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コミュ障?アウトプット不足?発達障がいは会話でもひと苦労

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2024.1.10

最近会社の上司の方々から「今の話ってこういう意味…?(いわゆる聞き返し)」だったり、「話の内容が分かるけど分かりにくい」と言われるようになってしまいました。

そこで自己分析をしてみたところ、私はこれまで緊張しやすいから話すのが下手だと思っていたのですが、それ以外にもさまざまな原因がありそうなことに気づきました。今回はその自己分析についてお話しさせてください。

執筆:あかい あおい


ー まず大前提として…

私は人と話す時に緊張しやすい特徴があります。緊張すると声が震えたり顔が赤くなったりするので、それが嫌で学生時代はなるべく他人と関わらないようにして生きてきました。

そういうコミュニケーションが苦手な人はいわゆる"コミュ障"って呼ばれるじゃないですか。私もそういう風に揶揄されたことがありますし、なにより自分でも人付き合いが苦手な意識があったので、なんとなくコミュ障なんだろうなぁと思いながら高校生までを終えました。

ですが大学に入ってから"これではまずい"と思い、他人に積極的に話しかけるようにしたところ、少なからず友人もできて、充実したキャンパスライフを送れたというのがザックリとした学生時代の振り返りです。

大学時代も気が知れたなかでも緊張してしまう場面はありましたが、当時はそれ以上になんとか他人とコミュニケーションを取れてることが嬉しくて、"他人より緊張しやすいが、頑張ればコミュニケーションが取れる"くらいにしか考えておりませんでした。

しかし気が知れた人に対してですら緊張してしまう人間なので、言うまでもなく就職面接や会社に入社してからは緊張ゆえの失敗を何度も繰り返してきました。

これまでは自分に障がいがあるとも知らなかったので、失敗する度に"どうすれば緊張しないようにできるか"にフォーカスを当てて改善を繰り返してきたのですが、実は緊張のせいだけではないのではないのかもしれないというのが今回の纏めです。

アウトプットするのが苦手なことに気づいた

上司からの指摘を受けて色々と調べていると、"発達障がいの人は思考が纏まらず、アウトプットが苦手な特性があること"を知りました。

そしてこの話を見た時、すごく納得させられました。というのもそもそも論なのですが、学生時代から〈恥ずかしいから話せない〉のほかに、〈言っても上手く伝わらないからいいやとか、そもそも上手く伝えられる自信がないから発言しなくていいや〉と思って口をつぐんできたシーンが多々ありました。

いつの何がキッカケだったかは正直忘れてしまったのですが、物心ついた頃からそんな風に思うようになっていました。そしてそういう口をつぐんでしまうシーンは最近でもあります。

例えば友達と話している時に「昨日豪華なディナーを食べに行ったんだ」という話をしようとするじゃないですか。でもどういう話の掴みをして、どういう流れで話したら良いかその場で組み立てるのが難しいんです。話の掴みなんて言うと難しく考えすぎじゃないかと言われるかもしれませんが、これが本当に難しいんです。

時には無理矢理話を持ち出すこともあります。でもそうするとだいたい一回では理解されません。たぶん話の展開の仕方が下手なんだと思います。

手を替え品を替えて何度か説明すると、ようやく「昨日豪華なディナーを食べに行った話」が伝わります。ですが当然それに対して、「どんなご飯だったの?」とか「どこら辺にあったの?」とか「誰と行ったの?」って聞かれるわけじゃないですか。それに対しての返答の解像度も低いらしいんです。

それこそ会話してる相手と共通の知り合いAと行ったのなら、「誰と行ったの?」という質問に対しては、「A君と行ったんだよ」で済みます。

でも会話の相手が知らない人間の場合、説明するのが非常に難しいんです。なので気心の知れた人と話をしている時でも、"これは伝えるの難しそうだからやめよう"と諦めることが結構あります。

今回は誰と行ったのかを聞かれた際の話をしましたが、こういった"会話相手が知らない情報を前提にして話す話"が非常に苦手なんだと思います。そしてもっと掘り下げると、話を構築する力とかアウトプットする力が弱いんだろうなぁと感じたのが今回の気づきです。

反論されるのを前提に話してしまう

これも最近知った知識なのですが、発達障がいの人や、幼少期に自分の意見を発することができない環境で育った人は、反論されることを前提に話してしまうようです。今回上司に指摘されたエピソードのひとつがまさにこれに当たると思いました。

というのも指摘されたひとつに、「A案とB案どっちの方が良いと思う?」と聞かれたエピソードがあります。当時の私としては、A案もB案もそれぞれメリットデメリットがあり、でも僅差でA案が良いと思ってました。それを伝えたところ「分かるけど分かりづらい」と言われてしまったんです。

これの自己分析としては、「A案が良いです」のひと言だけだと「でもA案にはこういう欠点があるよね?」とか「安直に考えてそう」と思われないかが不安で、思考を全部言葉にしてしまったきらいがあります。客観的に言うと私の話は長いうえに纏まりがないんだと思います。

すごくもどかしいのが、こういう話し方になってしまった理由って上記のアウトプットが苦手な部分をカバーしようとしたことに起因するのかなと思います。

というのも緊張しいだったこともあって、私は学生時代から口数が少ない人間でした。そのため周りの大人からは「もっと具体的に」とか「(考えていることが相手に伝わらず)しっかり考えてないでしょ?」いう言葉を絶えず向けられてきました。

そうした失敗から、"何かを聞かれたら具体的に答えなければいけない""そうしなければ考えてないと思われかねない・指摘されかねない"という意識が深層心理にあるんだと思います。

もちろん具体的に伝えることは良いと思います。具体的かつスマートに伝えられれば社会人としてベストだと思うのですが、緊張・アウトプットの苦手さが相まってそれが難しいのが悔しいところです。

そもそも上司(話し相手)の返事は、反論ではなく意見だと思う人も多いと思います。それも色々と調べたのですが、幼少期に自分の意見を言えなかった人は、他人の問いが圧力とか反論に聞こえてしまうようです。実は私もそういう家庭で育ちました…。決してその瞬間に"これは反論だ"と思ってるわけではないのですが、やっぱりどうしても反論として認識している自分がいるみたいです。

気休め程度ではありますが、自分はアウトプットが苦手・話し相手の意見を反論と思いやすいという認識を持つことで、最近は少し話し方を変えられたような気がします。とは言え色々な要素が絡み合ってる問題だと思うので、劇的に変えるのってすごく難しいんだろうなとも感じる日々です。

緊張しやすい方って結構いると思うので、少しでも何かの役に立てていただければ幸いです。

今回も読んでいただきありがとうございました!

1995年生まれ。発達障がい・学習障がい・社会不安障がい・うつ・睡眠障がい持ち。出版社とか編集プロダクションとかでライターをやってました。前職在職中に障がいが発覚。大人になってから障がいがわかった系です。現在はオープン就労。趣味は詩を書くこと。夜な夜な生きづらさや葛藤を綴ってます。

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