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発達障害のファイナンシャルプランナーが語る障害者とお金の話

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2023.12.21

発達障害当事者のファイナンシャルプランナーである私が、ファイナンシャルプランナー(FP)資格に興味のある人や、お金のことについて関心のある障害者やその家族、支援者に向けて、体験談も交えながらファイナンシャルプランナー資格の魅力や意義をお伝えしていきたいと思います。

執筆:時雨ミル m.shigure

私は発達障害を持ちながら、民間企業の障害者雇用枠にて労働しております。その傍ら、ビジネス実務法務検定、メンタルヘルスマネジメント検定、ファイナンシャルプランナー、第一種衛生管理者、保育士、精神保険福祉士の資格を取得いたしました。

本記事は発達障害当事者のファイナンシャルプランナーである筆者が、ファイナンシャルプランナー(FP)資格に興味のある方やお金のことについて関心のある障害者やその家族、支援者に向けて、体験談も交えながらファイナンシャルプランナー(FP)資格の魅力や意義をお伝えしていきたいと思います。

ファイナンシャルプランナーとは

ファイナンシャルプランナーとは保険や年金、税や資産運用など「お金に関するスペシャリスト」と言われている資格です。個人を対象として資産運用に関する相談に乗り、的確なアドバイスを行う仕事で、暮らしのお金や、家計に関する専門家と言えます。

多くの人々にとってお金に関する知識は重要なものです。就職活動や職場での評価といった場面に限らず、ファイナンシャルプランナー資格の取得を目指し学ぶことは人生に大いにプラスになると言われています。

2〜3ヶ月ほどの勉強期間で合格ラインに到達することも可能で、試験も年に複数回実施されるなど、他の国家資格と比べるとその敷居の低さも魅力です。

※ファイナンシャルプランナー資格には等級の違いや国家資格、民間資格が存在し、実施団体も複数存在します。本記事では割愛致しますが、もし本格的に受験を考慮する場合はしっかりと調べてから勉強を開始することを強くお勧めいたします。

なぜファイナンシャルプランナー資格を取得しようと思ったのか

私がファイナンシャルプランナーの資格を取得しようとしたきっかけは障害者手帳を取得したことです。障害者手帳を取得すると障害者特有の控除や減税などがあります。

障害者手帳を取得しただけで減税されるわけではないので、制度を知った上で自分で申請しなければいけない場合も多く、これらについて学んでいくうちに、「税金や社会保障などのお金のことについてしっかりと理解したい」と考えるようになりました。

ありていに言うと「損したくない」という気持ちがモチベーションに繋がったと思います。

ファイナンシャルプランナーの知識があることで具体的に得したこと

ファイナンシャルプランナーの知識があることで得をしたこともあります。資産運用の一環に定期預金というものがありますが、これは金融機関の定期預金口座に預け入れた金額と預けている期間に応じて利子が付くという低リスクな運用法です。ここで得た利子分について本来であれば20.315%の税金がかかります。

しかし、障害者手帳を保持している場合、「障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度」通称「マル優」により、預金額の元本350万円にかかる利子が非課税になる制度が利用できます。

金融機関の窓口で「手帳はお持ちですか?」とは聞いてくれないので、この制度を自分で知り利用する意思を見せなければ使えない制度です。私もこの制度を利用して資産運用を行っています。

発達障害のファイナンシャルプランナーとして伝えたいこと

私はファイナンシャルプランナーの資格の勉強で個人のお金について、精神保健福祉士の資格の勉強で社会保障について学びました。これらを学んだ上で感じることは「現在の日本の社会福祉制度や税制などは少々複雑でわかりづらい」ということです。

もともとが複雑な上に、法改正による制度変更も頻繁にあります。

そうであるにも関わらず、利用できる制度を利用していない損している状態にあったとしても役所の人間が能動的に教えてくれるわけではなく不親切な側面があります。

制度を使える条件を満たしていても、自動的に適用されるわけではなく、申請しなければもらえないお金があったり、使えない制度があったりします。情報を知っている人だけが得をして、知らないままだと損をしてしまうということです。

物価高や実質賃金の低下により貧困国化の一途を辿るこの社会では、やはり使える制度をしっかり理解して使うことが必要だと思います。自分の生活を守る上で、知識や情報は役に立ちます。それが日々の生活の安心と安定につながってくると思います。

トゥレット症候群を持ち、一般企業の障害者雇用枠にて労働しております。トゥレット症候群のこと、発達障害のこと、精神疾患のことなどを多くの人に知って欲しくて自分にできることを探し中。精神保健福祉士、保育士、ファイナンシャルプランナーでもあります。

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