ADHD当事者とのコミュニケーション
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2021.4.6
「なんでわかってもらえないんだろう?」「理解してるか心配…」
ADHD当事者とコミュニケーションをする中で、このように感じたことがある方はいるでしょうか?コミュニケーションは働く上で重要なので、うまくいくかどうかで働きやすさが大きく左右します。今回は、そんな当事者との円滑なコミュニケーションのコツを解説します!
執筆:ぴーちゃん
ADHD当事者のコミュニケーションにおける特性
ADHDのコミュニケーションに関する特性は、
・話すぎてしまう
・空気を読むことが苦手、暗黙の了解が読み取れない
・思ったことをそのまま言ってしまう
・冗談や嘘を間に受けてしまう
など様々なものがありますが、中でもよく当事者が困る特性の1つとして「曖昧な表現が苦手」といものがあります。
曖昧な表現とは、「あれ」「適当」「だいたい」などの抽象的な指示語のこと。
これらが何を指しているのかがわからず、パニックになってしまう場合もあります。
しかし、「わからない」ということを伝えたいのに頭の中が混乱してしまい、どのように伝えればいいのかもわからず、結局なにも言えないまま…というパターンは少なくありません。
こうなってしまうと、お願いした側・お願いされた当事者側どちらもモヤモヤしてしまいますよね?
not当事者が知っておきたい注意点
こういったコミュニケーションを改善していくためには、まずなにか伝える場合は必ず具体的に伝えることを心がけましょう。
また、特性によって自分の意見や思いを伝えることが苦手で、頼まれごとを断れないという人も少なくありません。
当事者である私自身も同じ特性をもっており、タスクが山積み、もしくは体調不良の場合でも頼まれごとを断れず、結局なにもできずに怒られてしまった…なんてこともたくさんありました。
これらを防ぐために、断りにくい頼み方をなるべく避けることが有効です。「無理やり押し付ける」というのは障害の有無にかかわらず、コミュニケーションがうまくいかない原因になってしまいます。
また、何か意見を聞きたいときに当事者が口ごもってうまく伝えられず、焦っているような場合は
・「後で紙に書くか、メールで伝えても大丈夫だよ」
・「あとでもう1回聞きにくるから、落ち着いて考えておいて」
などの声かけをするのもオススメです。
ついつい時間や効率を考えてめんどくさい…と思ってしまうかもしれませんが、うまく伝わった場合と伝わらなかった場合の仕事効率を考えたら圧倒的に前者の方がよいですよね。
気をつけたいポイントとして、「発達障害者だから/ADHDだから」というラベルで接するのではなく、「誰にとっても伝わりやすく」という気持ちでコミュニケーションをとることが大切です。
すべての人がコミュニケーションを円滑にとれる環境づくりのために、今回の記事がヒントになればと思います。
Text by
ぴーちゃん
1997年生まれ。Webメディア・パレットーク所属のイラストレーター。主にTwitterでADHDや発達障害について4枚の漫画やイラストでわかりやすく紹介しています。ADHDとうつでサバイブしてきた自叙伝 『ぴーちゃんは人間じゃない?』 書籍発売中
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