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2023年、やっと過去を乗り越えたよ。

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2023.11.24

2023年10月。
まだ、パニック発作や起き上がれないなど、病状から来る身体の症状など残っているものはあります。
でも…

今現在の私には、過去を乗り越えたのではないかという感覚があります。
心の重石が取れた実感や過去が優しくなった感覚が、今の私にはあります。
道のりはとてもとても長かったですが、やっと、ここまで来れました。
今回のコラムでは、これまでの振り返りをしたいと思います。

執筆:愛

ー振り返りー

私の人生は2歳から始まっています(記憶や意思が始まった歳)。

生まれてきて最初の記憶は、とても怖い光景でした。
その怖いものを止めようと泣きながら大声で叫び続けていました。
でも、私の声は一切届かなくて、自分の無力さから来る命の否定をその時初めて感じました。

その後も私の家ではよく怖いことが起こりました。
弟も生まれましたが、その怖いもののほとんどは私一人で受けるものでした。

家には安心というものは存在しておらず、いつもビクビクしながら生活していました。
安心してリラックスして、子供らしく過ごせた瞬間は一瞬たりともありませんでした。

それから、貧困や親の不在。
両親の離婚。
犯罪被害。
後遺症、障害。
結婚、出産。
ハンデを持つ子供たちの子育てや産後うつ。
両親の介助。
母の他界。
私と同じ病気だった叔母の自殺。
私自身の離婚とシングルマザーとしての生活や緊急入院など…。

本当に盛りだくさんな人生でした。

文字で見ると呆気ないですが、自分でも本当によく生きてきたと思いますし、ずっと診てくださっている子供たちの主治医からも、
『よくここまで生きてきましたね』
と労いの言葉を先日いただき、涙が溢れました。

過去には、3度自殺未遂をしており、その時初めて絶望の先があることも知りました。
そのうち様々なきっかけや、ストッパーを見つけたりしながら、何度も落ちてはまた登り、なんとかここまで命を続ける(繋げる)ことができました。

長年、死にたいと思いながらも、生きていくための治療や訓練、自分との向き合いを続けてきた日々は、想像を超える苦しさがありました。

でも、少しずつ回復していく中で、生まれて初めて「死ぬのが怖い」と思った日のことは、今でも忘れられません。

ー変化を感じた日ー

2023年。
翌10月に母の七回忌を控えた9月。
ふと、母の遺影を見ても、何も苦しくないことに気がつきました。

加えて、嫌な思い出しかない祖母が夢に出てきたのですが、その時の祖母は、見たことのない穏やかな顔をしていて、私はその祖母を見ていて『よかったぁ』と安心し、姿を見ても苦しさを全く感じませんでした。

目が覚めても、心は温かいままでした。

父のことはとうの昔に許せて愛せていますし、叔母に関しては、自ら命を断ち、その原因が私と同じ病気だったと知った時、叔母の悲しみを受け止めて、愛に変わることができました。

今年の9月には、私を苦しめたはずの家族たちを全員許し、愛せることができるようになっていました。

性犯罪被害について。

これまで続けてきた心理学の勉強はとても助けになりましたし、曝露法(以前のコラム)で訓練を続ける中で、男性への感謝も日々戻ってくることができました。
これまで続けてきた心理学の勉強は、家族のこと同様、被害に関することでもとても助けになりました。
また、以前のコラムで触れた「曝露法」で訓練を続ける中で、男性への感謝も日々戻ってくることができました。

そして昨年から、受刑者の方に関わるボランティアを始めたのですが、実はそこの団体の方が犯罪を犯してしまうということが起きました。

私はとても大きなショックを受けました。

またこれまでと同じような、私の事件後のような気持ちになるかと思いました。

でも、その時の私の感情は、これまで抱いていた苦しみではなく、心が悲しみでいっぱいになっていたのに気がつきました。

これはとても大きな変化でした。

また、9月下旬、電車に乗る訓練中に久しぶりにパニック発作が出てしまうことがありました。
私は発作が一回出ると誘発しやすくなり、体力をかなり消耗してしまうので、10月に入っても発作と落ち着かせる頓服の量は増えていき、寝込んでしまう時間も増えてしまいました。

