一度つまずいた私が今もWebライターでいる理由:その3
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2023.8.24
これまで私はWebライターを目指している方向けに、ASDとうつとHSP気質があり、3社でWebライターとして働いてきた私の体験談を書かせていただいた。今回は私が文章力を上達させるために工夫してきたことについてお伝えしようと思う。
執筆:月尾 いる
はじめに
これまで私はWebライターを目指している方向けに、ASDとうつとHSP気質があり、3社でWebライターとして働いてきた私の体験談を書かせていただいた。
1本目では、ライターの仕事を始めたきっかけ、2社目で体調を崩して仕事を辞めるまでについて、
そして、2本目は、一度は失敗したWebライターの仕事に再び就くまでの経緯についてお伝えしてきた。
そこで今回は「Webライターになるためにどのようなことを学んできたのか」、気になる方がいらっしゃるかもしれないので、今回は私が文章力を上達させるために工夫してきたことについてお伝えしようと思う。
読んだ本の紹介
まず、私は文章の書き方やライティングのノウハウを知るために本を購入した。ここでは、2冊をご紹介しよう。
『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ :唐木元』
Webライターを志したときに手に取った本で、テストライティング時にも活用させてもらった。
学校の国語の授業は感覚的なものが多かったが、この本は文章の構成方法を理論的に説明している点がすごく新鮮だった。「Webライティングに必要なのはおしゃれな表現ではなく、わかりやすい文章を組み立てる力なのだ」と感心したのを覚えている。
『沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—:松尾茂起/上野高史』
有名な本なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれない。
個性豊かなキャラクターたちの会話形式で進んでいくため、サクサクと読むことができる。
この仕事をしながら言うのは恥ずかしいが、私もうつを患ってからは固い文章を読むと疲れてしまうので、ライトな本が増えてきたのは嬉しい。
初心者には専門用語がわかりにくいと感じるかもしれないが、難解な内容ではないし、きちんと解説してくれているので非常に役に立つと思う。
取得した資格の紹介
今は資格取得を推奨する制度を設けている企業もある。個人的に必要だと感じた資格は制度の対象外でも受験したので、そちらもあわせてご紹介する。ちなみに、文章系の資格2点とIT系の資格1点だ。
Webライティング能力検定
「国語」「ウェブライティング」「コピーライティング、メールライティング」「SEO」「論理・法律、炎上対策」「Webライティングに関するミニ論文」の6科目から構成されている試験である。90分以内に回答して、点数に応じて3級から1級までが付与される形式だ。ちなみに、私は2級だった。
個人的に、この資格は会社で推奨されていなければ受験しなかったと思う。Webライターは資格よりも経験やスキルが重視されるため、資格があったからといって優遇されるケースはあまり聞かないからだ。また、受験費用だけでなく2年ごとに更新費用もかかるため、躊躇う人も多い印象だ。
ただし、ライティングの基礎的なことが幅広く学べるので知識面では役立つ。難易度も高くないので、初心者にはおすすめの資格だと思う。
文章読解・作成能力検定(文章検)
こちらは私がライターとして所属していた企業では、資格取得制度の対象外だったため、個人的に受験した検定だ。
文章力や読解力の向上を高めることを目的とした試験で、漢字能力検定協会が主催している。等級は4級から2級まであり、今のところは1級が存在しない不思議な検定だ。ちなみに2級を受験して、ギリギリの点数で合格した。難易度はWebライティング能力検定よりも高い気がする。
デメリットは団体受験がメインで、個人受験は年1回しか行なっていない上に受験会場は東京と大阪に限定されてしまうこと。また、Webライティング能力検定と同じで資格を取っただけでは優遇されないといった点だと思う。
しかし、受験費用も高額ではないし、更新制ではないので放っておいても資格が消えることはない。なにより、漢検が主催しているので信頼性が高いと感じている。
ITパスポート試験
この資格は上の2つとはちがい、Webライター向けとは限らない。IT系に関する基礎的な知識を備えていることを証明できる国家資格だ。
今後、仕事で役に立つ可能性を考慮して受験したものの、試験終了後には「絶対に落ちた……」と絶望しかけた思い出深い試験だ。某YouTuberは「寝ていても合格する!」と言っていたが、私はばっちり起きていたのにこのザマである。
結果は合格だったが、壊滅的に計算問題ができなかったので、不合格とばかり思っていた。理系の人には簡単かもしれないが、それ以外の人には難易度が高いと思う。
無理に受ける必要はないが、専門分野の資格保持者のライターには好意的な媒体もあるので、気になった試験は受験してみるのもアリだと思う。
勉強は必要なのか?
「Webライターに特別なスキルは必要ない」と個人的には考える。しかし、初心者がいきなりテストライティングを受けてもうまく書けるとは限らないので、本を読んだり資格を取得したりして基礎知識を学ぶ時間も必要かもしれない。
えらそうなことを言いつつも私自身、「書ける人」では決してないし、書くスピードも遅い方だと思う。文章を早く・正しく・美しく書く方法があれば逆に私に教えてほしいくらいだが、当初に比べると私の文章も少しはマシになった気がする。
もちろん、文章を校正してくれる方々や業務で使用できる校正ツールの存在も大きいが、私なりに本を読んだり資格を取得したりして「それなりに」努力してきた影響もあると信じたい。
私の場合はASDやHSP気質の影響もあってか、「脇目もふらずがむしゃらに」努力してしまうと、体調を崩してえらい目に遭ってしまう。これまでもそんなことの繰り返しだった。ついつい、やり過ぎてうつが悪化してしまうこともあるから「それなり」でいいのだ。
だから、この記事を読んでくださったWebライターを目指している方も、自分の体調と相談して無理なくできることから取り組んでいってほしい。
今回は3部構成としてWebライターになってから今までの話をした。3記事とも読んでくださった方も、この記事だけの方もここまでお付き合いいただきありがとうございました。