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ADHDの方が職場で困らないためにやるべきこととは?

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2023.10.4

「遅刻が多い」「失言して周囲のひんしゅくを買う」など、職場でやらかしてしまうミスに悩む方も多いでしょう。特にADHDの方は、「注意欠如」「多動性」などの特徴からさまざまなトラブルを起こしがちです。そこで本記事では、ADHDの方が職場でやらかしやすいミスの種類や、職場で困らないためにやるべきことなどについて解説しますので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。

執筆:ハル

ADHDの方が職場でやらかしやすいミスとは?

ADHDの方は、主に以下のようなミスをやらかしがちです。

・ダブルブッキング
・資料の抜け漏れ
・失言


ー ダブルブッキング

計画を立てるのが苦手なADHDの方は、同じ時間帯に複数の予定を入れてしまう「ダブルブッキング」を起こすことが多くあります。ダブルブッキングが生じる原因は人によってそれぞれ異なりますが、「現在のスケジュールを把握していない」「手帳の確認を怠ってしまう」などが代表的です。


ー 資料の抜け漏れ

ADHDの方は注意力に乏しい傾向にあり、誤字や脱字、必要な情報の抜け・漏れなどを起こすなど、各種資料作りでミスをすることが少なくありません。僕自身、これまで何度も注意を受けてきたため、慎重かつ丁寧に確認してから提出するようにしています。しかし、それでも「ここ間違っているから直して」などとフィードバックされるため、いまだに自信を持って作業することができません。


ー 失言

ADHDの「衝動性」が強く出ている方は、事あるごとに「失言」をして周囲の反感を買ってしまうことが多くあります。思ったことをそのまま口にしてしまうので、「空気が読めない人」「デリカシーのない人」「一緒にいて居心地が悪い人」などと呼ばれることも珍しくありません。

職場で困らないために起こすべき具体的なアクション

ADHDの方は、自分の特性によって周囲に迷惑をかけてしまうことが多くあります。以下に、私自身が意識して実践している「具体的なアクション」をご紹介しますので、気になる方は参考にしてみてください。

【職場で困らないために起こすべき具体的なアクション】
・デジタルツールの機能を使い倒す
・スケジュールは「Googleカレンダー」で管理する
・聞き役に徹する


ー デジタルツールの機能を使い倒す

資料の誤字脱字に悩んでいる方は、WordやGoogleドキュメントなどに搭載されている「校閲機能」を使ってみましょう。これは文書上にある誤字脱字をチェックしてくれる機能であり、該当箇所は「赤い波線」などで知らせてくれます。しかし、すべての箇所を教えてくれるものではなく、最終的には自分の目で確認する作業が必須なので、過信は禁物です。

また、資料の抜け漏れに困っている場合、記載すべき情報を紙のメモ帳などに残し、それを見ながら作業してみてください。一通り作業が終わった後、手元にあるメモ帳に目を通すことで「何が足りないか」を把握できます。


ー スケジュールは「Googleカレンダー」で管理する

紙の手帳に自分のスケジュールを記載し、それを見て日々の仕事をこなしている方も多いでしょう。定型発達の方なら大きな問題はありませんが、ADHDの方は手帳そのものを紛失してしまうケースが多いので、紙の手帳を使ってのスケジュール管理は推奨できません。

Googleカレンダーの場合、「色付け」「アラーム」といった便利な機能を使えるほか、スマホで簡単に自身の予定を確認できる点も魅力です。先述した「ダブルブッキング」の予防にも効果的といえるでしょう。

僕自身、紙の手帳を使ってスケジュール管理していた時期がありました。しかし、やはり最後まで使い切らないうちに紛失してしまうことがほとんどだったので、今ではGoogleカレンダーを使って管理しています。


ー 聞き役に徹する

自分の発言回数が増えれば増えるほど「失言」のリスクが高まるので、誰かと話すときはなるべく「聞き役」に徹することを心がけましょう。また、話の聞き手に回ると以下のようなメリットが得られるといわれています。

・多くの情報を得ることができる
・「落ち着いている」「誠実な人」などといったポジティブな印象を持たれやすい

一般的に、人間は「自分の話を聞いてくれる人に好意を抱きやすい」といわれています。さらに、聞き役に徹することで「傾聴力」「洞察力」などビジネスシーンで役立つスキルも身につけられるので、失言が多い方は一度検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ADHDの方は、誤字や脱字といったミスや不用意な発言により、周りの人から煙たがられてしまうことが多くあります。しかし、少しの工夫や取り組みによって改善できるケースも珍しくありません。「今のままじゃダメだ!」と思っている方は、本記事の中で紹介した方法の中からいくつかできそうなものをピックアップし、自分のペースで少しずつ試していくことをおすすめします。

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3回の転職経験を持つADHD(診断済み)
メンタル弱めのゆとり世代。電話対応が壊滅的で、新卒で入社した会社を3ヶ月でクビになる。その後、営業職、コンビニ経営を経て、今は編集の仕事と産業心理カウンセラーの仕事をしています。
※長時間残業とパワハラにより、2年前に適応障害の診断を受けた経験有り

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