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発達障害者ですがシナリオライターを目指し修行中。シナリオの学び方

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2024.1.6

こんにちは、ゆめみがちです。私はADHDと自閉症スペクトラムをもつ31歳です。私は約一年前から、シナリオライターを目指し、勉強にだいぶ力を入れています。今回は私がシナリオセンターに通い始めてから、どうやってシナリオを学んでいるのかについて書いていきます。

執筆:ゆめみがち

こんにちは、ゆめみがちです。

私はADHDと自閉症スペクトラムをもつ31歳です。私は約1年前から、シナリオライターを目指し、勉強にだいぶ力を入れています。

前回は、脚本のコンテストに応募して、自分の中の「私はシナリオを書きたいんだ!誰かにちゃんと読んでほしいんだ!」という強い思いに気づくまでについてお伝えしました。

今回は私がシナリオを本格的に学ぶためにシナリオセンターに通い始め、どのような学びを進めているかについて書いていきます。

シナリオセンターに通うきっかけ

はじめて脚本のコンテストに自信満々で応募した私ですが、結果は落選。一次にさえ残ることはできませんでした。

よく考えれば当たり前の結果なのですが、当時の私は納得がいきませんでした。ここでギアがかかり「シナリオコンクールやシナリオ公募に受かりたい。とにかくちゃんと本格的にシナリオを学びたい」と決意。

確かに未経験どころかシナリオの勉強もせずに出したら通るものも通らない。ちゃんと勉強して良いもの書いて「なんであの時この人のこと落としたんだろう」って後悔させてやるわ、という気持ちにもなりました。

そして、ネットで検索していると、シナリオセンターが主催する「シナリオ8週間講座」というものの存在を知りました。シナリオセンターとは私が現在通っている、その名の通りシナリオを学ぶスクールです。

元々、その存在自体は知っていたのですが、一度申し込むと何年も通わないといけないイメージがありました。「難しそう」と尻込みしていたり、「シナリオなんて自分で学べばどうにかなるんじゃないん?!」というアンビバレントな舐めた気持ちがあったりでなかなか申し込みまで至らなかったのです。

「シナリオ8週間講座」はシナリオの基礎の基礎を学ぶところで、本当に8週間、いわゆる2ヶ月の間に週に一回授業を受けるだけで終わるワークショップのようなものです。コロナ禍のおかげでオンラインで学べる形式になっていて、授業が受けられるだけでなく、講師が毎週自分の書いたシナリオを添削してくれるのです。

8週間の講座を受けた後、「ふーん」と終わるも自由、興味が出てきたらシナリオセンターに本格的に通うようにするも自由でした(本格的に通うための手続き案内は届きますが、勧誘は一切ありません)。

「これなら私にもできるしやってみたい!もし、違うと感じても、8週間で一旦終わるし」と思い切って入会してみました。

シナリオ基礎講座、楽しすぎる


そして、申し込んだ「シナリオ8週間講座」を受けることになりました。私の場合はオンライン参加だったので、会議アプリのzoomで授業を受けていました。こちらの顔がzoomに映ることはなく、会話をすることもありませんが、チャットで講師に質問することも可能です。

結論から言えば、この「シナリオ8週間講座」はめちゃくちゃ面白かったです。

まず、講師の方の話が本当に面白い。脚本書いている方って話が本当に面白い方が多くて、授業や説明も飽きないんです。リズムが良いのか、言葉選びが良いのか、構成が良いのか、具体的な理由はわからんのですが。

脚本の書き方を基礎から教わったのですが、なんだか授業を受けているとは思えないくらい楽しかったです。今までなんとなく観ていたドラマや映画がどうやってゼロから作られているのかを紐解いていくようでした。

しかも、脚本の書き方は意外とルールがあり、基礎でも難しく(私も未だにこの書き方大丈夫かな?と思うことがたくさんあります)、「脚本なんて誰でも描けると思いがちだったけど、ちゃんと勉強しなきゃ書けないぞ〜」ともはや笑ってしまいました。
 
課題添削も本当に楽しかった。最短で100文字、最長で800文字くらいの課題しかなく本当に短い物語しか書くことはなかったんですが、先生の「ここのキャラのセリフが良いですね」や「ここの描写が面白いです」というコメントにモチベーションがぐんぐんアップ。

「あたし本格的に通いますわ!!!!」と8週間講座の2週目くらいの段階で思っていました。

現在のシナリオの学び方


そんなわけで、現在は本格的に申し込み、課題をこなしています。

200字20枚のシナリオ課題を月に4本提出しています。200文字20枚の長さは朝ドラだと一話分、ドラマだと冒頭の20分ってところです。ただ、4本提出しなければならないわけではなく、1本だけでもいいし、全く課題を提出しない月があってもOK。最大で月に4本まで提出できますって感じです。

そして、生徒同士が集まる「ゼミ」と呼ばれる場で発表します。このゼミは毎週定例の日時にあり、私の場合はオンラインで、参加しています。

参加者は全員顔出しで、会話もあり、自分の書いたシナリオ課題の脚本を音読して発表し、ゼミ仲間に感想をもらい、講師に添削を貰います。

他の参加者の発表を聞くときには、脚本を耳だけで聞いて理解するのは結構難しいので、私は同時にタイピングを打って、文章に書き起こしながら聞いています。おかげで少しタイピングが早くなりました。

こちらのゼミも出席・欠席は自由で、毎週出ている人もいれば、出られる時だけ出る人もいて、発表するシナリオ課題がある人もいれば、ない人もいます。コンスタントに課題を出したい人も、ゆっくり課題を出したい人もウェルカムなところが私にも合っているのかもしれません。

