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発達障害者の私が仕事のアドバイスをもらうときに気を付けていること

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2024.2.20

こんにちは、ゆめみがちです。私はADHDと自閉スペクトラム症をもつ31歳です。今回は、私が「仕事の上司や先輩からアドバイスをもらうときに気を付けていること」についてお話ししていきます。

執筆:ゆめみがち

こんにちは、ゆめみがちです。私はADHDと自閉スペクトラム症をもつ31歳です。

前回の記事で「仕事の上司や先輩からどのような声かけやアドバイスがあると仕事がしやすいか」についてお話ししました。

今回は、私が「仕事の上司や先輩からアドバイスをもらうときに気を付けていること」についてお話ししていきます。

ためになるアドバイスに感謝の気持ちを精一杯伝える


発達障害、特にASD特性が強い人は感謝の意がなかなか伝わりにくいことが多くあると思います。

以前、職場に仕事を細かく教えてくれる先輩がいました。私はその先輩をすごく尊敬して感謝の念も抱いていたのですが、他の上司数人から「〇〇先輩に対する礼儀がなっていない。仕事を教えてもらっても返事はウィッスくらいだし」と言われたことがあります。

自分ではそんなつもりがなかったのでびっくりです(教えてくれた先輩本人は一生懸命教えてくれていたので私の態度までは気にしていなかったのかもですが)。周りから見る私の態度は最悪だったようです。「違います」と言ってもだめでした。

この経験から、とにかくアドバイスを貰ったら「ありがとうございます」をしつこいくらい伝えることが大事なのかもしれないと思うようになりました。

聞いたことのあるアドバイスも初見のように最後まで聞く


仕事でもらうアドバイスの中には「それ、聞いたことあるな」と思うものもあります。例えば、緊張している時に「手のひらに人を描くといいよ」とかありきたりなアドバイスを言われる場合です。

そういうとき、私はとっさに「いや、知ってるから」と言いたくなるのですが、それはよくないのだと学びました。「聞いたことある」ということは、相手が目上だったら失礼になってしまう可能性があるようです。

面目を潰してしまった、みたいなことでしょうか。私にはその面目とやらがよくわからないのですが、社会では大切にしている人が多いようです。

私なら無駄な時間を使うのは嫌なので、知っているアドバイスであれば「知っています」と教えて欲しいと思っちゃいます。これは知識として覚えているだけです。

どんな内容であってもアドバイスをもらったときは笑顔で「ありがとうございます」と言うようにしています。

アドバイスについての質問は、一旦しっかり感謝を述べてから、慎重に行う


私は先輩に「〇〇の時はこうしてね」と、アドバイスをいただいて「では、〇〇の場合はどうしたらいいんですか?」と質問したら「なんで口答えするの?」と言われてムッとされたことがあります。

「え?しっかりアドバイスをくれた先輩に頼って質問しているだけなのに?」と戸惑いました。

しかし、振り返ってみたら「〇〇の時はこうしてね」と言われた時に、私は「わかりました」や「ありがとうございます」とろくに言わずに「では、こういう場合は?」とすぐに質問してたんです。それが先輩にとっては、アドバイスを受け入れていないというか、反論のように聞こえたのかもしれません。

いや〜、難しい。そんなアドバイスをくれた先輩に反論したかったわけじゃないのに…発達障害者は本当にそんなつもりがなくても嫌味なやつと勘違いされて辛いです。

ただ、アドバイスをくれたことに、ちゃんとありがとうは伝えるべきでした。自分の中では頷いて「はい」と返事をしたので伝わっていると思ったんですが、伝わってなかったようです。

「アドバイスありがとうございます!かしこまりました!」とお礼を言った後に「一つ質問なんですけど、もし、〇〇っていう時は、どうしたらいいとかありますか?」と丁寧に聞けばよかったと思います。

厳しめのアドバイスには、反省してます感&頑張ります感のどちらも出す


厳しめのアドバイス、例えば「もっと真面目に取り組んだ方がいいよ」や「仕事のスピードをもっと早くした方がいいよ」などをもらったときについての反応はより難しくなります。

