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諦めグセついてませんか?見極めたい「苦手」と「無理」の違い

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2021.3.16

誰しも、苦手なものってありますよね。たとえば、野菜が苦手な人もいれば、動物や虫、知らない人と会話することが苦手な人もいます。様々な「苦手なもの」が存在する一方で、「無理なもの」も存在します。

みなさんは「苦手」と「無理」の違いをどのように認識しているでしょうか?

今回は、発達障害における「苦手」と「無理」の違いについて一緒に考えていきましょう!

執筆:ぴーちゃん

「苦手」と「無理」をはっきり区別して使っている人は実際少ないように感じます。

発達障害を持っている人は、この「苦手」と「無理」をたくさん持っています。

この区別をはっきりとつけて認識している人は少ないので「自分はなにもできない・・・」と、傷ついてしまうシチュエーションが多いように感じます。

「苦手」と「無理」の区別をしないまま働くと、当事者にもサポート側にも問題が生じてしまいがち。
それは「諦めグセ」がついてしまうということです。

「諦めグセ」とは、たとえば当事者のケースでいうと、仕事中に特性による「苦手」と出会ったとき、それが対策可能なことだったとしても、「自分には無理だ」と諦めてしまう、というもの。

すると、新しくタスクを任されても勝手に「自分にはできない」というスイッチが入ってしまい、結果的に仕事へのモチベーションや自己肯定感が下がってしまいます。

一方でサポート側の「諦めグセ」は、当事者に対して「どうせ無理だから」と本人の同意なしにスキルアップに繋がらないタスクを渡してしまう、ということがあります。

実際、ADHD当事者であるぴーちゃんも、この「諦めグセ」が強かった時期は、新しいことや挑戦することに対して恐怖心を抱いていました。そして結果、満足な結果が出せずに落ち込んでしまう…の繰り返しだったのです。

もちろん、特性によって「苦手」も「無理」も、存在することは事実。

でも、もしかしたら対策次第ではタスクが予想以上に成功したり、当事者の大きなスキルアップに繋がるかもしれなませんよね。

だとすると、「苦手」と「無理」を区別しないままでいることは、当事者/サポート側のどちらにとっても、少しもったいない気がしませんか?

そこで私は、不安な壁が現れて諦めそうになったとき、「どうしたらできそうか」と可能性を考えるクセをつけるようにしました。もちろん、1人で解決できないこともあるので、その都度サポートをお願いしたり、自分のやりやすい方法の提案をするのも大切です。

当事者の特性・困りごとや、対策・支援・配慮などをしっかりと共有した上で、「どうしたらできるか」を一緒に考えてゆくことが大切です。

ここで気をつけたいポイントがあります。

それは、「無理」と判断することは、決して悪いことではないということです。特性上どうしてもできないことも存在する中で無理をすると危険な場合もあるからです。

周りに相談してみても難しそう、もしくは自分の中でどうしても確信を持てない場合はやめておくことも忘れずに!

働きやすさを目指す中で、大切なことが「決めつけをしないこと」です。誰もが働きやすい環境を目指していけるといいですよね。

1997年生まれ。Webメディア・パレットーク所属のイラストレーター。主にTwitterでADHDや発達障害について4枚の漫画やイラストでわかりやすく紹介しています。ADHDとうつでサバイブしてきた自叙伝 『ぴーちゃんは人間じゃない?』 書籍発売中
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