発達障害の精神保健福祉士が語る障害者雇用における職場適応のコツ3選

発達障害の精神保健福祉士が語る職場適応のコツ3選のタイトルとメガネをかけた男性のイラスト。

今回は、障害者雇用枠で働く人や、障害者を雇用をしていく予定の企業の方へ向けて、発達障害の当事者かつ、精神保健福祉士の私が職場適応するためにしてきたことをお伝えしていきます。

発達障害とトゥレット症候群を持つ私の就労経験

私は発達障害、トゥレット症候群があり、精神障害者保険福祉手帳の2級を保持しています。一般企業の障害者雇用枠で就労して7年が経ちました。これまではいわゆるオフィスワークを中心に管理部、人事部、営業サポート部などに所属した経験があります。

2023年11月現在の民間企業の障害者の法定雇用率は2.3%ですが、2026年には2.7%まで段階的に引き上げられることが決定しています。

今回は、障害者雇用枠で働く人や今後、障害者を雇用をしていく予定の企業の方へ向けて、発達障害の当事者かつ、精神保健福祉士の私が職場に適応するためにやってきたことをお伝えしていきます。

業種や職種、職場環境などによって変わることもありますが、なるべくどんな職場でも応用できるようなことについて書いていきたいと思います。

障害者の雇用率と雇用者数を示すグラフ。年度ごとに精神障害者、知的障害者、身体障害者の数が積み上げられ、実雇用率が線で示されている。
厚生労働省 令和4年 障害者雇用状況の集計結果より引用

① 「まぁいいか」を排除する

一つ目は「まぁいいか」を排除することです。

具体的には、わからないことがあったり、違和感があったりするときに勝手に自分で判断せずに、上司に相談するということです。

例えば、業務について伝えられた手順通りにこなしていても途中で疑問を持つことがあると思います。それが明らかに大きな疑問であれば誰でも質問するでしょう。

一方で、主観的にはどうでも良いような些細なことであった場合、「まぁいいか」とか「上司は忙しそうだし」と言うような理由で質問を怠ってしまいたくなります。

しかし、そこはきちんと相談すべきです。主観的には些細なことであっても、企業としては大切なことであるケースは多々あります。相談せずにミスをしてしまうと、これまでの作業が無駄と化してしまいますし、それを指摘する上司側にも悪印象を与えてしまいます。

どんな仕事をしているかにもよりますが、私がこれまで働いてきた職場では、正確さよりもスピード感を求められることは少なかったです。たとえ時間がかかっても疑問は全て潰して、正確で丁寧な業務を心がけることが大切だと感じます。

②挨拶をするときは笑顔を心がける

二つ目は挨拶するときに笑顔を心がけることです。

笑顔でのコミュニケーションが人間関係を円滑にすることを理解していたとしても、それがなかなかできない発達障害当事者は多いと思います。かくいう私も苦手です。

そこで私は「挨拶のときは必ず笑顔でいる」と決めています。具体的には「おはようございます」と「ありがとうございます」と「お疲れ様でした」を言うタイミングです。

あらかじめ「この言葉を言うときは笑顔」というルールを決めておくと、習慣化しやすくなります。

「人と接するときは常に笑顔」というようなルールにしてしまうと、なかなか達成が難しくなってしまいますが、挨拶のときだけならハードルが下がります。毎日の習慣に少しずつ取り入れていくことで、意識せずとも自然と笑顔が増えてゆきます。

スマイルマークが描かれた看板を持つ赤い髪の人物のイラスト。

③もしもの時のための選択肢を知っておく

三つ目は、もしもの時のための選択肢を知っておくことです。

例えば仕事でミスをしてしまったときや体調不良で仕事を数日間休んでしまったときなどは「もしかしたら、クビになってしまうかも?」と不安が脳裏をよぎることがあると思います。

不安は人間の心を大きく疲弊させます。不安に飲まれ、さらに心身を壊してしまわないように、もしもの時のための選択肢を知っておくことが大切だと思っています。

さきほどの例なら、「もし、今の職場をクビになってしまったら受けることのできる公的扶助」を正しく理解しておくことで不安を減らすことができます。

一般的に就労期間の短い自己都合退職だと失業保険は受給できないと言われていますが、これは一般の労働者の場合で、障害者などの就職困難者の場合は一般受給者と比べて条件が緩和されています。

失業保険は放っておいても自動的に振り込まれることはありません。ハローワークに行き、自分で申請して初めて受給できる可能性が出てきます。

私の場合、「今の状況なら、最悪このまま仕事を辞めてしまっても150日間は失業給付をもらえるだろう」と思うことが精神的な余裕につながり、働く上での不安を減らしてくれました。

「もしもの時の選択肢」を知っておくことは、健全な精神状態で働くことへの助けになると感じています。

まとめ

今回は障害者雇用枠で7年働いてきた発達障害当事者の私が職場に適応するために心掛けてきたことを3つご紹介しました。これらは全て私が実際に苦労しながら工夫してきて大切だと感じたことです。

私は業界や職種、職場環境に左右されない、職場に適応するためのコツはあると思っています。実体験で学び、身につけたことは職場適応のみならず生きていく上で大切な知恵となります。

今回の記事が、読者の方達が自分に合った就労のコツを見つけていくヒントになれば嬉しいです。

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ABOUT ME
トゥレット症候群を持ち、一般企業の障害者雇用枠にて労働しております。トゥレット症候群のこと、発達障害のこと、精神疾患のことなどを多くの人に知って欲しくて自分にできることを探し中。精神保健福祉士、保育士、ファイナンシャルプランナーでもあります。