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ADHDの凄まじいエネルギー源はどこにある?

~2種類の活力源と活用法について~

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2023.8.9

どうも、琳堂ヤコです。記念すべき四回目のコラムになります。はい、全部記念です。ちなみに自己紹介も兼ねた記念すべき第一回目はこちらです。

今回はですね、タイトルにもありますように、ADHDを持つ人たちのエネルギー源ってどんなところにあるんだろう、そしてそれをどう使えばいいだろうかというお話をしようかなと思います。

とはいえ、私は医療関係の資格も持たぬただの塾講師コラムニストですから、資格を持った医師の協力と参考文献と共にお話致します。ということで、興味のある方は私のコラムをうのみにして終わる前にぜひその参考文献の方をご覧いただければと思います。

また、前提として二次障害を度外視して書きますので、ここで書かれている脳機能に関しては二次障害の影響を受けていないものとしていることをご了承ください。

執筆:琳堂 ヤコ Yako Lyndoh

さて、注意欠陥多動性障害、英語で頭文字をとり、縮めてADHDという脳の発達特性を持っていると、気が向かないことへの拒否感が大きく、そのために動けなくなることが少なくないかと思います。いわゆる「先延ばし」ですね。周りから見ると「サボっている」ように見えるあの状態です。座ったまんまとか、スマホをいじってばかりとかね。

まあこれについては他のコラムニストの方々がよく書いてくださっていると思うので特に言及せずにさっさと進めていきますよ。

ADHD特性の三大柱のうちの二つ、「衝動性」と「多動性」は仕事に役立てられる可能性があることはご存じの方も多いかと思います。

物怖じせず営業で白地開拓をしたり、様々な企画を立てて即実行に移してみたり。「やりたい!」と思ったらすぐにアクセルをべた踏み!カーブ?知ったこっちゃねえ!ハンドルを切りゃあいいだけだ!ってね(私のことです)。

「先延ばし」も「即実行」も起こるなんて不思議ですね。もちろんそこには理由があります。「やりたい」か「やりたくないか」です。シンプルだなあ。

しかしこれは「あのカフェの新作が飲みたいな♪」だとか「そろそろお手洗い掃除しないといけないなあ」というような勢いではないのです。

一言で言えば、エネルギー量が桁違いです。

「やりたくない!」という拒否感のエネルギーも、「やりたい!」という好奇心のエネルギーも大きい。感情の起伏が激しめの人がいるのも、エネルギーの増幅が起こりやすい(易刺激性)からかと思われます。

簡単に表すと、一般的な「やりたくない!」は「やりたくない!!!!!!!」ですし、「やりたい!」は「やりたい!!!!!!!」くらいの違いがあるように私は感覚します。心の声すらでかいな私は。

と、ここで本題に移りましょう。

ADHDを持つ方が特性によって行動へ移る・移れるエネルギー源は「やりたい!」というところにあるとは前述したとおりです。タイトルにある二種類の原動力の一つはこれです。

そこに「衝動性」が加わり、猪突猛進になってしまったり、成功を決めちゃったり様々なわけですが、それとは別に実はもう一つエネルギー源があります。

「怒り」です。

先ほど、感情の起伏が激しめの方がいるという話を挟みましたが、良くも悪くも、機嫌や意欲が大きく行動に影響が出やすいところがADHD特性にはあるのかなと自分に対しても周囲の特性持ちの方を見ていても思います。

事実、高次脳機能の分野に関するものを読むと、神経伝達物質であるアドレナリン系による活動のエネルギーはやる気、程度が過ぎると怒りにも繋がるものであり、ドパミン系からのエネルギーは「やりたい!」という興味関心へ繋がるとされています(行動そのものが快楽なわけですね)。

アドレナリン系物質による「怒り」のエネルギーと、ドパミン系物質による「好奇心」は注意機能問題にも関連していきます。

下記のブログ内でわかりやすく解説されています。

参照:高次脳機能障害・発達障害・認知症のリハビリテーションの専門医・粳間剛先生のブログ『粳間メンタルリハビリテーション研究所/一般社団法人iADLのブログ』

ここからは個人的な「怒り」のエネルギーと「好奇心」のエネルギーの活用における注意点をお話したいと思います。

端的に言えば、「怒り」のエネルギーは大きなエネルギー源でもあると同時に「不快感」という負のエネルギーも抱えることになるため諸刃の刃です。短期的なタスクへのエネルギーとして利用していくのがベストかと思われます。

(これについて私のnoteで記事を書いてありますのでご参考になればと思います:「『死ぬ気でやる/やれ』の精神的ヤバさとそれに代わるおススメフレーズ」

「好奇心」のエネルギーは、前述したとおり「衝動性」と組み合わさると思いもよらぬ事故に繋がる可能性があります。

勇敢さと向こう見ずは表裏一体であり、また、ブレーキ役のサポーターを何人か作り意見を小まめに取り入れることをお勧めします。「危険をかえりみず」は、好奇心にとりつかれリスクヘッジスキルが落ちている場合のADHD当事者が慎重になるべき点です。サポーター・相談役をつけましょう。


以上、今回はADHD当事者の方が持っているエネルギー源とその規模、そしてその活用方法と注意点についてでした。
執筆にあたって快くご協力の許諾をしてくださった粳間剛先生に改めて感謝申し上げます。

ではまた次回をお楽しみに!

とあるADHD持ち学習塾講師。英文法と英和翻訳をこよなく愛する。たまに哲学を差し込む。有益な情報は基本ない。
発達特性児(ADHD+ASD)2人持ちのシングル家庭。座右の銘は「怯まず為さば勝利は近し」。

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