気力ゼロ!辛い陰性症状、どう過ごす?
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2024.1.5
統合失調症の症状は大きく分けて「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つがあります。
今回は、怠さや無気力感に悩まされる陰性症状時の過ごし方について、私の場合をまとめてみました。
執筆:大福 麦子 daifuku mugiko
陰性症状とは?
統合失調症の症状は大きく分けて「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つがあります。
そのうち陰性症状とは、喜怒哀楽の感情表現が乏しくなったり、気力・感心が出にくくなったりする症状です。
統合失調症の影響で脳のドーパミンの伝達が低下し、陰性症状が起こると考えられています。
陰性症状は、急性期と呼ばれる幻聴や妄想などの症状(陽性症状)が激しい時期の次に来る、消耗期に特に目立ちますが、症状自体は消耗期以外にも現れます。
私は統合失調症を患って25年になり現在寛解していますが、いまだに陰性症状が出る時があります。
私の場合は無理をして動いた翌日や、夏から秋にかけての季節の変わり目に陰性症状が出やすいです。
陰性症状が出ると、当事者は寝てる時間が長くなり、何もできない状態が続きます。
私の経験から言うと、回復までに時間がかかり「何もできない自分なんて価値がない」と自己肯定感が下がりやすい時期です。
レベル別!陰性症状期の過ごし方
辛い陰性症状が出た時、当事者はどのように過ごせばよいのでしょうか。
私の個人的な感覚になりますが、陰性症状の強さをレベル別に分けて、その時の過ごし方をまとめてみました。
レベル1~4:「私のやる気はどこへ行った?」状態
このレベルは布団から起きてはいられるけど、やる気が沸かず、やらなくてはならないことがあるのに、なかなか取り掛かれない状態です。
そんなときの過ごし方は…
- 「とにかく5分だけ!」と思って取り掛かってみる。
- 軽い運動をする。
- 掃除や片付けを少しだけやって、気持ちを切り替える。
- お気に入りの音楽の力を借りて作業をする。
レベル5~7:「布団から出たくない!」状態
このレベルは布団から出るのが辛く感じる状態です。
かなり気合をいれないと布団から出れませんし、お風呂や歯磨き・着替えがおろそかになりがちです。
そんなときの過ごし方は…
- とりあえず起きる時間を決める。
- 起きてボーっとしたり、家族と話したり、食事をしたりして、日常生活だけこなす。
- 無理をしないで寝ても良し。
レベル8~10:「息をするのも面倒くさい!」状態
このレベルは寝ること以外何もできない状態です。
生きていることさえ辛く感じる時があります。
そんなときの過ごし方は…
- 無駄な抵抗はせず、とにかく寝る。
- 辛い気持ちが通り過ぎるのを、寝ながらじっと待つ。
- いつか元気になれるという希望は捨てないでおく。
体調管理のために日記をつけてみよう
陰性症状はひどいと年単位で続きます。
病気と長く上手に付き合っていくためには、自分の体調と向き合う必要があります。
どのような時に症状が起きるのか、どのように過ごせば自分が安心して過ごせるのか、自己管理するために日記をつけるのを、私はお勧めします。
3年日記・5年日記など、数年単位で見返せるものが良いでしょう。
数年後に日記を見返せば、目に見えなくてもゆっくりと回復している自分を実感できるのではないでしょうか。
陰性症状との長い戦いの記録は、きっとかけがえのない自分の歴史になるはずです。
周りの人は当事者にどう接したら良い?
家族や大切な人が陰性症状に悩まされている時、周りはどう接してあげればよいのでしょうか?
当事者の立場から言うと、焦らずに温かく見守ってあげてほしいです。
寝たきりで何もできなくても、大事にせずフラットでいてあげてください。
決して怠けて寝ているのではないと、理解することが大切です。
当事者が一番動けない自分に罪悪感を感じています。
まるで出口のないトンネルを歩いているかのような感覚です。
陰性症状は回復までに時間がかかりますが、いつか抜け出せる時が来るので、長い目で見守り、安心して休める環境を整えてあげると良いと思います。
最後に
陰性症状とは長い戦いになることが多いです。
自分なりの過ごし方のコツを掴んでおくと、症状が出た時に焦らずに済みます。
程度はその人の病状により様々だと思いますが、私の過ごし方が他の方の参考になれば嬉しいです。