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在宅勤務って細かく時間管理される必要はありますか?納期提出じゃダメですか?

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2023.6.17

以前、わたしは「在宅勤務なら、自分のペースで仕事ができるものだろう」と思っていましたが、実際はなかなかそうはいかない様子。今回は在宅勤務中の仕事の進め方について考えていきたいと思います。

執筆:真野 いずみ

以前からわたしは「在宅勤務なら、自分のペースで仕事ができるものだろう」と思っていましたが、実際は毎日仕事の進捗報告をすることで、管理されていることが多い(自分のペースではできない?)と知りました。

今回は在宅勤務中の仕事の進め方について考えていきたいと思います。


以前、障害者雇用枠で勤めていた職場は、上司や先輩が忙しかったこともあり、仕事の細かい進捗管理は求められていませんでした。

在宅勤務も出勤日も、当日に「これをやってね」と仕事を振ってもらい、それを一つずつ終わらせていました。仕事内容によっては、指示をもらった時点で「難しそうですがどうしますか」と確認していましたが、仕事の進め方などを細かく指定されることはあまりなかったです。

次の職場では障害を伏せて非正規雇用のパートとして勤務しました。ここでは、締切の決まった仕事が複数あり、それぞれの担当者とやり取りしながら、同時並行で進めていく必要のある環境でした。ある程度、自分で仕事の進捗管理をする必要があります。

この職場で勤めていた時期は、最初のコロナワクチンの接種が始まり、感染者数も多かった頃です。正直、「この仕事は家でもできるのでは?」や「満員電車に乗りたくないな」と思うことはよくありました。

正社員の皆さんは在宅勤務や家族の事情での時短勤務が許されていましたが、情報漏洩の可能性があるという理由でパートや業務委託の人は全員出勤が義務付けられていました。

わたしはADHDとASDの両方の特性があり、過集中と飽きっぽさがランダムに現れます。特に苦手なのが単純作業で、別のことで気を紛らわせていないとなかなか難しいのです。

出勤している状態だと、たとえば、音楽を聴いたりちょこちょこ動いたりして気を紛らわせながら仕事をすることも、ノイズキャンセリングイヤホンをつけて過集中で一気に終わらせることもできません。

「仕事に集中して、一気に終わらせることはできるんじゃないか?」と思われるかもしれませんが、結果的には違う仕事が振ってくるので、タスクがなくなることはありません。

在宅勤務であれば「この日時までにこれをここまで仕上げてね」という指示に間に合わせるだけでいいので、この悩みは解決します。「在宅勤務の人は、歌いながらやろうが、YouTubeを見ながら作業しようが、自由で羨ましい」と思っていました。

ところが実際に在宅勤務をしている人の話を聞いてみると、そこまで自由でもないことが多いと知りました。必ずその日の進捗を報告することで管理することが多いようです。

これでは「障害特性の影響で3日間寝込んでいたけれど、残りの2日で仕上げる」や「今日はずっと机に向かっていたけど頭が回らなくて進捗できなかった」は許されません。

障害者、とくに発達障害や精神障害の人には体調や仕事の調子に波があることがかなり多いため、仕事の進め方まで細かく指定されてしまうと、自分のペースを作りやすいと思っていた在宅勤務が叶ったとしても、症状が辛い時にも働かないといけなくなり、体調の悪化に繋がりかねません。

毎日の進捗報告や時間管理が必要なのは、そうしないとサボる人がいるからかもしれません。でも、調子が悪い、動けないのはサボりではありません。

実際、わたしは2個目の職場で、低気圧の日に「今日出勤して○○の作業をしたら間違えるけど他に仕事あったかな」と思いながら出勤したことは一度や二度ではありません。調子が悪い日に仕上げた仕事でちょっとしたミスが頻発し、差し戻されたことも何度もあります。これは仕事を管理する側とわたし、双方にとって無駄です。調子のいい日にやれば確認もすぐに終わる仕事を渡せるのに…。


納期までに仕事を仕上げることは当たり前なので、進捗確認についてはそこまで厳しくしないようにしてほしいというのはおかしな話なのでしょうか。もちろん、作業中にわからないことがあれば確認する、絶対に納期には間に合わせる、報連相は怠らない、という前提のもとです。

実際、この原稿は納期を設定されてから1週間ほど経ってから書き始めています。この後推敲をして提出するまであと数日かかるでしょう。それでも、前倒しで提出できるのではないかな、と思っています。

「じゃあ、雇われないで業務委託でフリーランスをやったら?」ということに関しては、少し論点が変わってしまう気がします。フリーランスについては、このサイトでも他のライターさんが難しさについて教えてくださっていますし、私はあくまでも在宅勤務の進め方について話しているつもりです。

「どんな職種でも在宅で納期までに仕上げればいい仕事が増えると助かるなあ」と思います。

ゆとり世代のADHD・ASD。
機能不全家庭で身体的・精神的虐待を受けて育ち、抑うつや極端な体力の少なさといった後遺症と折り合いを付けながらライターとして働いています。趣味はプロレス観戦と読書。

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