でも、そのような状態にも関わらず、以前のような気持ちにはならず、身体の症状として受け止めている自分がいることに気がつきました。

今回、このような経験があったことによって、以前の私との違い🟰心の変化から、『過去を乗り越えた』のかもしれない…と、そんな風に思えるようになりました。

そこからしばらくは、”かもしれない“という感覚から中々抜け出せずに居たので、もしかしたらこのままこれも抜け出せない可能性があるのでは?と感じ、

『ええええいいいい!!!!
かもしれないんだから、もう乗り越えたってことにしちゃおうっ!!!
そうだ!!乗り越えたんだっ!!!』

と自分に決めることにしました(笑)

もちろん、遺伝か虐待の後遺症か分からない発達障害や、PTSDやパニック障害などの犯罪被害の後遺症も、双極性障害なども治った訳ではありません。

困難や症状の辛さはまだあるので、今後も治療や訓練は変わらず必要です。

それでも、過去の出来事のはずが、現在進行形で起こっているような心の状態から抜け出せたことは、

「乗り越えた」

と言って良いのだと思っています。

ー心の変化ー

自己否定や自己非難。
人間不信や嫌悪感。
他人軸で常に自己犠牲。

自分の感情や意見は抑圧して、自分の命の否定が根強かったですが、治療を続けていく過程でそれが少しずつ、自分を愛せる私に変わっていきました。

私という人間はどういう人でどんな人でありたいのか。
自分を知り、自分の軸を決め、年月を掛けてその軸を太くしていきました。

その軸ができると、例え迷いや恐れが生じて悩んだとしても、軸が道標となり戻ることができるようになるので、他人軸で生きていた以前に比べて、生きていることが楽になりました。

ーこれまでとこれからー

過去を抜け出した今、辛かった思い出も優しいものに変わり、今は私の人生を愛せていますし、これまで出会ったすべての人や物事に対して感謝の気持ちも生まれました。

この『パラちゃんねる』という場所も、過去を抜け出すには必要不可欠な場所でした。

コラムを通して私が抱えていた想いなどを整理したり、コラムに書くこと自体で色々な想いを手放すことができたり…
抱えていた想いを読んでくださる誰か1人とでも繋がることができたりと…、

すべて今の私に繋がる大切な時間でした。

このような場を与えてくださったパラちゃんねるの皆さま、お読み頂いた皆さま、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

そして、これまで支援してくださったたくさんの方々にも、この場を借りて心から感謝申し上げます。

ありがとうございました。

ここから先の人生は、私が持っている力を最大限に活かしながら、自分のため、人のためになることをしていけたら良いなぁと夢を見て、今後、新しい資格にもチャレンジしようと考えています。

過去が優しいものに変わっても、できないことが多い私も、不安が強い私も相変わらず存在しているので、きっとこれからも色々なことや感情を経験していくのだと思います。

それでも、光と闇、決してどちらかに振り切れてしまわないよう、地に足をつけて、自分の中に湧き上がってくるどんな思いも優しくぎゅっとしながら、次の一歩は今よりできるだけ明るい道へ踏み出せたら良いなと思っています。

自分と人はイコール。

どちらも大切にしていく道は、中々難しく険しい道かもしれませんが、それでも、どちらも大切にしていける道を“考え続ける”ことを辞めない人生でありたいと思っています。

今はまだ、私の軸もできたばかり。
言うならば、ハイハイの赤ちゃんがつかまり立ちを始めたような感じです。

この先の人生を、自分の足でしっかり歩いていけるよう、自分と仲良く生きていけたらと思っています。

Text by

障害手帳2級。本格的に治療を始めてから約16年。
今もまだ葛藤は抱えていますが、治療や取り組んできた事が実を結び、笑える日も増えました。更に理解を深めていき、これからも自分にとっての学びと向き合っていきたいです。希望や夢だけでなく、もやもや、どろどろな自分もぎゅっとしながら、出来ることを精一杯頑張ります。

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