プロになりたいのであれば、毎週〆切を作って書き上げることも鍛錬にもなるのですが、学んでいる人は社会人も多く、私も仕事がやばかった時、精神がやばかった時は休み休みやっています。鬱状態でもクオリティはさておき、シナリオだけは書けてしまう自分が怖いのですが。

シナリオを学ぶのは大変だけど、その大変が楽しい


シナリオ課題の内容は見せることができないのですが、それぞれテーマがあって、どのようなシーンを描けるようになるか、鍛錬になる課題ばかりです。

私はシナリオセンターの本科というクラスを卒業し、現在は一つ上の研修科に通っています。本科ではお気に入りの音楽をかけながら脳内多動に身を任せて勢いで書き上げることができました。本科の頃はあんまり考えずにサラサラ思いつくまで書いていたので、今読み返すと「おもんな!」が多いです。でも、思いつくままに書けるので楽しかった。

シナリオセンターで刊行されている冊子に生徒の優秀な作品が載ることもあり、私も掲載されたので(はい、自慢です)結構自信がつく時期でした。まあ、天狗になっていましたね。
 
しかし、安心してください、研修科は、課題内容がよりディープになりました。思いつくままサラサラ書いたって、意味がありません、というか書けない。ちゃんと計算して物語を構成しないと、課題をクリアできないのです。

ちなみに「クリア」というのは自分の中でこなした課題が力になると、という意味です。決して課題を提出して突き返される、なんてことはありません。

例え自分ではうまく書けたと思っていても「こういう風な狙いでこういう構成にしたんだ」とちゃ〜んと説明できないと、意味がありません(その構成がうまくいっていなくても講師が上手くいくように添削アドバイスしてくれます)。

計算して物語を書くのが苦手な私は天狗になっていた鼻がへし折られるどころか、顔面がもがれました。

添削では構成だけでなく、感情の起伏や葛藤、読者を見せつけるテクニックなどについて細かく指導されます。「こんなものは全然ダメ!」なんて傷つくようなことは言われない、むしろ講師は良いところは必ず褒めてくれるのですが、反論の余地ゼロの、シナリオのできていないところをたくさん指摘されます。

正直、悔しいし、苦しいです!でも、それが楽しい。

添削アドバイスによって、自分の書きたいシナリオがより良くなる、伝えられなかったものが伝わるようになる、まるで魔法のように変わっていくのもわかります。

だから、課題を発表するときはドキドキするけど、添削アドバイスをもらった後はスッキリ。一気に脚本を書く力がついていく感覚です。
 
…とはいえ、ここまで散々偉そうにシナリオを書くことについて語ってきましたが、実はコンクールは二次予選落ちまでしかいけてません。ここまで前編から読んでくれた方がずっこけるのが目に浮かびます。


発達障害を持っていると、相手が本当にずっこけるような瞬間が何回もあります。あまりに突飛なことをいうので、全身の筋肉の力が抜けてずっこけるようです。

話を逸らして誤魔化しましたが、シナリオコンクール、何にも結果を出せていない。ただのシナリオ書いているだけのクズ人間です。

自分のことをクズなどと卑下するのはよくないのですが。「え、じゃあ何を書いてるんですか?コンクールに”応募段階”…その歳で?ハハッ(笑)」と見下した笑いはよくされるのであえて自己防衛で言っています。

しかし、アドバイスを貰えば貰うほど、シナリオコンクールの賞に一歩ずつ近づいていることがわかって、とても意義のある時間を過ごしていると思います。

自分の中ではシナリオを書くことに向いている


自分の中ではシナリオを書くことに向いていると思っています。あくまでも、「私の中では」です。あたしはシナリオライターになる逸材なんやあああ!とは本気で思っていません。むずいもん、シナリオ。

一時期は天狗になっていたものの、現在は書けるようで書けないの迷路に陥っており「私、才能ないから」とよく追い込まれています。

とあるシナリオライター講師が著書で言っていた「シナリオの才能なんてものはないんです。上手な書き方を知らないだけ」という言葉をお守りにしています。

そうやって苦しみながらも、それを楽しんで毎日毎日寝る間も惜しんで書いちゃってるんですよね。こんなに夢中になれることってなかなかありません。

また、ちゃんとシナリオの中身の添削を受けることができる最低限のレベルまで課題をこなすことができる、ことも大きいです。

今までいろんな習い事をしてきたけど、すっごく真面目に取り組んでもできない。それどころか「ふざけてる」や「本当は好きじゃないのにイヤイヤやっているのでは」と疑われるレベルで習得できず、だったのです。

学生の頃は自分で「行きたい!」と行った習い事も、下手どころかできなさすぎて先生から「無理やり行かせないで」と保護者宛に電話がかかってきたことがあります。

今はできなさすぎて取り組む姿勢を疑われることはなく、一生懸命取り組んでいることを踏まえて、指導をしてもらえている立場にいます。これは自分の中では凹凸の数少ない凸の部分だと思うんです。

その凸が自分が楽しいと思えることで、学べる環境があることは本当に恵まれていると思います。少しずつでもいいから、この凸の部分で賞をとるなりして、お仕事をもらえるようになりたいと頑張っています。

身体性表現障害で8年の無職ひきこもりから、推し活のおかげで社会復帰に成功。しかし会社に就職するもクビになり、直後にADHDとASDスペクトラムが発覚した。現在は自身の発達障害に向き合いながら、推し活の素晴らしさを様々な角度から発信している。

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