人が病んでいく原因は単純ではない
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2023.10.20
誰でも健康でいたい。それは生物の本能的な願いだと思います。体だけに限らず精神もやはり健康な方が過ごしやすいですよね。今回は人が病んでいく原因は一つじゃないなあと感じる理由をご紹介します。
執筆:タカツキミドリ
私は今まで人が精神的に病んでいく理由は自責思考にあるのだと思っていました。
長い間「自分がいけないからうまくいかない、自分がいるとみんなに迷惑をかけている」そんな心の声が止まらなかったからです。
今精神疾患を持っている人の多くも、同じような感情を持っている人もいると思います。
しかし自責思考の他にも他責思考で病気になる人の存在を知りました。
「相手が悪い。自分は正しいのに。まわりは自分を理解してくれない」このように話す人と交流があり、私は純粋に他責思考でも病むんだなと思いました。
そして人が病気になる原因は自責思考だからとか、そんな単純なものではないと考えるようになりました。
偏ると良くない
精神疾患をもっていると行動や思考が極端になります。
認知の歪みという言葉を知っていますか?
この特徴があると精神的に不安定になりやすくなる特徴のことです。
0か100思考
一般化
ネガティブ思考
マイナスへの変換
結論の飛躍
拡大解釈
べき思考
決めつけ など複数あります。
興味がある人は心理学や認知行動療法の本にもっとくわしく載っているので調べてみてください。
これだけ認知のゆがみとして例が取り上げられているということは、人が病んでいく原因は一つではないといえます。
中庸という考え方
中国の宗教にはこんな考え方があります。
どちらに行き過ぎることなく、真ん中がいい。仏教もこの流れをくんでいます。
人が病んでいく原因は複数が絡み合っていて、自責思考だから良くないとか、反対に他責思考だから良くないとかそうやって極端に偏るのも問題かもしれないと感じました。
私はコラムを書かせてもらっているのでその時にそうだと思ったことを書いていますが、新しい体験をすると価値観が変わるときがあります。
そうやって考えをずっとめぐらせていると、言い切れる物は少ないなと改めて思います。
パッと見元気なのに凄く繊細な人や、無口で何を考えているのかわからないけどすごく友達思いの人。
裕福で恵まれているように見えるけど精神的に追い詰められていたり、常にカッコよくて堂々としているのに本当は家に帰って泣いている人など。
人の心は何層もの膜があって、自分で本音だと思っていたこともすぐにわからなくなったりとても一言では言い切れません。
【まとめ】複数の視点を持つとお互い優しくなれる
今回は少し哲学的な内容になってしまいましたが、人が病気になる構造がそんな単純なものだったらもっと治療は簡単かもしれません。
現実は複雑な事情や感情が絡み合って、傍目で見るより難しいもの。
その視点を持っていると、お互いにもう少し優しくなれるのではないかと思いました。