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自分の障害特性にあった仕事をChatGPTに聞いてみた

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2023.8.29

ChatGPTを使う人も増えてきました。使い方によっては「検索」の概念が変わり始めていますが、キャリア相談をする相手として活用するのもおすすめです。自分の障害特性やキャリアに沿った仕事を教えてくれる存在でもあります。

執筆:佐々木 一成 Kazunari Sasaki

ChatGPTがメディアを騒がせ始めて数ヶ月ほど。使っている人はめちゃくちゃ使っているし、使っていない人は全然使っていない、そんな印象を受けます。

個人的には、答えを知りたいときには、Google先生を使うことが多く、意見を知りたいときにはChatGPTを使うことが多いです。仕事上、ライター・編集業務には結構役に立つので、ChatGPTにはちょくちょくお世話になっています。

そんな中、一番のおすすめの使い方は「キャリア相談」。自分にとっての「最高」まではいかなくても「なるほど感」を作ってくれる相手としては結構役に立つChatGPT。巷を検索すれば出てくる程度のことかもしれませんが、少しご紹介します。

義足を履く障害者の日常生活の困りごと

生まれつき足が不自由で、普段は義足を履いている生活をしているので、ChatGPTにこういう風に聞いてみました。ChatGPTは見えない相談相手なので、ちょっと話しかける感じで聞けば、いろいろと教えてくれます。


義足を履いている身体障害者の日常生活において、以下のような困りごとが発生する可能性があります。ただし、個々の状況や義足の種類によっても異なるため、一般的な事例として考えてください。

1. **快適なフィット感の確保**: 義足のフィット感や調整がうまくいかず、長時間履いていると痛みや違和感が生じることがあります。

2. **移動の難しさ**: 義足を履いて歩くことや階段の昇降、不平な地面を歩くことが難しく、日常の移動が制約されることがあります。

3. **体力の消耗**: 義足を履いて歩くことが体力を多く消耗するため、長時間の活動や遠出が難しいことがあります。

4. **適切な靴の選択**: 義足に合った靴を選ぶことが難しく、足の痛みや腫れ、皮膚の問題が発生することがあります。

5. **義足のメンテナンス**: 義足の保守やメンテナンスが必要で、繁忙期や予定外の修理が困難なことがあります。

6. **公共の場でのアクセス性**: バリアフリー化されていない場所では、義足を履いている人がアクセスしにくい状況が生じることがあります。

7. **服装の選択**: 義足を隠すために特別な服装を選ばなければならないことがあり、季節や場面によって制約が生じることがあります。

8. **自己イメージの変化**: 義足を履いていることによって自己イメージや自信に影響があることがあり、心理的な負担を感じることがあります。

9. **就業環境への適応**: 職場での適切な配慮やアクセス性が不足している場合、仕事においても困難を感じることがあります。

10. **健康面の注意**: 義足を履いていることで、足の皮膚の健康や循環に注意を払う必要があります。

これらの困りごとを軽減するためには、適切な義足の選択やフィッティング、心身のケア、環境の配慮などが重要です。また、専門家のアドバイスやサポートを受けることも役立ちます。

スクショで貼ると、画面上だと小さくなってしまうので、ChatGPTからの回答をコピペしましたが、ほぼ100点に近い気がします。7,8,10まで言及してくれるのはとてもありがたい。

「義足を履いている身体障害者の・・・」を自身の障害や障害特性に変えれば、いろいろな意見を教えてくれます。

ただ、同じ質問であれば同じ回答が得られるわけではないので、一人ひとり回答は違います。その違いも個人的には面白いです。

義足を履く障害者の働く上での合理的配慮

せっかくなので、働く上での合理的配慮も聞いてみました。


義足を履いている場合、企業は合理的配慮を提供することによって、あなたが最適な労働環境で働けるよう支援する必要があります。以下に、義足を履いている人が企業で働く上での合理的配慮の例をいくつか示します。

1. **バリアフリーアクセスと移動の確保**: オフィス内の通路や作業スペースをバリアフリーに整備し、障害物のない環境を提供することで、義足を履いている人の移動を容易にします。

2. **適切な作業環境の提供**: 作業ステーションやデスクの高さを調整して、快適な作業環境を提供することが重要です。また、必要に応じて特殊な座椅子やデスクを提供することも検討されます。

3. **休憩と移動時間の調整**: 義足の装着や調整に時間がかかることがあるため、休憩時間や出勤時間の調整が必要な場合があります。これによって、余裕を持ったスケジュールで業務を遂行できるようになります。

4. **適切な座席の提供**: 会議や研修などの場面で、適切な座席を確保することで、長時間の座り作業がしやすくなります。また、足を休めるためのスペースも確保することが重要です。

5. **緊急時の対応策**: 緊急時には避難や避難経路の確保が必要です。義足を履いている場合、避難経路や安全な場所へのアクセスを確保するための対策を講じることが重要です。

6. **業務内容の適正評価**: 義足を履いていることによって影響を受ける業務内容がある場合、その業務を適切に評価し、調整することが求められます。必要であれば、別の業務に変更するか、補助具を使用して業務を遂行できるよう工夫することも考慮されます。

