⼀定額以下の掛け⾦は課税されず、初⼼者でも利⽤しやすい制度です。少額ずつ積み⽴てることができ、個⼈的にも楽しめます。
★投資額/月15,000円
★感想/配当が出るとおろして使うこともできます。私は持ち越ししていますが、月々に美味しい物が食べたい方などに良いかも知れません。
iDeCoとは、個⼈年⾦の⼀種です。国が提供する制度で、掛⾦が全額所得控除になるなど、税制上の優遇措置が特⻑です。
★投資額/月5,000円
★感想/途中でおろすことは出来ませんが、老後への安心感と少額でいいところが無理なくできるのでいいです。
どちらも少額から始められますが、あくまでも⾦融商品なので元本割れのリスクもあります。
リスクもよく理解したい⽅は、各銀⾏や、ファイナンシャル・プランナーさんが無料で相談に乗ってくれたりもしますので、⼀度お話を伺うことをオススメします。
ー ⽣命保険って?
病気や死亡、他⼈⽣のライフステージにおけるリスクに各種応対してくれる保証といえば分かりやすいと思います。
⼀定の⾦額を毎⽉払い、現在は掛け捨てが⼀般的です。がん保険や、⼥性・男性固有の疾患など様々なパッケージがあります。現在はセクシャルマイノリティにも対応した保険などもあります。
障害があっても⼊れる保険も多いですが、⼀度、保険の窓⼝やファイナンシャル・プランナーに相談してみるのも良いでしょう。
★実際に入った保険/月10,000円弱
★感想/現状ではまだ、体調が良いので(生命保険に入るときは条件等があります)、今後を慮ると安心材料になって気持ちが楽になりました。
自分の匙加減で、プランを作れるのが嬉しいです。
収入に応じて、オプションをつければかなり手厚く補償もできます。
お⾦を護ることで⾃分が守れる
いかがでしたでしょうか?
銀⾏の⾦利も軒並み低く、コロナや世界情勢の影響で物価も⾼い状況で、国が推進している⼩⼝投資を実際にやってみる⼀例を挙げてみました。
あくまでも⼀例ですが、障害者雇⽤で健常者以上に収⼊を得るには、何らかの得意な技能などが要求されます(健常者でも、現在は賃⾦が伸びていないようですが...)。
筆者は、お⾦を護ることによって、守られるのは⼈間の尊厳だと考えています。
⾏政から得られる保証は、あくまでもベースラインであり、より⽂化的に、健康的に⽣きるためには、⾃衛の⼿段を何らかの思案によって⾃分で確保しなければならない時代になってきました。
不況の中でも、勇気と知恵でこのような厳しい現状を打ち破りたいと思います。
将来が⼼配な読者諸⽒の何らかの参考になれば幸いです。