【具体例あり】ADHDの私が感じるメリット・デメリットについて
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2023.9.20
ADHDの方は、人それぞれ違った特徴があり、それによって困ったり悩んでしまったりすることが少なくありません。しかし、自分の特徴をうまく活かすことができれば、いわゆる普通の人(定型発達)と同じように働くことができます。
今回は、ADHDの私自身が感じるメリット・デメリットについて解説していきますので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。
執筆:ハル
ADHDのメリット
まずは、ADHDのメリットについて解説していきます。もちろん、本記事で紹介するもの以外にもたくさんありますので、気になる方は調べてみてください。
【ADHDのメリット】
・好奇心が旺盛
・行動力がある
・過集中に入ることができる
ー 好奇心が旺盛
自分が好きなもの、興味を持てるものに対し、ADHDの方は持ち前の好奇心を発揮し調べたり取り組んだりします。たとえば、私はランニングが好きなのですが、どのランニングシューズが良いのかを知るために、1日中ECショップをチェックし続けたことがあります。
また、好奇心は仕事においても重要な要素のひとつです。「どんな方法が最適なのか?」を常に考えられる方は、たとえ難しい業務であったとしても効率良くこなすことができます。もし今就いている仕事が自分にとって好きなものであった場合、周りの人よりも高い成果を残すことができるでしょう。
ー 行動力がある
個人差はあるものの、ADHDの方は衝動性が高い側面を持っており、定型発達の方にはない行動力があるといわれています。僕の場合、「ほぼノープランで一人旅に出る」「興味のある仕事に転職する」などが挙げられます。思い切って行動することで得られるチャンスは決して少なくないので、行動力があるという面ではADHDでよかったと思っています。
ー 過集中に入ることができる
「過集中」とは、一定時間の間なりふり構わず集中し、仕事や趣味に没頭することを指す言葉です。これは、ADHDのメリットとして有名なキーワードでもあり、「ADHD=過集中」というイメージを持っている方も多くいらっしゃいます。
僕も過集中に入ることがあり、その間は普段の倍以上の速さで仕事をこなすことができます。しかし、不注意の特性があるので、完成度はそこまで高くありません。また、人によっては寝食を忘れるほど集中する方も多く、「気づいたら夜中まで作業していた」というケースは決して珍しくありません。
ADHDのデメリット
ADHD当事者の私としては、やはりメリットよりもデメリットの方が多いように思います。特に、以下3つのデメリットは大きなハンデになるといえるでしょう。
【ADHDのデメリット】
・調べ物に時間をかけすぎてしまう
・遅刻が多い
・過集中の反動が大きすぎる
ー 調べ物に時間をかけすぎてしまう
持ち前の好奇心を発揮して何時間もの間調べたり作業したりできるのは、ADHDの方が持つ大きな強みです。趣味の分野なら大きな問題はありませんが、仕事においては「短時間で高い成果」を出す必要があります。作業に時間をかけすぎてしまうと、上司や先輩から「いつまでやってんだよ!」と叱られてしまうため注意が必要です。
ー 遅刻が多い
外出する際、想像以上に多くの時間がかかるのもADHDのデメリットのひとつです。
これにはいくつか理由があります。「忘れ物がないかどうかチェックするのに時間がかかる」「時間の見積もりが甘い」などが代表的で、結果的に遅刻してしまうことも少なくありません。ビジネスシーンではもちろんのこと、「病院の予約時間に間に合わない」など仕事以外でも困ることになります。
なお、ADHDの方は決断力に乏しい傾向にあります。「行動しよう!」と決断するまでに時間がかかるほか、決断を先延ばしにしてしまうことも多く、結局何もできずに終わってしまうことも珍しくありません。
ー 過集中の反動が大きすぎる
先述した過集中に入ることができれば、普段の数倍もの成果を出すことができるので、「うらやましい」と思う定型発達の方も多くいらっしゃいます。しかし、すさまじい集中力を何時間も発揮し続けると、身体はひどく消耗します。僕の場合、以下のような症状が現れます。
・発熱
・寒け
・倦怠感
・筋肉痛
・まぶたの腫れ
・眼瞼ミオキミア(まぶたがピクピク痙攣する病気)
人によっては夜通し作業に没頭することも多く、一区切りついたとたんに倒れ込んでしまうケースも珍しくありません。僕はそのような経験こそありませんが、身体のいたるところに各種症状が現れるので、なるべく「過集中」にならないよう、自分でうまくブレーキをかけています。
まとめ
ADHDと一口にいっても、メリット・デメリットだと感じる部分は人によって少々異なります。最初から「ADHDだからしょうがない」と諦めるのではなく、自分なりに工夫して日々の失敗を防ぐことが重要です。少しずつ取り組んでいけば何らかの結果が出るはずなので、仕事や日常生活でお困りの方は、まずは「自分はどんな特性を持っていてどうすれば問題を改善できるのか」という点から考えてみてはいかがでしょうか。