フリーランスに転身、そのとき全盲の私が考えたお金のこと｜多様性を推進するコラムサイト

フリーランスに転身、そのとき全盲の私が考えたお金のこと

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2024.3.2

会社員からフリーランスに転身した全盲の私。働き方を変えるにあたり、真剣に考えたのはお金のことでした。具体的にどんな準備をしたのか。実際に会社を辞めてうまくいっているのか。今後どうしていきたいのか。綴ってみます。

執筆：山田菜深子

会社員からフリーランスに転身した全盲の私。働き方を変えるにあたり、真剣に考えたのはお金のことでした。

仕事の収入が減ったとしても、笑顔で過ごしたい。そこで会社を辞める前に、ほかの収入源の確保や無理のない節約などに力を入れ、準備を整えました。

具体的にどんな準備をしたのか。実際に会社を辞めてうまくいっているのか。今後どうしていきたいのか。綴ってみます。

退職後の生活を思い描く

私がフリーランスに転身すれば、仕事の収入は大幅に減る。これは覚悟しなければならないことでした。「稼げるかどうかより、やりたいかどうかで仕事を選びたい」という思いが転身を考え始めるきっかけだったからです。

ではそうなったとき、どうやって暮らしていくのか。あれこれ検討しました。

まず取り組んだのは、退職後の理想の生活を思い描くことです。その結果見えてきた大事なポイントは以下の3つでした。

（1）会社員時代以上に楽しい日々を送る。
（2）夫の収入に頼らない。
（3）お金のために苦労することは可能な限り避ける。

次に取り組んだのは、お金の使い方を見直すことです。月々の支出を細かく記録し、何にいくら使っているのかを把握して、節約できるところは節約することにしました。その上で退職後どの程度の収入が必要になるかを計算しました。

柱は年金と配当金

さて、問題は必要な収入をどのようにして得るのか。仕事以外の方法で稼がなければなりません。

そんな私の力になってくれたもの、それは株式投資でした。

株式投資には、会社員になる前からチャレンジしていました。夫が節約の一環として先に始めたのですが、話を聞いているうちに私もやってみたくなったんです。

夫はお金に関して意識が高く、投資についてもいろいろと勉強しているようだったので、そういうことにはあまり詳しくない私でも気軽に始めることができました。

株式投資を始めた当初は「儲けよう」などという感覚は全くありませんでした。一番の目的は株主優待を楽しむこと。コーヒーショップやホテルの無料券、食べ物などがもらえると知り、「それ欲しい！」と飛びついたんです。本当に軽い気持ちで株を買っていたものです。

その取り組み方を、優待重視から配当金重視に変えてみました。受け取れる配当金を増やせば、会社を辞めた後の大きな収入源になるからです。

それに加えて、私は1級の障害基礎年金を受給しています。退職後はこの2つを柱にして生活する。そう決めて準備を整えました。

無理なく節約

株式投資は、節約にもつながっています。例えばスマホに関してですが、月々の料金はほとんどかからなくなりました。株主優待で格安SIMサービスの割引が受けられると知り、それを利用し始めたからです。

節約といえば、「ポイ活」も外せません。買い物やゲームをしながら、楽しくできる範囲でコツコツポイントをためることにしました。小さな活動ではありますが、そのポイントを活用して何かが得られたときには嬉しくなるんですよね！

我慢して切り詰めるというのは長く続かないもの。無理なくやれることを実行するのが私の節約です。

実際に辞めてみると…

現在会社を辞めて2年経ったところですが、とても順調。計画通り進んでいるという実感があります。好きな仕事ができ、精神的にも安定しています。

このところ値上げ値上げで心配な面はありますが、何とかなっています。趣味を思い切り満喫する余裕もあります。

私は食べることが大好きなので、普段株式投資や節約に力を入れている分、美味しいものにはしっかりお金をかけています。以前は外食すると「より安いものを」と考えていましたが、最近は「食べたいものを」選んでいます。たまに贅沢しちゃったりしてますが、それでも今は支出より収入のほうが上回っている状況です。

また夫とは財布を別にしていて、これからもその方針は変えないつもりです。お互い自由でいられるということを大切にしています。欲しいものがあれば自分の判断で買える。これってとっても気が楽です。

今後もこの調子で

この先何が起こるか。それはわかりませんが、今のところ将来への不安はほとんど感じていません。笑顔で過ごせる日々を、これからもこの調子で守り続けていきたいと思っています。

もっと多くの「やりたい仕事」に出会いたい。そんな気持ちはありますが、そのために焦ったりはせず、できることを地道にこなしながらよりよい未来を目指すつもりです。

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