私が抱えているてんかん障害とはどんな障害か?
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2024.2.29
私は17歳からてんかん発作が起きるようになり、22歳のときに病院で「てんかん」と診断されました。今回は、私が抱える「てんかん」とはどのような病気なのかについて、改めて皆さんにお伝えしたいと思います。
執筆:小泉 将史
私は17歳からてんかん発作が起きるようになり、22歳のときに病院で「てんかん」と診断されました。
てんかんとは、突然意識を失って反応が無くなるなどの「てんかん発作」を繰り返す病気のことです。
今回は、私が抱える「てんかん」とはどのような病気なのかについて、改めて皆さんにお伝えしたいと思います。
てんかん障害とはどんな障害か?
「てんかん」は、脳の異常・過剰な活動によって、発作が繰り返して起こる病気です。てんかん発作は、脳のどの部位で異常、または過剰な活動が起きているのかによって症状が変わり、脳全体に起こる「全般てんかん」と脳の一部分から始まる「部分てんかん」があります。
また、てんかん発作の起きる原因も人によって異なり、脳の基礎疾患や脳の一部が傷ついたことからくる「症候性てんかん」と、検査しても異常が見つからない原因特定が困難な「特発性てんかん」があります。
てんかん障害にはどんな症状がある?その治療法は?
てんかんの症状は様々で、筋肉の「けいれん」(運動症状)や異臭(感覚症状)、鳥肌(自律神経症状)、恐怖心(精神症状)がでたりします。そして、てんかん発作が起きると意識消失したり倒れたりします。
てんかんの治療法は主に薬物治療です。寛解という病状が治まった状態を目指して、薬物療法で発作をコントロールしていきます。薬物による発作のコントロールが難しい場合は「難治性てんかん」と呼ばれ、手術を検討することもあります。
私のてんかん障害の症状と治療法
上記で少し触れましたが、私の場合は17歳から発作が起きるようになりました。私のてんかんは、脳全体に起こる「全般てんかん」で、原因特定が困難な「特発性てんかん」でした。
筋肉のけいれんが起きるなどの運動症状と同時に、視覚や聴覚、嗅覚などに感覚症状が起きてきます。運動症状や感覚症状だけでなく、自律神経や精神にも症状が現れます。ゾワゾワと悪寒がして鳥肌がたったり、既視感や恐怖心が生じたりしました。
17歳の時に起きた1回目か2回目の発作では、異常な青白い発光が見えるようになり、キーンという強烈な耳鳴りがして、鉄の焼ける匂いがしました。これらの感覚症状から始まり、次にゾワゾワと悪寒がして鳥肌が立ち始め、既視感や恐怖心が生じて意識消失に至る、というものでした。
23歳の時に発作を起こしている私を見た友人達によると、筋肉のけいれんを起こして泡を吹いていたこともあったようです。自分がけいれんを起こして泡をふいているということは、友人達に教えてもらって初めて知りました。1人でいる時に意識消失しても、自分にどのような症状が出ているのかわからないからです。
私の場合は主に薬物療法でてんかんの治療を進めていきました。発作の頻度からすると「手術の必要はない」と医師に言われたので、手術はしていませんでした。
健常者の方の中にはてんかん患者というのは「意識消失したり、倒れなければ健常者」だと勘違いされている方もいらっしゃるのかもしれませんが、小康状態から意識消失したり、倒れるまでにはプロセスがあります。
私の場合、毎日意識消失をしたり、倒れたりするわけではないのですが、発作によって意識が朦朧としたり混濁したりすることが日常茶飯事で、働くことはおろか基本的な日常生活動作が困難な状態になっていました。
補足ですが、座っている状態で意識消失しても倒れることはほとんどありません。なぜなら座っているからです。満員電車の車内で立っているときなどの座ることができない状況で意識消失すると、倒れることを余儀なくされます。
現在の私とてんかん
私は27歳以降、意識消失発作によって倒れることはなくなりました。37歳でようやく安定した仕事に就職できるようになりましたが、そこからも二次障害のてんかん性精神病によって主に精神症状、自立神経症状、感覚症状に悩まされています。
現在、私は41歳でてんかんは部分寛解と医師に診断されて断薬しているのですが、二次障害の症状は今も続いています。
職場では対人関係が思うように築く事ができず、苦労する場面がありますが、なんとか続けることができていて今年の春で入社9年目を迎えます。今はてんかんの診断が部分寛解から、より改善された状態である寛解にならないものか、と願っています。