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ADHDの適職について(アルバイト編)

ADHDにオススメできない仕事とは?

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2021.11.8

ADHDの適職について…「正社員になれるか」「生計を立てられる仕事になるか」なんて、自分でも分からない。むしろ僕が教えて欲しいくらいに今まで悩んできました。

でも、アルバイトであれば、少しくらいはこういう戦略で仕事を選んでいけば、大コケはしないだろうなというのが分かってきた気がします。

今回のコラムは、僕の体験談や考えを中心に、ADHDでもこの仕事や職種であれば活躍しやすい・心が穏やかに仕事が出来る可能性が高いのでは?というものをお伝えしたいと思います。

※ADHD傾向の人全員が向いてないというものではありません。また、特定の職種について必ずしも「こうである」というものでもありません。職場環境や人間関係によっては変わることもあります。あくまでも僕が感じたことなので、頭の片隅にでも、「ふーん、そっか」くらいの感じで参考にして下さいね。

執筆:マーチン Martin

まず、自分の経験上ADHDがやっちゃダメと言える位の2大仕事は、

  • 居酒屋、飲食店のホール店員
  • コンビニ店員

共通して言えるのは、待ったなしのマルチタスクの連続で臨機応変命の仕事であること。

ある程度の復習や端末の操作方法を覚えるトレーニングは出来ても、それ以外は“慣れ"中心になってしまい、イレギュラーなんて練習しようがない。

「えっ!?クレジットカード支払、やっぱりキャンセル??」

「返金処理!?お客さん怒ってるから早くしないと、でもどうやるんだっけ…」

「税金の支払?この種類の支払やったことない!!」

「レジあと2人並んでるのに、コーヒーメーカーが壊れた!って、うわーどうしよう…」

「えっ、キャンセルと味の変更!?えーっと、まず端末のどこ押せば良いんだろ…」

ワーキングメモリが小さく、マルチタスクが苦手なので、こんな場面に遭遇してしまうと頭の中が真っ白で身体の震えが止まらなくなる。口からは「えっーと」と、「すみません。少々お待ちください」しか出てこない。

見かねた先輩やら店長が出てきて、「もういいわ、俺やるで」と強制交代。

あの時を思い出して書いているだけで、お腹がキリキリと痛む(苦笑)

慣れれば、またはある程度の経験を積めば、確かに仕事を出来る様にはなるかもしれない。しかし、それ以上に失うものであったり、心に負荷がかかり過ぎてしまう恐れがあるのなら、自分の中の適職リストから外した方がいいと思う。

それでも、「自分なら出来るかも!」と思うなら、今なら短時間や週1でも出来るアルバイトもあるので、とりあえず経験しておくのも逆に良いかもしれない。

自己肯定感ボロボロになる深手を負う前に辞めていれば、今後の就職において「この業務内容だとアルバイトでからっきしダメだったから避けておこう」と肝に命じられるからね。

例えるなら、誰しも1度はやったことのあるであろうゲーム「スーパーマリオブラザーズ」を思い出してみてほしい。

ここでジャンプしないと穴落っこちるな。

敵の攻撃が止んだこのタイミングでダッシュだな。

あの感覚。いわゆる「死に覚え」。

ミスせずに学習出来れば苦労はしないけど、ADHDは中々そうともいかない。

致命的なダメージになる前であれば、ミスしながらも学習していく「死に覚え」も一つの戦略になると思う。

経済的に厳しくなって、いざ働かなくてはいけないときに、ガッツリ上記のバイトを始めるも大失敗…となっても、辞めるに辞められず目も当てられないから。

そうして、自分のこれまでの人生の経験から、【不得意/向いていない仕事】をあぶり出して避けていく戦略も大切だと思う。

働いたことがなくても、
「中学のキャンプ実習で自分が何したらいいか分からずボーッと立ってたら、班長にキレられたなぁ」という経験があるなら、チームプレー重視の職場や仕事は外してみる等、擬似体験から戦略を立てることも十分にできる。

フラッシュバックで凹みそうなら無理をしないで(笑)

今、雇用環境は多少厳しいと言えど、まだまだ世の中には多数の仕事があり、その中から【不得意/向いていない仕事】を応募リストから外していっても無くなりはしない…はず。

【図1】気になる仕事はどこに当てはまる?

たとえば、気になる仕事を上記の図1の【得意/向いている】【得意/向いてない】【不得意/向いている】【不得意/向いていない】のどこに当てはまるか、入れてみてほしい。自分にとって、得意かつ、向いている(図1で【得意/向いている】)仕事を見つけて、採用されれば文句なく最高だけど、現実はそう簡単にはいかない。

ADHDに向いている職業というものをネットで探してみても、
・CGアニメーター
・新聞記者
・インテリアデザイナー
・消防士
・書道家
・学者

…中々ハローワークや求人情報誌、転職サイトでお目にかかる様な職業ではない。

だからこそ、まずは自分にとって【不得意/向いていない仕事】は何かを考えてみることからやってみる必要がある。

さらに気になるのは、職場環境。「親ガチャ」なんて言葉があるように、職場の人間関係や上司の障害への理解や配慮も、出たとこ勝負の「ガチャ」ともいえるかもしれない。「職場の人間関係ガチャ」、「上司ガチャ」…実際に入ってみるまで分からない。

というわけで、ADHDの適職探しは、

自己特性の理解(得意・不得意/向き・不向き)×自分の努力(自己分析、障害特性への対応策)×職場の障害への配慮(これはガチャ?)

で自分にとっての答えが見えてくると思う。

僕もまだまだ道半ばだけど、ふと自分の人生を振り返った時に、少しでも満足いく働き方が出来たと思える様にお互いに頑張りましょう!

1989年生まれの33歳、生粋の岐阜県民。社会人2年目の時に発達障害(ADHD/ASD)と診断され、障害者雇用にて再就職。8年間勤務後、障害者の就労支援職に従事している。2019年に居場所作りや情報共有の場として岐阜市にて発達障害当事者会「発達ワークスぎふ」を立ち上げ、私生活では二児の父として、色々しくじりながらも奮闘中!!

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