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日本にたった10人ー希少疾患「若年性ヒアリン線維腫症」の私が伝えたいこと

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2021.7.23

初めまして!
パラちゃんねるカフェでコラムを書かせていただくことになりました、小林香織です。
私は重度の身体障害があり、電動車いすに乗って生活をしています。

まず初回は、私の障害についてと、どんなことに苦労しているかを書いていきたいと思います。

きっと初めて目にする病名だと思うので、「こんな病気もあるんだ」ということを知っていただけたら嬉しいです。

執筆:小林 香織 Kaori Kobayashi

日本に10人いるか、いないかという希少疾患

私は「若年性ヒアリン線維腫症」という病気なのですが、日本で10人にいるか、いないかというかなりの希少疾患となります。
その症状は個人差があるのですが、私は主にどのような症状があるのかを説明しますね。

1.全身に腫瘍ができてしまう
指・肘・膝などの関節部分を主に、顔や口腔内など全身に大小さまざまな腫瘍ができてしまいます。これは突然腫れるのではなく、例えばペンを持つ圧力で指が腫れたり、柔らかい枕に頭が毎日こすれたりするだけで腫瘍ができてしまいます。

少しずつ時間をかけて腫れていくことが多いため自分でも最初は気付かず、少し大きくなってきて「あれ?こんな所が腫れていたっけ?」となります。

2.関節を曲げたり伸ばしたりできない
私の場合は、肘・膝・股関節が90度に曲がっていて、それ以上は伸ばすことも曲げることもできません。そのため、手足の可動範囲が狭く、半径30センチくらいの所しか手が届かない状態です。

苦労していること

先ほど書いた通りかなりの希少疾患であり、世界でも50例ほどしか症例がなく、治療法に関しても何が正しいか全くわからない状態です。そのため、当事者が治療について悩んで判断していかなければいけない部分が多くあります。

町医者だけでなく総合病院レベルでも病名を知っている医師はほぼおらず、初診の場合などは病気を理解してもらうのに、1から説明しなければいけません。

私は腫瘍ができても痛みがないことが多いのですが、それでもだんだんと大きくなると膿んだり痛みが出たりすることがあるので、その都度、局部麻酔で腫瘍を取り除いています。

また、この病気は難病にあたるのですが、あまりに症例がなく希少すぎるため、国が認定する「指定難病」に認定されていません。認定されていないことで、治療方法の研究は全く進んでいない状態です。

これからパラちゃんねるの場所をお借りして

一見すると「大変そうだな…」と感じるのではないでしょうか。私も自分を客観的に見たら、同じ感想を持つと思います。だけど、個人差で症状の違いが大きいため一概には言えませんが、私の場合はけっこう気楽に毎日を過ごしていたりします。

そう思えるのも、家族やヘルパー、友人や職場の方々の理解やサポートがあるおかげです。自分の生活のしやすさと、周りの負担が増えないようにするにはどうしたらいいか、試行錯誤しながら楽しんでいきたいです。

これからパラちゃんねるの場所をお借りして、具体的にどのような生活をしているか、どんな仕事をしているかなど、色々と書き綴っていけたらと思います。

そして、世の中には色んな病気や障害があること、色んな生き方があることを少しでも知ってもらえたら嬉しいです!

1985年生まれ。日本に約10人しかいない先天性の希少疾患「若年性ヒアリン繊維腫症」という病気のため電動車いすで生活する。デザインの仕事をメインに活動中。ポジティブ・アクティブがモットー。音楽と美味しいものがあれば幸せ。
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