優先席、座れますか?~難病を抱える若年層の苦悩
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2022.1.10
あなたは、優先席に座ることができますか?
多くの人は、優先席に座りにくいという印象を持っていると思います。
実際、空いている電車やバスでは、必ずと言っていいほど優先席は空いていますし、少し混雑した車内でも、あまり自発的に座る人はいないように感じています。
今回はそんな優先席をめぐる葛藤についてお話しします。
執筆:xu
わたしは難病により、疲労を感じやすい体質です。
ですが、もちろんおしゃれをしたいお年頃。ヒールの靴を履いて出かけることや、それなりに着飾って出かけることもあります。
一日中、いや半日出歩くと、もうクタクタになってしまいます。
また、出かけ先でできるだけ体調を崩さないためにも、体力は温存しておきたいもの。
だから、公共交通機関を使うときは、優先席に座ることが多いのですが…。
そんな時、優先席に座っていると、お年寄りの方があからさまに正面や真横に立っていることがあります。
う〜ん。本来なら譲った方がいいのでしょう…ですが、疲れているのも事実。
しかし、外見上は若者がずうずうしく座っているようにしか見えていないのでしょう。席を譲ってくれオーラをひしひしと感じます…。
中には、ぶつぶつと小言が聞こえてくる時も。
譲れなくてごめんなさい!と思いつつ、寝たフリをしてその場をやりすごすことがほとんどでした。
この1件の後も、バスや電車に乗るたび、どうももやもやすることが多くなりました。
どうしたら、このもやもやを解消できるのか。
こうして行き着いた先は、『ヘルプマークを持つこと』でした。
ヘルプマークを持つこと
ヘルプマークとは、外見上配慮を必要としていることがわかりにくい人が、周囲にそっと知らせることができるマークのことです。
キーホルダーのようになっており、かばんや杖などにつけることができます。
ヘルプマークをもらうと決めたわたしは、早速通っている病院の総合窓口でヘルプマークをゲットすることに成功しました。
わたしのような難病を抱えている方や内部疾患など、目に見えないけれど助けを必要としている方は、持っておいて損はないと思います。
その日から、一人で外出する時は、ヘルプマークを肌身離さず持ち歩くようにしています。
優先席に座る時は、できるだけヘルプマークが目立つようにして。
これで、『優先席を譲らない、ふてぶてしい若者』のレッテルを払拭できた…!ような気がします。
めまいや貧血がある方、生理痛がきつい方などでも、わたしは持っていいと思います。
きっと、席を必要とする時があると思いますので…。
ヘルプマークは、お近くの保健所や病院などに設置してありますので、ぜひゲットしてみてくださいね。
また、ネットで検索するなどして、事前に設置場所を確認しておくとスムーズです。
知ってもらうことで救われる
難病や内部疾患の患者さんは、外見上はどうしても健常者に見えてしまうから、優先席に座ることを躊躇したり、優先席に座っているとストレスを感じたりすることが多いと思います。
そんな時はヘルプマークを持つことで、自分の事情をそっと周りに伝えることができます。
もし、あなたが優先席に座ることに躊躇してしまっていたり、座っている時に嫌な思いをしたり、もやもやを抱えていたりするのであれば、ヘルプマークを持つことをおすすめします。
また、ヘルプマークの認知度はまだまだ低く感じています。
そのため、こうして発信していくことで、もっとたくさんの人に知ってもらうことが大切だとわたしは思います。
ヘルプマークの存在を知っていただくだけでも、わたしたちの力になります。
ヘルプマークのわかりやすい啓発動画はこちらより確認することができます。
どうか、健康そうに見えても助けを必要としている方々のことを、知っていただければ幸いです。
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Text by
xu
1998年生まれ。17歳の時に全身性エリテマトーデスを発症、22歳の時に線維筋痛症を併発した。高校卒業後は広告代理店でライターとして勤務し、その後フリーのライターとして独立。
趣味はゲームをすること。noteではコラム未満の病気の話やエッセイなどを執筆している。