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4月から新社会人になる発達障害の学生に向けて伝えたいこと

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2024.3.21

4月から新社会人になるという方も多いのではないでしょうか?ADHD当事者の私もいつからか社会に出て働く人の一人になってますので、今回は社会人の先輩として発達障害の学生に向けて少しお話をしたいと思います。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

すっかり春らしい日も増えてきましたね。4月から新社会人になるという方も多いのではないでしょうか?

ADHD当事者の私もいつからか社会に出て働く人の一人になってますので、今回は社会人の先輩として発達障害の学生に向けて少しお話をしたいと思います。

会社で働くってぶっちゃけどう?


中学、高校、大学、専門学校などの学生から社会人になるということは、とても大きくステージが変化するように思えますよね。何だか壁があるようにも感じるかもしれません。

確かに、私も社会人になってつまずくことがたくさんありました。自分の向き不向きをしっかり自覚したのも社会人になってからでした。あまりにも向いていない仕事で心身を病んでしまったこともあります…。

おそらく、新社会人になる皆さんも仕事をする上でとても困ったことになる場面が来ると思います。発達障害の特性によってもたらされる困りごとも多々あるかもしれません。

何で自分は他の同期よりも仕事ができないんだろう…?
こんなにもミスが多いんだろう…?
言われたことが理解できないのはなぜだろう…?

と困惑する時期が来るかもしれませんね。

怒られるのが苦手な人でも、他の人より怒られる回数が多いかもしれません。

しかし、学生の時点でご自身の特性を知っているのであれば、私のように社会人になるまで自分の特性に気が付いていなかった人間よりも、少し困ったことに対処しやすいのではないかな、と思います。

まずは自分のできること、できないことを今分かる範囲で考えてみましょう。

今まで生きてきた中でどんなことで困ったことが多かったですか?
どんなミスをしやすいですか?
人とのコミュニケーションが難しい場面はどんな時でしょうか?

全部を周囲に伝えなくても、自分は何が苦手なのか気付いておくことは働く上でとても重要です。日々の業務の中で「このミスは、この特性から来るものか…」と気付いたら、対処法も考えやすいかもしれません。

生きやすさの変化の時期


社会に出てたら大変なことになるようなことを書いてしまいましたが、実際には私は学生時代よりも生きやすくなったな、と感じています。それは、生活の自由度が格段に上がったからです。特に高校生までは「こうしなければならない」という枠が非常に狭かったのではないでしょうか?

また、振り返れば学校という場所は他の場所と比べて狭く、逃げ場も少ないコミュニティだったように思います。

社会人となった今は、自分がどうしたいかを自分で考えて、おおよそその通りにすることができます。服装も休日の過ごし方もとても自由です。

様々な新しい人との出会いもあるでしょう。会社から帰れば嫌な人とは基本的に関わることもありません。自分で好きなコミュニティに入っていくことも自由です。

働き方も今後自分次第で変えていくことができます。私は大学を卒業してからしばらくフリーターだったり、無職だったりという時代を経て会社員になりました。もしかしたら、このコラムを読まれている方の中にもそんな道を選ぶ人が居るかもしれません。

それぞれのタイミングでやりたいことが選べるのもまた、学生ではなくなった「社会人」の良さなのではないかと感じます。

就職が既に決まっていて、仕事に不安を抱えている方も、自分は一度「学生」という枠の中に納まって生きてきたんだという自信を持って働いてみてください。

確かに仕事を始めると、自分が持つ責任の範囲は広くなりますが、新入社員のうちに自分がミスをしたからといって取り返しのつかないことになることはほとんどありません。

少し肩の力を抜いて働き始めてみましょう。困ったことがあれば、先輩や周りの人に相談してみてください。

そして、「ダメだなあ…」と感じたら、別の道を探してみることもできます。転職は、転校するよりも遥かにハードルが低いのではないでしょうか?

どうしても働けなくなってしまったら、休職という手段を取ることもできます。私も一度、会社を半年ほど休職していた時期がありましたが、登校日数が進級に影響する学校とは違い、社会に出てからは取り立てて大きな問題は発生しません。1年以上雇用保険に入っていれば、休職中も手当を受け取ることができます。

社会人になったからといって逃げ道がどこにもない、ということはないのです。実は学生時代よりも逃げ場は多くなったと言えるかもしれません。

まとめ

これから社会に出るみなさんへ。

実は社会人生活というのはそれほど恐ろしいものではありません。毎日一日8時間(もしかしたらそれ以上)働かなくてはならないと考えると憂鬱かもしれませんが、自分の仕事が楽しく思えてきたら儲けものです。

何ができなくて、何ができるのか考えてみて、少しでも得意だ、好きだと思えたことを思い切り頑張ってみるとちょっとだけ仕事が楽しくなります。

時には周囲の人に頼ることも大切です。学生時代よりも協力して物事を進める場面が増えると思います。そこでコミュニケーションの壁にぶつかるかもしれませんが、新しい出会いや発想に恵まれるかもしれません。

会社だけに自分を押し込めておけないと思ったら、私のように兼業で色々やってみるのも一つの手かもしれませんね。少なくとも、私は10代のころよりもはるかに楽しい毎日を送っています。自由が手に入ったからです。

みなさんが、この膨大な自由と責任を楽しめることを祈っています。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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