ネガティブワードばかりの社会で、それでも前向きに生きていく。
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2022.8.29
私だけでなく、多くの人にとって人間関係は悩みの種です。
ハーバード大学の75年にわたる研究によって「幸福度は人間関係によって決まる」と結論が出されるなど、人生において人間関係は重要な要素なのです。
執筆:いりえ(北橋 玲実)
人間関係に悩みのない人はきっといません。私は今でこそ人間関係のご相談を受ける機会が増えてきましたが、元々は人間関係がうまくいかない障害で苦しみ、空気を読もうといくら頭を使っても向けられる目は厳しいものばかりでした。
空気が読めない人がいることによって困る人はいるかもしれませんが、特に発達障害者の人財活用において多く言われるように、たとえ空気が読めないことのような「弱み」があったとしてもその人の個性を肯定的に捉え、組織や業務においてどのように強みを活かしてもらうかが長期的には周囲の人にとっても重要な要素です。
自身の体験も含めて思うことは、教育や社内教育において「優点伸長」よりも「欠点修正」に圧倒的に時間が割かれてしまうことによって、自己に対する信頼を失い、「自分なんか価値がない」という強い思い込みを持っている人があまりにも多いことです。
確かにできないことができるようになることはすばらしいことですが、できないことに向き合い続けるのはメンタルも体力もすり減ってしまうものです。
時には一つの科目や一部の業務ができないことが「人として価値がない」ことのように扱われ、組織において侮辱されてしまう人もいますが、組織における評価に限らず、人間関係においても「空気が読めない」と言われて傷つき苦しんでいる人も多いでしょう。
大人になるほどにそういった心の苦しみは軽んじられ、強がって心の傷を隠して生きている人も多いですが、そういった傷はより強い自己不信や他人の言葉に対する過剰な反応につながり、結果として反社会的な行為に及ぶ人も時折お会いします。
生まれてから「否定される」機会にばかり直面してきた私たちは、自分に対して否定的になり、他人に対しても「どうせ否定される」という不信感を持ちがちです。
ですが、多くの人が可能性や強みを広げていくためには、欠点を否定することではなく強みを尊重し、活用してもらうことが必要不可欠なことです。
決して簡単なことではありませんが、空気を読まない突飛な発言にこそ突破口があることもあります。
なによりも、「自分なんか価値がない」と思っている人ほど熱心に能力開発に励んでいる謙虚な心の持ち主です。
そのように自己の能力や現状に対する解釈を入れ替えて自身や他人を肯定していく中で、無意識の自己への信頼=自信や自己肯定感は生まれてくるものです。
ネガティブフィードバックや否定語の多い社会ですが、肯定することからあらゆる可能性は現れてくるものです。まずはあなた自身に対して肯定や承認の言葉を伝えることから、ぜひ始めてみてください。
きっと他人からの言葉の聞こえ方も変わり、他人からの否定語に振り回されなくなるはずです。
「人間関係」と言うとどうしても他人にどう言葉を伝えるか、あるいは相手は自分をどう思っているのか、と他人に対して意識を向けることが多いものですが、他人の言葉をどう受け取り、どう捉えているかはあなたが無意識に決めていることです。
バカバカしいと思わずにぜひ始めてみてほしいことは「ありがとう自分!」という言葉で自分をまず肯定すること。バカバカしいと思いやってこなかったことこそ、あなたの未来を変える可能性があるのです。
まずはそういった自分をいたわる言葉からぜひ使ってみてくださいね。