PARA CHANNEL Cage

内科と精神科で考え方が違う!?薬について自分で意識することの大切さ

1 1

2023.3.24

皆さんは、自分の薬について考えたことはありますか?今回は、私が薬について自分で意識することの大切さを実感した体験をお話しします。

執筆:大福 麦子 daifuku mugiko

***編集部より***
薬の作用・副作用については個人差があります。
服用にあたっては、必ず主治医や医療機関での診察の指示に従ってください。
このコラムは、あくまでもライター個人の経験に基づくお話です。
****************


皆さんは、自分が何の薬を飲んでいて、どのような作用があり、どのタイミングで飲むのがベストなのか把握していますか?

統合失調症で長年薬を飲んでいる私が、うっ血性心不全を起こして入院した時に困ったことがありました。

精神科で処方された睡眠薬を服用するタイミングに関して、循環器内科の看護師と意見が分かれたのです。

今回は私が薬について自ら意識することの大切さを実感した体験をお話しします。

循環器内科への緊急入院で統合失調症の症状が再燃

「あなたの心臓は今20%しか機能していません。」

そう告げられて緊急入院をした循環器内科で、私の心はパニックになりました。

検査入院する程度だと思っていたのが、突然1か月以上も家に帰れなくなったのです。

コロナ禍の入院で家族と会えず、入院準備や子供に説明する時間もありませんでした。

突然の命の危機に「このまま家族に会えずに一人で死んでいくの?」とベッドで考えていたら、心のキャパが限界になり統合失調症の症状が再燃。

病院内に精神科があったのが幸いし、すぐに精神科にかかることができました。

症状に効く精神薬と、夜眠るための睡眠薬が処方されました。

入院中の薬はすべて、循環器内科の看護師が管理します。

時間になると薬を持ってきてくれて、看護師に見守られながら服用するルールです。

薬のおかげで妄想の症状はすぐにおさまったのですが、夜は一向に眠れませんでした。

すぐに睡眠薬が増えました。

寝る数時間前に飲むA錠、それでも眠れなかった時に飲むB錠、さらに眠れなかった時のC錠の3種類が処方されました。

はじめは循環器内科の看護師の指示通りに、A錠を夜9時、B錠を12時に、それでも眠れなかったらC錠を夜中の2時頃に飲んでいたのですが、3錠すべて飲んだ上で眠れるのはいつも朝方でした。

睡眠薬に対する考え方の違いに苦しむ

困った私はどうせ3錠全部飲まないと眠れないので、A錠とB錠を一緒のタイミングで飲みたいと考えました。

薬を早く飲めば早く効き目が現れて、その分睡眠時間が確保できるというわけです。

A錠とB錠を一緒に9時に飲み、眠れなかったらC錠を12時頃に服用したいと看護師に相談しました。

3錠とも飲まなくては眠れないのがわかっているのに、C錠を飲むために夜中の2時まで待たなくてはならないのが辛いこと、統合失調症にとって睡眠は大切だということ、家で夜の薬を服用する場合は自分でタイミングを調整していたことを伝えました。

しかし、看護師は首を縦に振りませんでした。

「精神科の医師からはそのような指示はでていない」

「薬は2~3時間の間隔を空けて飲むものだから」

「夜眠れなくても昼間に眠ればいいじゃない」

そのようなことを言われました。

結局、いくら話しても理解を得られなくて眠れない日が続き、精神科の診察の時に自分で医師に相談しました。

「精神科では薬を使ってでも眠ることが大切と考えるけれど、内科的な考え方はなるべく薬を服用しない方が良いというものなのよ。」

精神科医はそう言いました。

結局、精神科の医師から循環器内科の看護師へ、睡眠薬を服用するタイミングについては調整して良いことを指示・明記してくれるよう頼み、それでタイミングを調整できるようになりました。

統合失調症にとって睡眠は薬と同じくらい大切なものです。

睡眠薬を使ってでも眠ることが、回復につながる場合があります。

それを循環器内科の看護師にわかってもらえなかったのは、私にとって辛いできごとでした。

自分の薬について意識することの大切さを実感

この経験で私が思ったのは、「看護師だからといって精神薬や睡眠薬に精通しているわけではない」「言われるままではなく、自分で自分の薬について意識して考えなくてはいけない」ということでした。

私は精神薬や睡眠薬を服用した経験があったからこそ、自分で考えて行動することができました。

もし何も考えずに看護師に言われるままの時間で服用し続けていたら、きっと入院中は眠れない辛い日々を過ごしたことでしょう。

もちろん、すべての循環器内科の看護師が理解がないとは限らないし、病院によって違うかもしれません。

しかし、自分が飲む薬がどのような作用があって、どのタイミングで飲むべきなのか、量やタイミングの調整は可能なのか等、自ら知っておくことは大事だと思うのです。

薬について自分で考えて意識することは、他の病気をした時に自分を助けてくれます。

私の経験は稀な例かもしれませんが、皆さんが自分の薬について意識するきっかけになったら嬉しいです。

統合失調症を患う2児の母です。日々病と向き合いながら、不登校の長女、境界知能の次女、健常者の夫と暮らしています。他に心疾患があり、少ない体力とバイタリティの中で何ができるか模索中。趣味はカフェ巡りと映画鑑賞。2022年9月よりwebライターの仕事をゆる~く始めました。

このライターが描いた記事

関連記事

障がい者雇用特化型の求人サイト「パラちゃんねる」新規登録受付中!!

マンガで分かる!採用担当者必見、採用前・面接・採用後など場面別のポイント全部解説! ADHD編

マンガで分かる!採用担当者必見、採用前・面接・採用後など場面別のポイント全部解説! 車いす編

マンガで分かる!採用担当者必見、採用前・面接・採用後など場面別のポイント全部解説! ASD編

LINE 公式アカウント友達募集中! ID:parachannel