7. **コミュニケーションと意識の向上**: 同僚や上司に対して、義足に関する特別なニーズや要望を遠慮なく伝えることが大切です。また、義足を理解し、配慮するためのトレーニングや教育を提供することで、職場全体の理解と協力を促進できます。

企業は、合理的配慮を提供することによって、障害者の従業員が能力を最大限に発揮できるようサポートすべきです。具体的なニーズや要望については、あなたの上司や人事部とオープンにコミュニケーションを取ることをおすすめします。

なるほど。特に5の防災観点は本人が忘れがち(自分だけ?)なところでもあったので、ChatGPTに聞いた自分のほうが勉強になりました。7つ出てきましたが、自分の困りごとがそのすべてではありませんし、5のように気づかなかったことも出てきます。「認知」「確認」という観点では使い勝手がいいものです。

また、今回は「義足を履いているんだけど」くらいのざっくりとした言葉ですが、細かく障害特性や困りごとを記載すれば、より具体的な意見が返ってくるかもしれません。

義足を履く障害者がキャリアを相談してみた

最後に、自分の障害特性にちょっと違う色を加えた「架空の人(自分の要素は25%ほど)」でキャリア相談してみました。


あなたの経歴やスキル、好みに基づいて、義足を履いている身体障害者でも適している可能性のある仕事のいくつかを以下に示します。これらの仕事は、過去の経験や資格、コミュニケーションスタイル、体力に合ったものです。

1. **ウェブコンテンツライター/編集者**: あなたの経験を活かして、ウェブサイトやブログのコンテンツを執筆・編集する仕事が考えられます。リモートワークやフリーランスの形態で働くことも可能です。

2. **コンテンツマネージャー**: ウェブコンテンツの管理や戦略立案を行うポジションです。過去の経験を活かして、チームと協力してコンテンツ戦略を進める仕事です。

3. **デジタルマーケティングスペシャリスト**: オンライン広告やソーシャルメディアを活用したマーケティング活動を担当する仕事です。コミュニケーションは主にデジタルチャットを通じて行われるため、対面でのコミュニケーション不安を軽減できます。

4. **テクニカルライター**: ソフトウェアやテクノロジーに関するドキュメントやマニュアルを執筆する仕事です。MOSの資格を持つことが役立つ場合もあります。

5. **デスクトップサポート/ヘルプデスク**: MOSの資格を持っていることから、IT関連のサポート業務が考えられます。チャットやオンラインツールを通じてユーザーサポートを提供するスタイルに適しています。

6. **オンライン教育コーディネーター**: オンライン教育プラットフォームで、コースの調整や学生サポートを担当する仕事です。コミュニケーションは主にチャット形式で行われるため、得意なスタイルです。

7. **ウェブデザイナー**: ウェブデザインやユーザーエクスペリエンスの設計を行う仕事です。経験を活かして、ウェブサイトの魅力的なデザインを作成することができます。

これらの仕事は、過去の経験や資格、コミュニケーションスタイル、体力などに基づいて選択肢として検討できるかもしれません。自分の得意分野と興味を踏まえて、新しい挑戦を受け入れることで、充実感のあるキャリアを築くことができるかもしれません。

業務経歴だけ年数は違えど自分と一緒ですが、パーソナリティは全部逆。資格は取ってない。でも、1,2,4,6の仕事はやったことがありますし(経験者として応募できそう)、3は挑戦してみたいかも。5と7は向いてません(笑)。

ということは、まあまあキャリアの方向性として合ってますし、自分のこれまでの仕事ってパーソナリティ的な部分で相性がいいと思ってましたけど、別にそうでもないんだと気づきました。

これも、自分の障害特性に合わせつつ、自分のやりたいことや持っている資格、ちょっとした性格面での不安などを書いてChatGPTに聞いただけです。それでも割とロジカルな回答を受け取ることができます。

まとめ

ChatGPTを使って自分のキャリアについて聞いてみましたが、障害特性やこれまでの経歴などを含めると、割といい回答をくれる存在です。論理的に教えてもらう意味では非常にありがたいツールと言えそうです。

ただ、この「パラちゃんねるカフェ」のように、当事者性が伝わってくるものではないですし、まだまだ感情面に寄り添った回答を伝えてくれる(気遣いができる)わけではありません。情報収集の使い分けは大切です。

とはいえ、使い勝手のいいツールだと思えば、使いこなせる方がいいのは間違いありません。ぜひ一度、使ってみてください。これは無料版(ChatGPT3.5)で十分です。本当はもうちょっと教えたくなる「ChatGPTへの問いかけ方」がたくさんありますが、そこは企業秘密とさせてください。

1985年生まれ。生きづらさを焦点に当てたコラムサイト「プラスハンディキャップ」の編集長。
生まれつき両足と右手が不自由な義足ユーザー。年間数十校の学校講演、企業セミナーの登壇、障害者雇用コンサルティング、障害者のキャリア支援などを行う。東京2020パラリンピック、シッティングバレーボール日本代表。

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