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うつ病の検査で入院したら閉鎖病棟だった話

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2023.2.1

はじめまして。城崎ミトと申します。

私は新卒で就職した年にうつ病を発症。後にADHDとASDであると診断されました。現在はライターと図書館パートを兼業しながら、自分らしい生き方を模索しています。

この記事では「うつ病検査」についてお話しします。私はうつ病検査を受けるために1週間ほど閉鎖病棟に入院しました。そしてADHDとASDであると診断を受けたのです。

「うつ病検査は何をするの?」
「閉鎖病棟ってどんなところ?」

この2つのテーマで書いていきます。

執筆:城崎ミト

うつ病検査とは「うつ病の原因を調べる」検査

うつ病検査とは「うつ病の症状があるけど、具体的にどこが悪いのか詳しく調べよう」というものです。

というのも、うつ病だと思ってよくよく調べてみたら、身体疾患が原因だったというケースもあるのだとか。例えば脳腫瘍などの重大な病気や睡眠障害などの症状。これらもうつ病に似た精神状態を引き起こすことがあります。

当時どんなに抗うつ薬を増やしても症状が一向に治らなかった私は、藁にすがりつく思いで検査を受けることにしました。

実際に私が行った検査を一部記載します。

● 血液検査
● 心理検査
● レントゲンや心電図
● 光トポグラフィー
● 簡易PSG

光トポグラフィーとは、うつ病の診断を補助してくれる検査です。簡易PSGは睡眠時無呼吸症候群であるか判断するためのもの。検査を受けて初めて知ったものばかりでしたが、担当医さんや看護師さんから丁寧に説明していただきました。

スケジュール自体はとってもゆっくりで、1日1検査しか行わなかったり土日は検査がお休みだったりしました。療養も兼ねていたようです。

閉鎖病棟は場所によって環境が異なる

スタッフ「実は今はコロナ対策で閉鎖病棟に入院することになってるんです」
筆者「へ〜そうなんですか!……はい?」

みなさんは閉鎖病棟にどんなイメージをお持ちでしょうか。少なくともこの時の私にはとてつもないパワーワードに聞こえました。電話で検査の予約をした際、スタッフの方から入院先は閉鎖病棟であることを説明されたのです。

「はい!大丈夫です!」と答える私。電話を切った後にスマホで慌てて閉鎖病棟への入院について調べ始めました。

閉鎖病棟に入る時には荷物の制限があります。例えばカミソリやハサミといった鋭利な道具は持ち込めません。今回の入院先ではスマホや電子機器の持ち込みはOKでしたが、病院によっては禁止しているところもあるのだとか。疑問が浮かぶたびにホームページや電話で確認して、着々と荷造りを進めていきました。

閉鎖病棟にはなんだか怖いイメージがありますが、実際の入院先は清潔で広々としてました。イメージは老人ホームみたいな雰囲気です。大きな窓もあり、外の様子がよく見えます。

極めつけはフロア内にWi-Fiが通っていました。情報は開放的です。

しかし知人が入院した閉鎖病棟は「雰囲気が悪くて心が休まらなかった」と言っていました。入院先で環境はまるっきり異なるのだと思います。自分は運が良かったのだと、過ごしてみてつくづく感じました。

もし閉鎖病棟に入院することを検討されている方は、余裕があれば病院内の環境についてよく調べることをオススメします。

意外と快適?実際に閉鎖病棟で過ごしてみた感想

入院先はいくつかの棟に分かれており、そのうちの1つが閉鎖病棟となっていました。階層ごとに病室のフロアの出入り口があり、患者が行き来できないようドアに鍵がかかっています。

病室に入る前に担当医との面談。さらに看護師さんに入院についての説明と荷物の中身確認を受けます。準備が終われば、いざ閉鎖病棟へ。

自分が入った病室は個室で、シャワーとトイレがありました。扉は内鍵も外鍵もなく、フロア内であれば自由に歩きまわれます。散歩してみると4人の大部屋や、強固そうな外鍵がついている部屋もありました。患者に合わせて部屋を変えてるようです。

ロビーでは10代であろう女の子が4人くらい集まってお話をしていたり、おばあちゃんがテレビを眺めていたりしました。エアロバイクをこいでるおじいちゃんも度々見かけます。

ご飯は決まった時間にロビーへ台車で運ばれて来ます。患者さん達が列を作って1人ずつお盆を受け取っていくのです。

「思った以上に穏やかな場所だな」というのが正直な感想でした。好きにフロアから出入りできない以外は本当に普通の入院みたいでした。

たまに凄い叫び声が聞こえることもありますが、基本的に患者さんは落ち着いているように見えます。それでも看護師さんにたずねると、入院しているほとんどの方が日常生活を送ることが難しいのだとか。自分も一時期は寝たきりになっていたので、他人事のようには思えませんでした。

入院中は私も症状が安定せず感情に波があったので、他の患者さんと話すことはしません。検査がない時は個室にこもり、持ち込んだiPadでひたすら絵を描いたり日記を書いたりしてました。よけいな物や音がないぶん、集中して取り組むには最適な環境です。引きこもりの本領を発揮しました。

うつ病検査を受けて選んだ兼業という働き方

そして1週間検査入院をした結果、私は発達障害と適応障害であると診断されました。「うつ病は寛解してるけど、発達障害がきっかけで今は適応障害になっているのでは?」というのが担当医さんの見解だそうです。

そこで今まで「正社員として働かないとダメだ」と考えていた私は、「そもそもOLやフルタイムで働くことに向いてないのでは?」という思考にたどり着きました。うつ状態が治っても、ストレスを強く感じる環境にいれば再発するのは当然のこと。なら場所にとらわれない仕事を選べばいいと思ったのです。

こうして検査入院をきっかけに、私はライターをしながらパートをする働き方に落ち着きました。

なかなか改善しない人は、検査入院を受けてもいいかも?

もし「病院の診断や健康診断では問題ないのに、症状が改善しないよ」という方がいましたら、うつ病に特化した検査をしてみるのもアリだと思います。実際、私も前頭葉の脳波を調べたことで「間違いなくうつ状態である」ということがわかりました。そして発達障害であることが明らかになりました。

もちろん他の身体検査でも調べられるものがほとんどですので、自分が受けたいと思ったところで検査を受けるのが1番だと思います。入院するものもあれば1日で終わるものもあります。予定に合わせてご検討ください。

1つだけ言えるのは「うつ病も検査を受ける立派な理由になる」ということです。

気分の落ち込みや体のだるさは、休めば治ると思われがち。しかし、うつ病は脳の病気でもあります。舐めておけば治るようなものではありません。

この記事が少しでもお役に立てることを、切に願っております。

ライターと図書館パートを兼業しているクリエイター。正社員になり1年目でうつ病を発症。休職や転職を繰り返した末に発達障害であることを知る。趣味は一次創作。イラスト、文章、動画、BGM、フリーゲームなど作れるものは何でも気合いで作る。

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