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今年はパラリンピックイヤー!まずはパリの出場権を獲る!

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2024.1.27

2024年はパラリンピックイヤー。8月28日から9月8日までの12日間、フランス・パリでパラリンピックが開催されます。シッティングバレーボール男子日本代表はパリへ残された最後の1枠を獲得するために、4月に開催される世界最終予選に向けてトレーニングを進めています。

執筆:佐々木 一成 Kazunari Sasaki

2024年はパラリンピックイヤー。8月28日から9月8日までの12日間、フランス・パリでパラリンピックが開催されます。東京2020パラリンピックからの連続出場を目指し、シッティングバレーボール日本代表は4月に開催される世界最終予選に出場します。

開催国枠で出場した前回大会とは違い、今回は出場権を自力で勝ち取らなくてはなりません。試合に勝って出場権を得られたならば、それは2008年の北京大会以来のこと。ワンチャンスをモノにできるか、トレーニングに打ち込んでいます。

▲シッティングバレーボール男子代表が合宿を進めるナショナルトレーニングセンター


世界最終予選は、パリパラリンピックの出場権を持っていない国のうち、世界ランク上位の8ヶ国が出場できる大会です。昨年11月にエジプトで開催されたワールドカップの結果を受け、日本が世界ランク10位になったことで、最終切符を獲得するチャンスが生まれました。とはいっても、残り1枠を賭けた厳しい大会になります。

私自身、世界最終予選の出場は、2016年のリオデジャネイロパラリンピックの時に経験していますが、当時はまだ代表に選ばれたばかりで、出場機会もわずかだったので、ベンチから応援している立場だった記憶があります(それじゃダメなんですが)。

今回は直近の国際大会の出場から得た経験をベースに、コートの中でも、ベンチからでも、チームの勝利に貢献するために何が大切かは心得ているつもりです。残り2ヶ月半ほどで、できうる全てのことをやり、初戦を迎えられればと思っています。

※アフリカ地区の予選がまだ終わっていないので、世界最終予選に出場する国が確定していません(原稿公開時)。

※WPVの公式写真から引用。


東京2020パラリンピックの時は、レシーブ専門のリベロというポジションでした。いわゆる「後衛」にしかいない選手。スパイクを打つこともなければ、ブロックに入ることもありません。世界で最も背が低い選手ではないか?と感じるほどに「チビ」な私にとって、背の高さがそこまで影響しない、目指しやすいポジションではありました。

そんな中、今ではスパイクを打つこともあれば、ブロックに入ることもある、「前衛」のポジションに入るようになりました。背が高くなったわけではありません(むしろ年齢の影響か低くなった気さえします)。

選手がいないのか(層が厚くないことは事実です)と思ってしまう部分もありますが、スパイクスピードの最高速が1年で20km速くなったり、両足不完全という障害なのに足を使って動くことができるようになったりと、身体の使い方が上手くなったことに起因していそうです。

パラアスリートは一般的なアスリートより競技寿命が長いように感じます。アスリートの絶対数が違う、若いパラアスリートがさほど多いわけではないなど、競技人口面での背景は大きいと思いますが、障害のある身体が自分に馴染むまで時間がかかる、つまり、自分にとって適した身体の使い方を見つけるまでに時間がかかる分、馴染んでしまえば競技寿命が延びるのではないかと考えています。

私自身、30代前半より後半を迎えた今のほうが質の高いパフォーマンスを発揮できていると思います。スパイクスピードなど、定量的に測れるものを見てもそれは明らかです。

パラリンピックの精神でもある「失ったものを数えるな、残されたものを最大限活かせ」という言葉にもある通り、障害のある身体と向き合い、どうすれば最大限使うことができるのかを考えれば考えるほどに、ポテンシャルが発揮できているのではないでしょうか。

正直、今は自分の身体を研究することが面白くて仕方がありません。

※WPVの公式写真から引用。


とはいえ、自分のことだけを誇っていても、パラリンピックの最後の切符が獲得できるわけではありません。自分を最大限に持っていき、チームを最大限に持っていき、相手にすべて勝って初めて切符を勝ち得ることができます。

パラリンピックの表彰台を目指すと言いたいところですが、まだ、私たちにはそこまで言う資格はありません。パリへの切符を獲得するために、残された期間、悔いなくトレーニングし、世界最終予選に挑戦してきます。

応援、よろしくお願いいたします。

1985年生まれ。生きづらさを焦点に当てたコラムサイト「プラスハンディキャップ」の編集長。
生まれつき両足と右手が不自由な義足ユーザー。年間数十校の学校講演、企業セミナーの登壇、障害者雇用コンサルティング、障害者のキャリア支援などを行う。東京2020パラリンピック、シッティングバレーボール日本代表。

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