仕事上の厳しいアドバイスをもらうと、ついつい「自分の頑張りが足りないんだ」と凹んでしまうかもしれませんが、落ち込んでいる様子を出すとアドバイスしてくれた相手が悪者のように映ってしまうので注意が必要です。

こっちも一杯一杯だから周りの見え方を気にするなんて無理難題!と思われるかもしれません。

実際、私は真面目に厳しめのアドバイスを聞いていたら「あなたにアドバイスしたら、私が悪者になるからアドバイスしたくない。もう、指導できない」と言われた経験があります。困る。だからと言って反省してない感を出したらそれはそれでよくないんです。

その時はどうしたらいいかわからなかったのですが、とにかく落ち込むだけじゃなくて、しっかりやる気を出すことを見せるようにしました。アドバイスをされる前より大きい声を出す、キビキビ動く、など。

とにかくアドバイスの内容は受け取るけど、周囲には相手が厳しいことを言ったようには見せない工夫が必要です。

クソバイスは相手に逆ギレさせないために濁して受け流す


クソバイスとは、良かれと思ったアドバイスが相手には余計なお世話だったり、見当違いなことだったりするものです。例えば、「早く結婚した方がいいよ」や「勉強のために休日出勤(無給)しなさい」など。

私の場合は「クライアントにもっと色っぽさを出せ」と言われたこともあります。仕事場がガールズバーやクラブやレンタル彼女だったわけではなく、普通の会社でのお話です。キモすぎる。「令和でもそんなこと言う人いるんだ」ともはや笑いましたが。

ここまでくると、もはやセクハラなので怒ってももちろんいいのですが、周りに味方がいない場合は理不尽に責められたり、場合によっては相手が激昂したりするかもしれないので、我慢できるなら怒らない方が賢明です(自分の身を守るために)。

かといって、笑って「かしこまりました」と返すとそのクソバイスを承認したことになってしまいます。

「流石に違うな」というクソバイスに関しては「あー…(黙る)」みたいに濁して受け流すことも必要です。否定も肯定もせず。そしてセクハラめいたことや労基違反なことはこっそり人事などに報告することも忘れずに。

アドバイスの受け取り方はパフォーマンスに全振りしていいかも


いかがだったでしょうか。今回、発達障害者の私がしている「アドバイスの受け取り方」のコツについてお話ししましたが、正直全てどんな風に装うかの話になってしまいました。

しかし、発達障害をもつ人たちは周囲からどう見えているのかを考えた言動をすることが私を含め苦手な人が多いので、あえてお話しさせていただきました。見え方を気にしなきゃいけない社会、本当に疲れますね。

その反面、「アドバイスを心の中ではどう受け取るか」は自分の中で超自由に決めていいと思います。

側から見たら正論なアドバイスでもケースバイケースで、本人にとってはクソバイスになる時もあると思うんです。

特に発達障害を持っていると「そんなこと言われてもできないものはできないのに」と思うアドバイスって多いと思いますし。それに悲しいことにセクハラ、パワハラめいた純度100%のクソバイスも社会には蔓延していると思います。

とにかく受け取れないものは心の中で「へっ」くらい思って受け流せばいいと思います。その分、自分が「いいな」と思うアドバイスはしっかり受け取る。

その選別をしていることがバレないように外見ではリアクションを考える。私も頭ではシュミレーションできていても、実際では全然うまくいかず、クソバイスだなと感じたら顔を歪めたりしちゃっているので、日々精進です。

生きづらい世の中ですが、ちょっとずつうまくこなしていきましょう。

身体性表現障害で8年の無職ひきこもりから、推し活のおかげで社会復帰に成功。しかし会社に就職するもクビになり、直後にADHDとASDスペクトラムが発覚した。現在は自身の発達障害に向き合いながら、推し活の素晴らしさを様々な角度から発信している。

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