統合失調症の私が抱く夢や希望の話
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2024.2.2
病気になって自分の将来に夢や希望を見出せなくなった人は多いのではないでしょうか?
私もかつてはその一人でした。
今回は私が抱く夢や希望の話をします。
執筆:大福 麦子 daifuku mugiko
病気になって「自分の思い描いていた人生とは違う人生になってしまった」「自分のやりたいことや、望んでいたことを諦めた」という人は多いのではないでしょうか。
統合失調症を患う私も、病気の症状で日常生活がままならなくなり、夢や希望などもう見つからないと自分の人生を諦めていた時期がありました。
しかし、障害者という困難な状況だからこそ夢や希望を見失わずにいたいし、どんな人も夢や希望を抱いて良いと思っています。
今回は私が抱く夢や希望の話をします。
覚悟を決めて書いた願いごと
今から14年前、私はとある願いを紙に書きました。
統合失調症が大きく再発して、まだ強い不安や症状が残っていた頃です。
1. 家族そろって某テーマパークへ遊びに行くこと。
2. 2人目の子供を授かり、健康に生んで育てること。
3. 自分らしく生きること。
次女はまだ妊娠しておらず、統合失調症の症状に振り回されながら、必死に自分の人生の舵をとろうともがいていた時期でした。
あの頃の私は幼児だった長女にどのおもちゃを渡すとか、どの服を着させるかなどの選択をするとき、自分を脅したり批判したりするような考えが必ず頭に浮かんできました。
日常のささいなことにも常にそういった妄想や幻聴がつきまとい、びくびくして自分らしくいられないといった風でした。
健康な人から見ると小さな夢かもしれませんが、あの頃の自分にとってはテーマパークへ行って楽しんだり、2人目の子を生み育てたり、自分らしく生き生き過ごしたりなんて不可能に思える夢のような願いです。
夢や希望を見出せなくなった私があえてこの願いを紙に書いたのは、家族のために自分のできることをやりたいと覚悟を決めたからでした。
たとえこれ以上症状が回復しなかったとしても、今がどん底でも、家族のために前を向いて諦めずにいたい!
その決意の表れでした。
14年の間に叶えられた夢
その後、14年の間にこの願いは全て叶えられることになります。
体調が回復した私は、テーマパークへ遊びに行き楽しむ余裕ができましたし、2人目の子供を妊娠・出産するという夢を叶えました。
そして、生きづらさを抱えながらも、病前よりも自分らしくいられるように生き方が変わったと思います。
体調が回復したのが夢を叶えた一番の要因ですが、前を向くことを諦めずにいたことも大きかったです。
ダメだと思ったらとことんまで落ちていけるような厳しい精神状態だからこそ、夢や希望が折れそうなときに自分を支える柱になりました。
諦めなければ必ず夢が叶うわけではありませんが、それ以上に夢や希望を持ち続けることの大切さを痛感した出来事です。
青臭いかもしれませんが、失敗しても挫折しても遠回りしても、諦めずに夢や希望を持ち続けた経験が自分を育てる糧になると信じています。
だから、障害や病気があるからといって初めから自分で可能性を制限したり、諦めたりする必要はないし、誰にでも夢や希望を持つ権利があります。
新たな夢を抱いて
あれから14年経って、私には新たな夢ができました。
「自分らしく生きながら、他者や社会に貢献すること」です。
私にとっては、ちょっと大きすぎる夢かなと思います。
夢は小さくても構いません。
「仕事を休まず勤められること」「明日を笑顔で過ごすこと」「夜にきちんと眠ること」でも。
ささやかに見えても、当事者にとっては大事なことがあります。
夢や希望は主観的なもので、他人と比べたり、他人が判断するものではないでしょう。
自己満足の世界ですが、自分が満足できる生き方ができたら幸せではと思います。
これからさらに14年の間に、私の新たな夢は叶えられるでしょうか?
親鳥が卵を大事に温めるように、私も雛がかえるまで夢という卵を温め続けたいです。
夢は「抱いたもの勝ち」が私の持論です。
今後も紆余曲折あると思いますが、希望を見失わずに夢を抱いていけたら私の人生は大丈夫、そんな気がしています。