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半身麻痺の私がやりたいことを行動に移すときの判断軸とは

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2024.2.1

私は急性心筋梗塞のカテーテル手術の合併症で脳梗塞を発症し、左半身麻痺の身体障害者になりました。今回は、私がやりたいことを行動に移す際に、どう決めているかについて書いていきたいと思います。

執筆:市川 潤一

私は急性心筋梗塞のカテーテル手術の合併症で脳梗塞を発症し、左半身麻痺の身体障害者になりました。そんな私が、前回、前々回と、今年の目標や障害者になってからでもやりたいこと、やったことなどについて書いてきました。

今回は、私がやりたいことを行動に移す際に、どう決めているかについて書いていきたいと思います。


私はここ「パラちゃんねるカフェ」で、障害者になってからいろんなことを諦めてきたということについて書き続けてきました。

しかし、障害者生活も長くなってきて、こうやればこういうことができる、これなら今でもできる、慣れれば自立できるというようなことがわかってきました。

半身麻痺の障害を負ってから、私が何かをするときにまず考えるのは、「それが安全にできるかどうか」ということです。

私は普段、装具と杖を使って歩行や移動をしていますが、健常者に比べると非常に不安定で、危険な歩き方になってしまいます。床から立ち上がりたいときも椅子などに肘を乗せたりして腕の力も使わないと立ち上がることができないので、転倒は下手すれば本当に致命傷になりかねません。

入院中のリハビリでも、無理な動きをして何度も転倒したことがあります。脳梗塞の際に開頭手術をした影響で、頭蓋骨が大きな衝撃を受けるとずれてしまうおそれもあるので、基本的には転倒しないように慎重に動くことを気をつけています。

そのことを理学療法士たちから「慎重すぎる」だの「ビビり」だの言われたこともありますが、私にとっては命に関わることなので、慎重すぎていいくらいなのです。何より、自分自身のことが一番大事ですから。

前回の記事の一泊二日の旅行も、友だちが一緒だったので「もし転倒してもすぐ救急への連絡をしてもらえるだろう」と安心して出かけられたというのは大いにあります。

また、半身麻痺の障害を負ってからというもの、基本的にどこへ行っても何かしらの制限を受けてしまうようになりました。平等とか自由とか権利というものがどうでもよく感じるようになってしまったのもあり、他人がどう言うかよりも「どうすれば自分にとって一番良いのか」ということを考えて行動するようになった気がします。

もちろん、そこはできるだけ「わがまま」にならないようにバランスはとっているつもりですが。あくまでできるだけ。


私は子どもの頃から進学先などについて「あれはダメ、これはダメ」と抑圧された家庭で育ちました。その反動なのか、障害者になってから、どっちにしろ「障害者だ」という目で見られるなら「どう思われようが関係ない」と一気に周囲の目から解放された気もしています。

そうなったのは、考え方によっては反抗期などもなく、正しい思春期を通過していなかったからかもしれませんが(笑)。40歳を過ぎてこんな青いことを言うのも恥ずかしく気持ち悪いですが…。

今までの私は障害者になったことをとにかく否定的に、ネガティブに考えていたことが多かったですが、障害者になったことで、そんな周囲の目からもある意味で開き直って生きられるようになったような気がします。

これからも何かを決めたり、実行に移すときは「こういうことを求められている」という空気を読んだり、周りのことを考えすぎずに、何が自分にとって一番良いのかということを考えていきたいです。「わがままな障害者」と思われても、極力迷惑がかからない範囲でやっていければと思っています。

1975年生まれ。長崎県佐世保市出身・在住。愛媛県でライター・編集者・カメラマンなどとして活動していたときに脳梗塞になり、左半身麻痺の身体障害者となる。取材活動ができなくなり、ライターを廃業。障害者雇用の在宅ワーカーとなり現在に至る。障害者の仕事の仕方や見つけ方など自分の経験を紹介していきたいと思います。

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