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早起きが三文の徳にならなかったADHDの私の睡眠にまつわる大失敗

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2024.1.9

皆さんは、ふいに夜眠れなくなることはありませんか?妙に朝早く目が覚めたり、夜なかなか寝付けなかったり。今回は、自分でも「やっちまったなー」と思った睡眠にまつわるエピソードをご紹介します。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

皆さんは、ふいに夜眠れなくなることはありませんか?

妙に朝早く目が覚めたり、夜なかなか寝付けなかったり。スマホを触らないようにしても、本を読んでも眠くならない…。寝ようとすればするほど目がさえてしまう、ということもありますよね。

私も、なかなか夜眠れないことや、深夜に目が覚めて再入眠できないことが頻繁にあります。ADHDの感覚鈍麻の影響があるのか、自分で自分の異変になかなか気づけないのも悩みどころです。

中でも、最近一番大変だったのが昨年の夏のことです。今回は、自分でも「やっちまったなー」と思った睡眠にまつわるエピソードをご紹介します。

みなぎる活力


私には二人の子がいますが、昨年、上の子が小学一年生になりました。小学校に上がったことで、保育園時代にはなかった夏休みが始まりました。

私は普段、7時半頃に起きているのですが、夏休みが始まったころから不思議と4時半〜5時の間に目が覚めるようになりました。

はじめは「体が太陽の昇る時間に合わせて早起きになったのかな」と特に気にしていなかったのですが、一週間以上続いたあたりで「これはせっかくだから朝活をしよう!」と思い立ったのです。

主に絵の練習と、ちょっとした仕事を片付けたり、朝ごはんを丁寧に作ったり。早く起きられた分いろいろなことができてとても毎日が充実していました。

毎日の絵の朝練習も一か月近く継続し、「これは練習もすっかり習慣化したなあ」と思っていたころのこと。

ある朝、3時に目が覚めました。次の日も、また次の日も、2時半から3時に目が覚めるように。「これは更に色々充実するに違いない!」と、私は多くの趣味の時間や仕事の時間を取れることに完全に嬉しくなっていました。

ちなみに、私が普段寝るのは0時頃。つまり、睡眠時間が常に3時間以下という生活スタイルが常態化していたのです。

しかし、活力にあふれた私は何も疑うことなく、いつもより長く感じる日々を楽しく過ごしていました。

そして限界がやってきた


それ以降、私の睡眠時間は段々と短くなっていき、遂に30分も寝ると起きてしまうようになりました。再度寝ようとしても目が覚めてしまって眠れません。

ホットミルクを飲んでみたり、ゴロゴロベッドで横になってみたり、リビングのソファで横になったりと色々やっても全く再入眠できる気配がありませんでした。

「これはさすがに何かがおかしい」と気付いたときには、完全に私の体はガタがきていました。常にフラフラしており、なぜかものすごく涙もろくなってちょっとしたことですぐに泣いてしまうようになりました。

風邪をひいているわけでも無いのに嘔吐したりすることもあり、とにかく常に調子が悪いのです。

このときは、様子があまりにもおかしいと感じた夫が急いでかかりつけのクリニックに私を連れて行ってくれたことで事なきを得ました。 しかし、今では「自分の異変にもう少し早く気づけたのではないか」とも思うのです。

私はもともと、やりたいことがたくさんありすぎて、時間をとにかく捻出したいと考えていたので、睡眠時間が短くなっても「これはラッキーだ」と思うだけでした。次々にやりたいことが閃いて、せっかく行動する時間が生まれたのに改善する必要などないと思っていたのです。自分の異変に全く気づけなかったというのが問題でした。

しかし、人には睡眠時間が必要です。たった30分の睡眠ではとても体を健康に保つことはできないのです。睡眠を軽んじた結果、私は随分ボロボロになってからようやく医師に相談するに至りました。

もし、夫という外部からの介入がなければ何もしていなかったかもしれません。自分だけでは、どこか嬉しさでハイになってしまって冷静になれなかったからでしょう。

クリニックでは、それまで飲んでいた睡眠導入剤に加えて、いくつかの薬を処方されて、現在もそれらを飲んでいるのですが、今でも飲み忘れがあると早朝に覚醒してしまうため、飲み忘れにはとても気を付けています。

まとめ

発達障害の方の中には、感覚鈍麻や感覚過敏などの特性によって、自分の異変に気付きにくい方もいらっしゃると思います。

しかし、こうした普段と異なる状況に対して「どこかで俯瞰して見られる目を自分の中に持っておかなくてはならないな」と感じた出来事でした。

体質にもよりますが、適切な睡眠時間はいろいろな研究結果から、6〜8時間が目安といわれているそうです。1時間や2時間の睡眠では到底まかなえないということですよね。

これを読んで「もしかして…」と思った方も、そうでない方も是非一度、自分の睡眠習慣について考えてみていただきたいと思います。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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